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【カリフォルニア記念の特大号!】Catch Surfエアグライドで「風のように 鳥のように 夢のように」_新型Zパッドが到着しました!_カフェヒロさんで究極は永遠となり、永遠は無となりました_(4374文字)

南南西うねりが入っているサンクレメンテ。

波好きな俺たちはもちろんだが、

波好きのペリカンもうれしそう。

俺たちサーファーには羽根はないが、

サーフボードがある。

左からNATION/W.C.O. The “4th and Goal”、

グラスホッパー、

Catch Surfエアグライド、

そしてテストBD3。

そのテストBD3のかおりちゃん。

今日一番の波に乗りました。

やはり運と縁のあるボードですね。

王子ニックのトップターン。

彼はたまにこんな大技をするので、

撮り手としてはたまりません。

俺たちはセッション中盤から、

エアグライドに交代で乗ることとなった。

それほどまでにこのキャッチサーフの新作

『5’0″エアグライド』に全員が興味があったのです。

まずはアパッチ亮太。

この軌跡と切り返しの力強さ。

力能排南波(ローワーズ波をふるわすほど力が強く)

という漢詩インスピレーションは、

諸葛亮の『梁甫吟』という詩からなんです。

そういえば亮太の「亮」と、諸葛亮は同名ですね。

不思議です。

次は俺の番となった。

このエアグライドに乗って驚いたのが、

短いのにやたらと浮力があること。

切り返しもこのようにダイナミックレンジで実行できるのがすごい。

風のように

鳥のように

夢のように

こんなコピーを得てしまった。

キャッチサーフ好きだからこそのフレーズ。

お次はかおりちゃん。

エアグライドがもたらした最高の波乗りセッションだったようで、

このニコリン・ハピネス・バンザイしてくれました。

これこそがリバースサバ手。

司馬遼太郎さんが、

「人間にとって、その人生は作品である」

ということをおっしゃっていたが、

「サーフボードにとって、その滑走は作品である」

というコピーが浮かんだ。

実はこれ、

NATIONライアン・イングルと、

モーリーブギーの祖、

トム・モーリーとのコラボボードなのです。

ペリカンたちもうれしそう。

バラバラと飛んできたのはMV-22 osprey。

生まれて初めて、

ティルトローター機 (tiltrotor) を生で見た。

戦闘機のような爆音でした。

鳥のようで鳥で非(あら)ず。

丸いのは腹のようで腹に非ず。

漢詩風ですね。(笑)

http://blog.nakisurf.com/naki/archives/19376

構脚橋南部(ローワーズ)での二人。

ここは映画「スタンドバイミー」

のロケ地であります。

「新Zパッドがもうすぐ到着する」

というのでアマンセラの倉庫に。

ちょうどタチアガリパッドがサンプル製作されていた。

しっかりと働くクリスチャン。

彼ももう41歳となった。

新しいスカッシュテイルパッドを持っています。

これはリーシュプラグのところが凹んでいて、

テイルギリギリに貼ることができるのです。

お、

ついに新作Zパッドが届きました!

それらをクリスチャンとグレイソンが運び、

このアストロカッターを用いて、

開封したら虹色サイケ色のパッドが出てきました。

「これ、かっこいいじゃねえか」

「いいですよね」(亮太)

「オレはシングルグリッドが一番好きなんだ」

「そうなんですか」亮太

「一番グリップがいいはずだぞ。復活させたんだな」

とはクリスチャン。

そんなことをマエストロのクリスチャンに言われるとうれしい。

ということで新作が届きました。

これから日本に向けて出荷しますね。

通関がすぐに通れば今週末にはパラパラと届きます。

Zパッドも新しくスカッシュテイル用が加わりました。

へへー。

その夜は名店カフェヒロさんディナー。

「ここがあのカフェヒロさんなんですね。

とうとう、いやついに来ることができました!」

と亮太とかおりちゃんがうっとりとし、

ヒロさんにオマカセでお願いしたコース料理

(要予約)がはじまりました。

いつもは食べることに気をとらわれてしまって写真が撮れないのだが、

今日はきちんとみなさんにヒロさんの芸術を伝えたくと思いまして、

それぞれの作品を収めてみました。

前菜の前にグリーンピー(ス)のスープ。

豆と畑、

それら全ての旨みがここに結集しているかのようなスープで、

しばし放心してしまうほどの風味に空腹感は増大した。

次は前菜1

つまり最初の一皿

「タコの刺身とダイコン味噌サラダ」

ごま油の風味と、味醂の甘味、

そして味噌の味が有機栽培ダイコンの旨みと一体となって、

タコのやわらかさにもだえてしまい、

まるで浦島太郎と海中宴会をしているかのような気持ちとなった。

前菜2

「マグロのユッケ」

ご存じ韓国料理のユッケをマグロで実行したもの。

社交界と最高級とエレガンスに憧れていたマグロを韓国のチェジュ(済州)島に連れていって、

そこで出会ったカリフォルニアから来た温泉玉子と恋をしたというお味でした。

「カムサハムニダ」(ありがとうございます)

と言っていると、

韓国の良妻シンディがこのプロセッコを開栓してくれました。

ポン!

