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naki's blog

1秒の長さ、短さ_(3111文字、中編です)

あけましてございます。

元日をいかがお過ごしですか?

これは本日二度目のブログとなりました。

ノースハワイでは、また波が大きくなっています。

ブイは「12.8ft@14sec./WNW」と計測し、

波情報は「14 to 18 feet today」と、背丈3倍波を報告している。

風は「200@14(南南西の風14ノット)」となっていて、

どうやらこれは三日月湾周辺が良さそうだが、

俺たちはあまりあちら方面に行かないので、

どうしたものかを思案中です。

ちなみにこの1ノットというのは、

およそ風速0.5m/秒で、14ノットは風速7m/秒ということになる。

(最大でなく、平均値を採用)

「伝説のような初波求む」

と初乗りの支度を調えているところです。

V0158

昨夜はきんちゃんに録画していただいたBS放送での

「イチロー特集2009」を見て興奮、感動していました。

球場で見ると、

あんなにクールなお顔をされてプレイしているイチローさんが

「恐怖」や「苦悩」、「孤独感」を持たれていて、

じつに人間的なのだなあ、と興味深かった。

.

いつだったか、

メジャーリーグで唯一「シーズン打率4割を打った」

テッド・ウイリアムスという殿堂入りプレーヤーがいまして、

「その彼についてを当時のアンパイヤが詳しく語っている」

という本を読みました。

そこで書かれていたテッドは、現役を引退して、

『ワシントン・セネタース(現テキサス・レンジャーズ)』

というMLBチームの監督に就任していました。

で、キャンプ(スプリングトレーニング)の際にテッド監督は、

バットの芯部分に松ヤニを塗って、打席に入りました。

(普通、松ヤニはバットの握り部分に塗るもの)

指名したのは新人の超速球投手。

このときはテッドが54才だったので、

筆者であるアンパイヤはもちろんのこと、

その場にいた誰もが監督が空振りすることを想像しました。

その若い投手が全力で速球を投げると、

なんとテッド監督はロケットのような打球をセンター方向に打ち返し、

筆者(アンパイヤ)に向かって、

「ワンシーム(一本の縫い目)だな」と言った。

次の球も打ち返し、

今度は「縫い目の1/4 インチ(約5mm)上だ」

と言い、戻ってきたボールを筆者が確認すると、

一球目と同じように(バットに付けられた松ヤニの)

黒い跡がボールの縫い目の5mm上についていた。

そして次々へと、合計7球を打ち返し、

見物していた選手、そして観客はそれに感嘆したという。

で、全てのボールの跡を確認すると、

7球中5球の位置を確実に言い当てていた。

速球、しかもメジャーリーガーの豪速球。

それを「バットで捉えたときのボールが見えた」

という神業がここに証言されている。

しかも54才で。。

やはり歴史に名を残す人は違う。

.

そんな伝説話と、

イチローさんの歩まれている軌跡は似ているようなところがある。

そのBS番組内では、

「不振に陥ると、イチローさんは球場内にあるビデオルームに足を運びます」

と、イチローさんはビデオルームで自身の打撃を分析し、

「始動が遅すぎる。これでは打てるわけがない」

と発言していた。

野球をされる方ならわかるが、

ピッチャーの投げた球というのはものすごく早い。

一度マーク・クルーン(横浜→巨人)

の球速160kmの球を体感できるチャンスがあって、

それは、

「ボールが手から離れた瞬間に、

光が通り過ぎたようにボールの軌跡だけが目に残った」

というものだった。

「速い。。、プロはこれを打っているのか…」

と驚愕したことを思い出した。

その速さはどのくらいなのか?と調べてみると、

「ピッチャーの指から離れ、ホームプレートまで到達する時間」

という項目に、

「160km=0.38秒」とあり、

それはピッチャー対バッターというのは、

「たったコンマ38秒で全てが起きているのだ」

と知った。

速球投手の目安である球速150kmが、0.41秒。

選手たちはわずかコンマ4だか3という時間の中で、

打てるボールなのか、そうでないのかを判断し、

バットを振り出しているのだ、と驚く。

よく考えたら、そこからバット振る時間を差し引かなくてはならず、

とすると、有効なる時間はこの半分となるのだろう。

一般の人間の全身反応(体を動かすための)時間は最短で0.365秒とされている。

そうなると、

このテッドやイチローさんの全身反応時間は0.1秒程度なのだろうか。

1時間を60等分したのは、

六十進法を使用していたバビロニア人とされている。

これにより、1秒は平均太陽日の86,400分の1となった。

野球選手をはじめとし、瞬時の判断力を求められる生業の人は、

1秒をさらに細かく分けたような時間単位が存在しているのだろう。

「秒」について調べてみると、

1.ミリ・秒? (ms) は、1,000分の1秒。(ストップウオッチにおける最小の単位)

2.マイクロ・秒 (μs) は、100万分の1秒。(原子の反応や化学反応計測に用いられている)

3. ナノ秒(ns)は、100億分の1秒(コンピュータ、パルスレーザー等の電子機器に)

とあり、イチローさんたちは、

「200ミリ秒」という単位の勝負を毎回しているのだ。

実際に私たちサーファーも調子の良いときは、

リップから飛び散る波の飛沫が見えたり、

波にできるコブのコンマ秒単位での変化を

スローモーションのように見届けたりもしている。

さらにケリー・スレーターたちは、

急激に移動、変化していくリップ形状を誰よりも正確に捉え、

始動の位置、

ボードが浮上していく状態などをミリ秒単位で判断しながらサーフしているのだろう。

こうして人間の能力、奥深さをイチローさんを通じて知ることとなったのです。

すごいことです。

満月がきれいなので、

しかも元日の満月は珍しいので写真を撮りに行ってきた。

明るいので星々はあまり見えないけど、

夜の空を見ていると、この大きな宇宙の広さを知ることとなる。

現在考えられている宇宙の広さ、

つまり「宇宙の果て」までの距離が150億光年。

そんな広さ、その広さというのは大きすぎて実感が沸かない。

.

スペースシャトル(平均時速25000km/h)で、

1光年の距離を移動すると、

およそ4万年かかると試算されている。

(1光年は約10兆km)

で、この銀河系の隣には、

アンドロメダ銀河(M31)という巨大な星の集まりがあり、

それは地球からおよそ230万光年の距離に位置している。

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↑星座だとこの位置に見えます。

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「星雲、それは星雲?♪」

↓M31のお姿。

m31

もし私たちがスペースシャトルに乗って、

そのアンドロメダ銀河まで行くとすると、

9200億年かかる計算となる。

地球の年令は46億年とされているが、

アンドロメダ銀河までの航宙時間はその200倍もかかってしまう。

で、この計算をしながら思っていたのが、宇宙時間のこと。

もしこの広い宇宙を(現在の地球のように)行き来するのには

「時単位を拡げればいいのだ」とひらめいた。

私たちを包む宇宙は、

もしかしたら「1000年を1秒」という単位で動いている。

と仮定してみたらどうだろうか?

私たち人間はたかだか生きて100年。

ということは宇宙時間だと、

たった100ミリ秒のこととなるのかも。。

寂しくもあり、永遠のようでもあり、

そして長く、短く、広く、遠い視点となりました。

080427

↑これは「星雲衝突」写真。

元日もNAKISURFに来てくださって、ありがとうございます。

イチローさんたちが到達した瞬くような時間、

そしてそらに拡がっている信じられないような広さ。

そんなことをこの2010年の元日に感じたのです。

今年もどうぞよろしくお願いします。

20100101_NAKISURF本日の標語です。

「それぞれのお時間がすばらしいものになりますように」