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naki's blog

本気波にこころしびれて手が震え_サビタ修理中です_余生を味わうフィッシュサンド_夕陽前の無心一点流 VS ごゆるり一点流_フォーカラットJクアッド_(3155文字、短編です)

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誰かがいなくなると、

きれいな虹が出るんだ。

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/16991

昨日はアンディ・アイアンズの夢を見たと書いたが、

あれは全て本当の話で、

彼が亡くなる前夜に見ていたものだった。

亡くなった頃、

俺は寝坊しながらもイナリーズにいて、

そこではよく彼と会ったので、

「もしかしたら呼ばれていたのだろうか?」

と自問して、

その記憶と感謝をこめて、

ささやかながら昨日のポストとしてみた。

Andy, R.I.P..

こんにちは、

ぽっかりやってきた祭日をいかが過ごされましたか?

最近の祭日は月曜日ばかりで、

たまにはこうして週の真ん中にあるのもいいですね。

気が抜けるというか、

ふんわりとした日でした。

こちらの台風14号波はまだまだ続いていて、

波情報を読むと、

Extra large surf still rocking the north shore this morning.

今朝の北海岸には、巨大波はまだやってきている。

Most spots are washed out in the 15′-20′ range with 25’+ sets at select outer reefs- exercise caution!

15-20フィート、そして25フィートのセットでは多くのブレイクでは大きすぎ、

アウトリーフではできるが、とても危険なので要注意を!

Buoy 51101 is reading 12.5 feet @ 14.1 seconds

ブイ1の計測値は、12.5ft@14.1秒。

とあり、概要すると、

波は少し下がったが、

まだまだ大波レンジであることがわかる。

うねりと同方向の北風ということもあり、

西側のシークレットに行くと、

ご覧のような超が付くほどのパーフェクションだった。

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遠くから見るといい波に見えるが、

実際にはオソロシ系で、

やるならばお祈りと根性、

そして全身全霊で、

いままでのサーフ技術を駆使して、

ようやく乗ることができる本物波だった。

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「おい、どうする?」

と長老フレちゃんが聞いてこられたので、

「やりますやります」

と二つ返事で沖に出て、

この強烈な波を味わってきた。

ひさしぶりの本気波はさすがに迫力があり、

いまだに手が震えるほど興奮している。

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こんな日にサーフするのは、

果てぬ水平線に漕ぎ出た小舟のような気持ちだが、

実際には何ヶ月か前にもこんな激烈波でサーフしているので、

命の危険があるほどではなかったが、

やはり気が引き締まる。

「海を相手にどうにもならないのを楽しむのが波乗り」

と公言してはばからないが、

今日の波でワイプアウトしたときは、

「海に懲らしめられ、

あきらめて命を預けるのを楽しんだ」

という鍛錬修行のようであった。

やはり海はすごいぜ。

へへー。

とD先輩のセリフをたずさえながら海から上がり、

シャワーを浴びたときに現世に戻れた気がして、

余生のような気持ちとなった。

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サビタのラジエターがとうとう壊れて(水を噴きだして)しまったので、

タバステーションさんに交換修理に出した。

名修理工のダレンが担当してくれている。

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さて、どこまで直るのかが楽しみ。

今日直るのかなあ?

余生なので、

豪勢に外食しようとイシハラマートに行く。

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ここで

“Fish Sandwich”$5.95

を注文する。

メニューにはないので、

店員の顔色と、

注文する人を選んで、

「今日は、フィッシュサンドはありますか?」

とできるだけ笑顔で丁寧に聞くと、

特別に作ってくれる裏メニューなんです。

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今日はマヒマヒ(シイラ)で、

軽く焼いてくれ、

それにたっぷりとトマト、

オニオン、レタスをはさんでくれる。

シイラは日本だと値が付かないほどの下魚と聞いたが、

こちらでは高級魚で、

さらにはとってもおいしいのでぜひお試しください。

フライパンにオリーブオイルをしき、

塩胡椒をして軽く焼けば至福のときが訪れます。

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この栄誉のようなサンドイッチを頬張りながら強烈波を回想し、

