新品・中古サーフボード販売、カスタムオーダー、ウェットスーツ、サーフィン用品など。NAKISURFは、プロサーファー、フォトグラファー、サーフライターで知られるNAKIのコンセプトサーフショップです。

naki's blog

明日の転生波と、一条の光_(1488文字、短編です)

アンディ・アイアンズの夢を見ていた。

そこはロスアンジェルスの古着屋で、

倉庫の二階にひっそりとある店だった。

そこには、

ステージ衣装のような革のジャケットやパンツが売られていて、

「ここに来ればこういうのが手に入るのだ」

と自分で自分に言い聞かせていた。

アンディはそこの店員であるらしく、

色々な説明をしてくれた。

彼は今日の波が気になるようだったので、

「あのうねりは台風の頃から知っているんだぞ」

と、あの雨と風をジマンしていたら目が覚めた。

2010_NH_T4187

時計を見ると、

まだ寝てから20分しか経っていなかった。

22:22

時差ぼけなのだが、

こういうことは良くあるので、

カメラハウジングの点検をし、

それから波高ブイの確認をすると、

Surf along north facing shores will rise to heights of 25 to 35 feet Today.

北向きのビーチには7.6m?10.67mの波となるでしょう。

Buoy 51101 is reading 5.2 feet @ 21 seconds

1番ブイは1.58m@21秒!!

と巨大というか、

猛烈なるうねりを伝えていて、

16.1?? 16.0? NNW (341)

もうひとつのブイの平均値は

341度角で、

「シックスティーン・シックスティーン」

という恐ろしいことになっていた。

17/17については以下のリンクをご覧ください。

https://www.nakisurf.com/column/column-32.html

目覚ましを未明にセットし、

鳴ったことは覚えていて、

しっかりと起きたと思っていたのだが、

寝坊してしまい、

それでも怨念のようにイナリーズに向かった。

まだ柔らかい砂浜に車を取られたついでに、

カメラを片手に波打ち際まで行くと、

海が大きく現れ、

沖からうねりの影が見えた。

それはゆっくりとこちらに向かってきて、

波腹を立ち上がらせ、

白い鎌首を持ち上げ、

腰くらいの深さの海面に全てを叩きつけた。

その強烈な一打を海底に浴びせた瞬間、

全てが止まったかのように見えた。

あれだけ美しかった巨体は、

一条の光を反射しながら跳ね上がり、

泡となり、海面に散らばり、

そして消えていった。

まるでひとつの生を失ったようだった。

遠くから来た波は虚無となり、

深遠となっていったのだろうか。

真意を探ろうとしていたが、

例によって何も得ることはできなかった。

2010_NH_V5606

轟音の連続。

そして少し静かになって、

また思考する瞬間が生まれた。

これは浄化なのか、

または到来なのかを考えてみるが、

何もわからぬまま、

海の怒りにも似た重みを見続けた。

さて、

俺はサーファーのはしくれであるらしいので、

この波に乗るために色々な考えを膨らませるが、

どこにもテイクオフができるようなランプはなかった。

ミスすれば、

間違いなく海底に叩きつけられるのだろう。

これは

“脊髄破壊波”

と、自衛本能が働き、

その狂気のような重低音から立ち去った。

俺はブログにこう書くのだろう。

「イナリーズはまだシーズン始めの砂が取れていなく、

巨大なショアブレイク状態だった」

2010_NH_T4301

こんな始まりの日もある。

波とは失うものなのか、

得るものなのかを自問し、

未だに茫然としている。

sunset

陽は昇り、そして暮れる。

P1050870

そんな繰り返しの中で俺たちは何を感じ、

そして何を想うのか。

閑話休題。

2010_Flow_T0125

今日もNAKISURFにお越しくださってありがとうございます。

2010_Summer_Amami_T2815

明日もいい日にしましょうね。

これからノアとビーチハウスに行ってきます。

北うねりの反対側なので、

か弱く、平和波だとおもいます。

Have a nice 文化の日!