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ノースタイガーの最上級波。
私が「ノースジェッティ」と名付けた波の蔵。
千葉北は黒い砂地の地形で、
なかなかこういうトップボトムの掘れた波質にはなりずらい。
けれど、うねりの向きと強さ、
堤防横に発生する流れがサンドバンクという地形を創れば、
このようにワールドクラスのバレルとなる。
普段のここを知るものにとっては、驚喜感嘆するほどの波がある。
しかも毎日ある。
この台風9号、11号といううねりが入ったおかげで、
私の日本滞在が突然熱を帯びたようになった。
ビームスカルチャートさんの個展へのアテンド、
そしてほぼ毎日どなたかとのミーティングをこなしているのだが、
空いている時間はサーフし、そして波質が良いため、
できる限り身体のコンディションを整えるようにしている。
先日20歳代に大好きだった波にたっぷりと乗り、
その頃の自分が蘇ったことはここに書いた。
https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/64347
あの日、時間的にも体力的にも無理して海に行って良かった。
大雨警報だったけど、波に向かって良かった。
そう断言できるほど私は波乗り世界に満たされている。
それら波から得た記憶やインスピレーションが現在の燃料となってピカピカに生きている。
そう考えると波乗りって、遊びを超えた何かなのだと思う。
私はすでに競技サーフィングを支持していないので、
波に乗ることはスポーツではないし、遊びというには辛く、過酷な面もある。
しかしライフスタイルとするほど、軟弱ではないし、
こう書いていくと昨日の続きみたいになるけど、
これだけサーフにどっぷりはまっていると、
つまりーーもうほとんど残されていない体力を振り絞って、
電車を待ち、つり革につかまって、それから階段をよじのぼり、乗り換えをして、
駅からたっぷり歩いて仕事先の人にお会いして、
それからまた長い距離の電車に乗って、千葉に戻り波に乗っているとーー
波乗りの何か違う側面が見えてきた。
それは「欲求を超えた何か」なのだと思う。
波に乗りたい
そんなことを超えた何かだろうか。
「波に乗り続けて、次に見える世界」
そんな新世界のドアを探しているのだとわかった。
心境は夢心地でもなく、あいまいでもなく、
次のドアは目の前にあって、体の芯を振り絞れば、
鍵の開いたドアが見え、それを開ければ、そこには新世界が広く拡がっているのだろう。
そしてそこは波乗りの新世界ではなく、自分の人生の新世界である気がする。
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