余韻に浸っているのか、

自然に笑ってしまう。

「1ドル=140円の頃には840円。

80円時代には、480円と、

サンドイッチ一つで360円の値引きなんですよ」

と、誇らしく長老フレちゃんに伝えるが、

彼は日本円というものを使用したことがないので、

そんなことよりも胡椒の袋と、

紙ナプキンが風で飛んでいかないように工夫するのに忙しいようだった。

昨日お伝えしたビーチハウスの波乗り模様です。

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俺はミニノーズライダー+グニャリ9インチ仕様、

ノアは彼の新しいドッキーボード(Pro-2)で巨大波の裏側でサーフした。

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ノアのニコリンスラッシュの迫力は、

腰波とは思えないほどで、

そんなハードコアの潮流とは真逆なる俺は、

片足乗りに光を見いだしていた。

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普通のグライドだが、

こうしてヤジロベエ方式とすると、

スリリングで、

さらにはボードのトリムスポットが明確に浮き上がってくる。

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“無心一点流”

という流派を立ち上げて、

塾生を募りたいが、

現代のHOW TO文化に浸されているサーフィン界では、

奇を衒(てら)った流派と思われてしそうなので、

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きちんとした定義を制定しようと、

坂本龍馬の北辰一刀流風に書いてみた。

“無心一点流の体系は、

ショートボードとロングボードからなる。

当流の伝承によると、

伝統的だったトリミング夢心流と、

船木三秀が修行した千葉公平派一点流を統合して無心一点流が創始された、

と伝えられている”

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としてみたが、

そうなるとまたお堅くなってしまうので、

“ごゆるり一点流”

でもよろしいので、

各々の解釈で滑走してくださいね。

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ノアは米SURFER誌、

そしてSurfing誌を読みあさる少年なので、

無心一点流などは、

こざかしいとばかりに波を全力で切り刻む。

けどニコリンの精神はいつまでも持ち続けてくださいね。

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俺は穏便に、

そして涼しく柔らかく波の上を滑った。

夕陽頃となり、

斜面の色が変わる頃によくあるノーズライドをしてみるのだが、

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なぜか凡庸で陳腐だと、

あまり感じ入ることができずに、

並行乗りをノアに披露して悦に入った。

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自分の好きなようにサーフできて、

空港での行列や、

機内でのせせこましさからようやく開放されたようだ。

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グニャリフィンもその解放運動に協力してくれたようで、

ノアと一緒に夕焼け前のニッコリンし、

この後は冒頭の夕焼け虹につながるのでした。

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純城から彼のマジックボード写真が届いた。

Jクアッドという名前が閃いたが、

特徴は狭いテイルにあり、

ここから振り絞るような跳躍速度が発生するのだと言う。

ケリー・スレーターの発見した原理を純が求め、

千葉公平さんが確かにチューンナップしたのがこれ。

じつは世界の亮太が公平さんシェイプの虜となり、

一時も手放さないと聞いたが、

まさにそんな魔法のボードなんだろうな。

俺は俺で、

公平さんのフィンを求め、

twin stabi

こんなツインスタビライザーの製作をお願いしてみた。

夕陽カラーという半透明の色としたく、

レトロ感覚のドライブ性能を高めるフィンとなるデザインなんです。

このフィンのその後は、また後日お伝えしますね。

すばらしい波に乗ると、

精神が聡明となる。

きっと野球でも速球をジャストミートした瞬間。

またはスキーのジャンプ等の飛翔、

その超感覚を再現した何かができるといいのに、

と、成田空港で買ってきた週刊朝日を読みながら思った。

うまくすると、

サーフィンの滑走感覚を自宅で体験でき、

それが生活改善になるようになると、

“ごゆるり”

とか、

“ニコリン”

というのはさらに輝くようになるんじゃないかな。

そんなことまで考えてしまいました。

今日もnaki’s blogにお越しくださってありがとうございます。

どうぞすてきな午後をお過ごしくださいね。

ALOHA!