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naki's blog

また大きくなるノースハワイ_ミウラに乗ったD先輩_吾輩はサーフボードである。「この下に稲妻起る宵あらん」_(3696文字、中短編です)

おはようございます。

成人の日をいかがお過ごしですか?

俺も24年前はこの日があったのですね。

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↑surf prescriptionsの名作『BWT』。

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こちらはうねりの中日。

ブイは10ft@11sec.と落ち着いている。

だが、さっき10時のブイレポートを見たら

16ft@14sec.といきなりうねりが入ってきた。

次に15ft@17sec.とものすごいうねりが続いている。

このブイの位置からノースハワイまでは6?8時間かかるので、

最短で、夕方4時にはこのうねりに乗れるのだろう。

もう少ししたら行ってみます。

明日はどこまで上がるのか、

雰囲気的に前回よりもこのうねりの方が大きそうです。

波情報を見ると、

「Surf will reach 30 to 40 feet late tonight through Monday.」

(今夜から明日にかけて30から40フィートの波となる)

とあり、

うねりの角度は317度のNW(北西)から。

ということはまたイナリーズか、

リリコイリーフが良くなるのだろう。

本当にうねりが尽きない今年の冬。

きっと記録的なアベレージサーフとなるのでしょうね。

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今朝起きたときにD先輩の夢を見ていて、

「俺はな、三浦という名前だからミウラにしたんだ」

と、コンサート会場!?にランボルギーニ・ミウラに乗って来られ、

一緒に南房総に行く、というものだった。

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夢が実現するといいなあ。

ミウラかっこいいですね。

そういえば同車は『サーキットの狼』作品内で、

飛鳥ミノルが乗っていました。

「ちぎられちまったぜいぃっ」

突然、懐かしいフレーズを思い出した。

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早川さんが来られるときに

「つり丸」を買ってきてください。

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とお願いした大事な雑誌。

なぜこれを希望したのかと言いますと、

現在連載中の

椎名誠の『わしらは怪しい雑魚釣り隊』

に恋い焦がれていて、

それが読みたく、ぜひぜひとお願いしたのです。

受け取ってから忙しく、

何日も開けなかったのだが、

昨日ようやく読むことができました。

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「へへー」

と、貴重な三岳を飲みながら(泊さんありがとうございます)、

当該ページをめくる。

拝むように、祈るように読み始めると、

著者の椎名誠さんは年末で忙しく、

そして寒いので釣りなどしている暇はないそうで、

なんと新春号は、

「ドレイ竹田」が代筆となった残念回となっていました。(涙)

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「せっかく買ってきてもらったのに」

「これが楽しみだったのに」

「新年なのに」

と、複数方面でがっかりしながら

仕方なくも「ドレイ竹田文章」を読んだのですが、

やはり本物と代用の違いははっきりとしていて、

読み終わった頃には悪酔いしている俺がいた。

ドレイ竹田もライターなので、

文章は上手いのだが、

主役不在ははっきりと読み取れた。

例えるのなら、

黄門さまのいない「水戸黄門」。

または寅さんの出ない「男はつらいよ」、

浜ちゃんのいない「釣りバカ日誌」。

という感じなのであります。

そのままベッドに入ったのだが、

寝る前に色々とこのことについて思いを巡らせ、

「代筆」ということに焦点を当ててみた。

このブログも「D先輩代筆」とかがあってもいいのではないか、

と着地しました。

「それでよー、それこれあれでよー」

という彼独特ブンタイを浮かばせて、

ニヤケながら眠りについたのです。

で、前出したミウラの夢とつながるわけですね。

これはいつかお願いしてみますね。

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もう一度これを書きながら考えてみると、

『俺ブログをD先輩が執筆する』

というのは「普遍的なカタルシスに陥らない」

という大事なことでもある気がするのです。(笑)

解読不能のセンパイブンタイに翻弄されてみたいです。

深夜の原宿ショールームの亮太からスカイプが鳴った。

すぐに「ACCEPT(通話を承認)」すると、

なんとそれはショールームにいた勇人さんからで、

昨夜パーティが盛り上がって、

そのまま深夜になっていたようだった。

「お誕生日おめでとうございます」

と彼のゾロ目バースデーを讃え、

後ろではD先輩のウクレレとギターの音、

そして菜央ちゃんとえりちゃんの笑い声が聞こえて、

突然通話は切れた。

パーティは大成功だったのでしょうね。

お越しいただき、ありがとうございました。

次回は私も参加しますね!

