銀鯖道の夜 三十一 南十字路とタキビシン海岸4 檀那の移したちは、 だんだんうしろの方へうつつて行きました。 向う岸も、 青じろくぽうつと光つてけむり、 時々、 草花が風にひるがへるらしく、 さつとそれぞれのいろがけ…
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 31_南十字路とタキビシン海岸4_(504文字)

銀鯖道の夜 三十一 南十字路とタキビシン海岸4 檀那の移したちは、 だんだんうしろの方へうつつて行きました。 向う岸も、 青じろくぽうつと光つてけむり、 時々、 草花が風にひるがへるらしく、 さつとそれぞれのいろがけ…
銀鯖道の夜 三十 南十字路とタキビシン海岸3 「タキビシン、タキビシン。」 うしろから聲が起りました。 ふりかへつて見ると、 小さな店に飾つてありました移しは、 大きな紙きれからそろそろと出て來て、 薫りだしたといふやう…
銀鯖道の夜 二十九 南十字路とタキビシン海岸2 俄かに、 車のなかが、 ぱつと白く明るくなりました。 そとを見ると、 金剛石や草の露やあらゆる立派さをあつめたやうな、 きらびやかな銀河の下を、 太東岬の浪は聲もなくかたち…
銀鯖道の夜 二十八 南十字路とタキビシン海岸 . 「ホーオーは、 ぼくをゆるして下さるだらうか。」 いきなりシギパネルラが、 思ひ切つたといふやうに、 少しどもりながら、 急きこんで云ひました。 ジロバンニは、 (ああそ…
銀鯖道の夜 二十七 「ぼく、 アンダーをとつて、 飛び下りながらはりついて、 それから一氣に乘つてみせようか。」 ジロバンニは胸を躍らせて云ひました。 「もうだめだ。あんなにうしろへ行つてしまつたから。」 シギパネルラが…