「コマッスムニダ」(ありがとう)

グビ。

コネリアーノ村で育った

「ヴァルドッビアーデネ葡萄はすばらしデス」

とは博識のドッキー。

「ヒロさんオイシイです。

サイコー、天才、マエストロ!」

とヒロさんに対して限りない賛辞が出てくる。

前菜3は

「ウニの天ぷら」

日本に入荷した途端に最高級品とされるサンタバーバラ産ウニを、

薄葉のシソでふわりとくるんで天ぷらの手法で揚げてあった。

一口頬張ると、味の官能世界にひきづりこまれて、

過去も未来もどうでも良くなってしまった。

「勝海舟は美食だったのか?」

とどうでもいいことが浮かび、

蝦夷地に向かった土方歳三の行方を案じる。

話が逸れました。

現在に生き、

そしていま昇華したいとさえ思ってしまったほどの、

今宵のスペクタクル劇場のピークに達した逸品でありました。

スプマンテをもう1杯。

グビビー。

うまい!

前菜4は

「東坡肉 (トンポウロー)の饅頭」

三国志演義で、

成都帰還の際に諸葛亮が発明した料理とされているのがこれ。

蜀の豊かさと、

劉備玄徳の徳にふれたような甘さが肉と渾然一体となっていて、

「やばいです、これ」亮太

「何これ、こんなおいしいのはすごいです」かおりちゃん

「チューカ・スリーサウザント・イヤーズが今ここに」ドッキー

「この包子につつまって暮らしたい」俺

というそれぞれの感想をここに。

前菜5

「鱸(スズキ)の春巻」

チリの海で泳いでいたスズキが、

そのままこの皿の上で横たわっているようで、

山頭火の句

「酔うてこほろぎと寝てゐたよ 」(昭和5年)

を思い出し、

「酔うてスズキと寝てゐたよ」(平成23年)

と詠んでみた。

ついでに”This straight road, full of loneliness”

という彼の有名な句の英訳まで思い出してしまった。

「まつすぐな道でさみしい」

というのがオリジナルですが、

美食の道はさみしいのかもしれないな、

と海原雄山を想う。

主菜1

「ウニスパゲッティ」

前出のサンタバーバラのウニの海で泳がせた

ディチェコ No.11 スパゲッティーニを凝縮させて和の鉄人と、

伊太利亜の鉄人が力を合わせて一緒に引き上げた大皿。

本ワサビをたっぷりとつけていただきました。

火野葦平(作家「麦と兵隊」1938)は、

かつて「ふく(魚の王)」と題した詩に、

ふぐを「日本一魚の王よ」と称えたが、

俺たちはウニの創造性と、

そのふくよかな類い希な味にそれぞれ清き一票を投じた。

恍惚。

主菜2

「カフェヒロ・サーロイン」

ミディアムレアで注文したが、

「この肉質はミディアムがいいと思います」

というヒロさんの言葉を受けてひとくち頬張ると、

ときめきにも似た感覚がやってきた。

これを宇宙的叡知(えいち)性とひらめいたが、

今そのことを思い出して表現してみるのなら

「幾何学思想時代の創作哲学料理」

と感じながら、

あのガーリックソースを思い出しています。

一同放心しながらデザートに向かいました。

デザート1

「パンナコッタ」

クリームの高いエントロピー(示量性状態量)に満たされた、

オレンジカウンティ・ストロベリーの婚姻。

恐妻家のクリームさん、といった趣であろうか。

こうなってくると、

埴谷雄高さん調の、

宇宙的思想のような壮大なものが口内に拡がっていった。

デザート2

「バナナ・ミルフィーユ」

オーガニックバナナと、

ヒロさん特製のカスタードがカカオ70%のクリームと合わさり、

天球儀を持ったゾロアスター、

そしてプトレマイオスが地球儀を抱え、

ユークリッドがコンパスで円を描こうとしている

「ゾロアスター聖の絵」を突然思い出した。

ということで、

これこそがゾロアスター的な永劫味なのです。

ふー。

デザート3

「クリームブリュレ」

これはご存じフランス語で

「焦がしたプリン」という名が付いたデザートで、

映画『アメリ』の主人公アメリの楽しみの一つは

「クレームブリュレのおこげをスプーンで割ること」

というフレーズを思い出した。

全ての料理が終わり、

大満足してヒロさん流のヴェルサイユ宮殿の晩餐会が終了したが、

また至福アルバムのページが増えた喜びをかみしめている。

アンディ・ウォーホルの

「アーティストはHeroではなくてZEROなんだ」

という言葉を思い出し、これはすなわち

「究極は永遠となり、永遠は無となる」

という俺なりの解釈を添えて、

この宴の円を閉じさせていただきます。

カフェヒロさんに情報はこちら。

ロスアンジェルスから40分、

ハンティントンビーチから20分、

サンクレメンテから45分。

サンディエゴから90分。

そんな立地のサイプレス市にひっそりとあります。

ちなみにサイプレス市はタイガー・ウッズの生まれ育った場所なんですよ。

10509 Valley View St,

Cypress, CA 90630

(714) 527-6090(日本語でも)

http://www.cafehiro.com/

駐車場でドッキーが、

「遅くなりましたが、ナキさんへのお誕生日プレゼントデス!」

とミニシモンズTHANGを創って持ってきてくれました。

ちょうどドッキーの52歳の誕生日だったので、

私からもZPADの新作とカウアイコーヒー。

そしてポップコーン特大缶をプレゼントしました!

おめでとうドッキー!

これからもすばらしいサーフボードをたくさん誕生させてくださいね。

NAKISURFからも応援させていただきます。

Happy Surfing!!


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