「文学の勉強を再びしている」

といつかここで書きました。

やはり気になるのが明治の文豪で、

そこからはじまった近現代文学に襟を正しています。

中でも坪内逍遥の『小説神髄』は、

当時(1885)の書生たちの度肝を抜いたのであることが察せられる。

心理的写実主義を芯にすえた客観描写というのは、

2010年の今もなお続いている主な表現で、

そう考えるとこの時代には、

「現代國文学」というのがすでに完成していたということとなります。

みなさんもご存じのように日本語はものすごく奥が深く、

さらには異なる階層がいくつも存在して今に至っているのだ、

と深く知った。

そこで、勉強を兼ねて、

ーー恐れ多いのですがーー

夏目漱石のあまりにも有名な戯作風作品

「吾輩は猫である」(1905)をベースに書いてみました。

こうして書いてみると、

作家の当時の文体はもちろんのこと、

句点、句読点、そして展開、リズム、

語彙についてとても勉強になりました。

それではどうぞ!

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『吾輩はサーフボードである』

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夏日爽波

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吾輩はサーフボードである。

名前はまだ無い。

どこで生れたかとんと見当がつかぬ。

何でも薄暗い樹脂臭い所でざりざりと削られていた事だけは記憶している。

吾輩はここで始めて人間というものを見た。

しかもあとで聞くとそれはサンディングマンという人間で、

いつも埃っぽい種族であったそうだ。

このサンディングマンというのは時々我々を捕えて削り続けるという話である。

しかしその当時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。

ただ彼の掌の下で吾輩の体がザラザラと音を出し、

何だかすっきりとしたた感じがあったのを覚えている。

掌の下で少し落ちついてサンディングマンの顔を見たのがいわゆる人間というものの見始であろう。

この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。

水研ぎをもって装飾されるべきはずの面がガタガタでまるで寺の床だ。

その後サーフボードにもだいぶ逢ったがこんな片輪には一度も出会わした事がない。

のみならず腹の真中の溝が突起している。

そして長いこと箱に閉じ込められ、

明るくなったと思ったらこの男が現れたのだ。

男は腹を触る癖があるらしく、

これがどうもくすぐったくて実に弱った。

この男の車の中でしばらくはよい心持に寝ておったが、

しばらくすると非常な速力で運転し始めた。

車が動くのか自分だけが動くのか分らないが無暗に眼が廻る。

胸が悪くなる。

到底助からないと思っていると、

どさりと音がして眼から火が出た。

それまでは記憶しているがあとは何の事やらいくら考え出そうとしても分らない。

ふと気が付いて見ると男はいない。

今までの所とは違って無暗に明るい。

眼を明いていられぬくらいだ。

はてな何でも容子がおかしいと、

周りを見渡すと、

吾輩は車の中から急に道路へ落ちていたのである。

横をものすごい速度で車が通りすぎていく。

路傍で転がったままどうしたらよかろうと考えてみた。

別にこれという分別も出ない。

しばらくして泣いたら男がまた迎に来てくれるかと考え付いた。

試みにやってみたが誰も来ない。

そのうち路の上をさらさらと風が渡って日が暮れかかる。

腹が非常に減って来た。

泣きたくても声が出ない。

仕方がない、

何でもよいから食物のある所まであるこうと決心をしするが何も動かない。

突然車の止まる音がした。

声の高い女が、

なんでサーフボードがこんなところに落ちているの、

と言いながら吾輩を持ち上げ、

ずっと欲しかったからこんなところにあるのかしら、

と首をかしげながら吾輩は車に乗せられた。

これは前の男より一層乱暴な方で吾輩は頭と足をひどくぶつけられた。

いやこれは駄目だと思ったから眼をねぶって運を天に任せていた。

だがそれでも上手く収まらないようで、

助手席を前にしたり、後にしたり、

何でも同じ事を四五遍繰り返したのを記憶している。

暖かい車内でうとうとと眠ってしまった。

やがて車は速度を落とした。

どのくらい遠くまで走ったのだろうか。

海の見える車庫に入り、

女は吾輩を抱きかかえて主人へこのサーフボードが路傍に落ちていましたよといった。

主人は鼻の下の黒い毛を撚りながら吾輩の顔と体をしばらく眺めておったが、

やがてそんなら明日乗ってみたらいいといったまま奥へ這入ってしまった。

主人はあまり口を聞かぬ人と見えた。

女は嬉しそうに吾輩を居間へ置いた。

かくして吾輩はついにこの家を自分の住家と極める事にしたのである。

(いつかに続きます)

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