アンディ・アイアンズの夢を見ていた。
そこはロスアンジェルスの古着屋で、
倉庫の二階にひっそりとある店だった。
そこには、
ステージ衣装のような革のジャケットやパンツが売られていて、
「ここに来ればこういうのが手に入るのだ」
と自分で自分に言い聞かせていた。
アンディはそこの店員であるらしく、
色々な説明をしてくれた。
彼は今日の波が気になるようだったので、
「あのうねりは台風の頃から知っているんだぞ」
と、あの雨と風をジマンしていたら目が覚めた。
時計を見ると、
まだ寝てから20分しか経っていなかった。
22:22
時差ぼけなのだが、
こういうことは良くあるので、
カメラハウジングの点検をし、
それから波高ブイの確認をすると、
Surf along north facing shores will rise to heights of 25 to 35 feet Today.
北向きのビーチには7.6m?10.67mの波となるでしょう。
Buoy 51101 is reading 5.2 feet @ 21 seconds
1番ブイは1.58m@21秒!!
と巨大というか、
猛烈なるうねりを伝えていて、
16.1?? 16.0? NNW (341)
もうひとつのブイの平均値は
341度角で、
「シックスティーン・シックスティーン」
という恐ろしいことになっていた。
17/17については以下のリンクをご覧ください。
https://www.nakisurf.com/column/column-32.html
目覚ましを未明にセットし、
鳴ったことは覚えていて、
しっかりと起きたと思っていたのだが、
寝坊してしまい、
それでも怨念のようにイナリーズに向かった。
まだ柔らかい砂浜に車を取られたついでに、
カメラを片手に波打ち際まで行くと、
海が大きく現れ、
沖からうねりの影が見えた。
それはゆっくりとこちらに向かってきて、
波腹を立ち上がらせ、
白い鎌首を持ち上げ、
腰くらいの深さの海面に全てを叩きつけた。
その強烈な一打を海底に浴びせた瞬間、
全てが止まったかのように見えた。
あれだけ美しかった巨体は、
一条の光を反射しながら跳ね上がり、
泡となり、海面に散らばり、
そして消えていった。
まるでひとつの生を失ったようだった。
遠くから来た波は虚無となり、
深遠となっていったのだろうか。
真意を探ろうとしていたが、
例によって何も得ることはできなかった。
轟音の連続。
そして少し静かになって、
また思考する瞬間が生まれた。
これは浄化なのか、
または到来なのかを考えてみるが、
何もわからぬまま、
海の怒りにも似た重みを見続けた。
さて、
俺はサーファーのはしくれであるらしいので、
この波に乗るために色々な考えを膨らませるが、
どこにもテイクオフができるようなランプはなかった。
ミスすれば、
間違いなく海底に叩きつけられるのだろう。
これは
“脊髄破壊波”
と、自衛本能が働き、
その狂気のような重低音から立ち去った。
俺はブログにこう書くのだろう。
「イナリーズはまだシーズン始めの砂が取れていなく、
巨大なショアブレイク状態だった」
□
こんな始まりの日もある。
波とは失うものなのか、
得るものなのかを自問し、
未だに茫然としている。
陽は昇り、そして暮れる。
そんな繰り返しの中で俺たちは何を感じ、
そして何を想うのか。
□
閑話休題。
今日もNAKISURFにお越しくださってありがとうございます。
明日もいい日にしましょうね。
これからノアとビーチハウスに行ってきます。
北うねりの反対側なので、
か弱く、平和波だとおもいます。
Have a nice 文化の日!
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