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naki's blog

うねりの間隔秒数のお話_または有義波高と有義波周期を知ること_今年最後の大波!?フォーティーン・フォーティーン・イナリーズ_フラワーフレちゃん_(2832文字)

こんにちは、

いかがお過ごしですか?

こちらノースハワイは、

春のはじまりを告げる雨がザバザバ降っています。

こんな強い雨はひさしぶりで、樹木が歓んでいるように見える。

昨日もお伝えしたのですが、

こちらはどかりとサイズアップしたんです。

これは日本からおよそ5000kmも旅してきた北西うねりで、

先週そちらの雪と大風をもたらせた低気圧からのもの。

2010_inaris_T7328

三日月湾、

各シークレット、

メジャーリーグ・ベイ等が極まっているようですが、

俺は例によってイナリーズに向かった。

下の画像は今朝のブイ情報で、

これによると、この51101番ブイでは、

昨日の8:50AMにうねりの第一波が入ってきたことがわかる。

6.6ft@19secというのがそうで、

それは波間隔が19秒というモンスター級のうねり群。

このブイからノースハワイまでは相当な距離があるので、

うねりの種類にもよるが、

ブイが動いてから12時間後に届くと、

ハワイで最も重要なコンテスト、

トリプルクラウンの波予想士をしているブルース・プリーに教わった。

buey20100315

長老フレちゃんは「いや4時間だ」と言うので、

もう一度ブルースに確認すると、

波事情を職業にしているだけあって、

彼のそれはかなり詳しく、

どんなに速いうねりでも

「51101番ブイからノースハワイ到着までは8時間はかかる」

ということだった。

さらに言うと、

ここからオアフ島に波が届くまでは2ー3時間かかるそうで、

北うねりは、この島に最初にヒットするのである。

計測に戻ると、

この北西うねりは第一波から19時間もかけて、

14ft@14secまで計測値を上げた。

いわゆる『フォーティーン・フォーティーン』

という恐ろしい領域のプライムスウェルが、

ブイを動かしている。

日本ではこのブイ計測の高さ(ft)と、

波間隔(sec)は、

『有義波高と有義波周期』というように漢字表記されていて、

気象に詳しい人に

「有義波周期は、台風クラスのうねりでも6秒から7秒程度」

と聞いていたので、ここに再び調べてみた。

わかりやすいグラフ表を見つけたので下に添付しますね。

少し古いのですが、波に新旧ないので問題なしとすると、

台風12号(1996)、

そして台風10号(1998)が有義波周期の最大で、

それらがそれぞれおよそ10ft@6sec、

つまり有義波周期がたった6秒。

それであんなに恐ろしい台風波となるんですね。

seconds jpn

ハワイに届く有義波周期がなぜそんな怪物的な数値なのか?

推測するに「距離があるうねり」ということに尽きると思う。

巨大うねりの誕生は同じ向きの猛風、

烈風が長時間吹き続けて海面を上下させて、

それが移動しながら整列するように海面のデコボコが揃ってきてうねりとなる。

うねり群は何千キロも旅する間に波頭と波頭がくっついて、整然と揃ってきて、

大きく、長い海面のシワとなるのだろう。

だから、日本に来る台風はきっと最大でも1000km以下の移動距離だが、

その5倍もの距離が、この信じがたい14秒とか、

ときおり19秒という数値を計上するのだろう。

実際に冬のハワイのしっかりとした波を滑ったことがある人ならご存じでしょうが、

日本の倍ほどに速く感じる波、

そしてその圧力、

巻かれたときは、

まるでダンプトラックに轢かれたのかと思うほどの威力で引きずられる。

波面も硬く、

ターンをしようとしたらレイルが入らなくて驚いたことを思いだした。

2010_inaris_V3500

枕の話がこんなに長くなってしまって恐縮だが、

こんな大波に巻かれて帰ってきたところなので、

少し興奮しているのかもしれない。

けれど、フォーティーン・フォーティーンにしては小さく、

それはうねりの進入角度が325°(北北西)ということに起因しているのかもしれない。

それはまるで海のミステリーだが、うねりの角度というのはとっても大事で、

これが5°変わるだけで、ブレイクは豹変する。

それと、上に掲げたのはプライマリー(主要な)なうねり計測値だが、

海はご存じのようにいつも大小の複数のうねりが移動している。

同方向に動く「サブうねり」があるのかないのかも重要で、

これがあると、プライマリーうねりはさらにアクティブになる。

きっと人間と同じで、誰かと一緒にいると昂奮するのだろうか。

と、本当に不思議だが、

前出したブルースや、

波情報の人たちはこういう数値を毎日チェックして、

俺たちに波情報を提供してくれているのですね。

本当にドラマチックな海です。

この写真は3年前かな?

イナリーズで、JJ6’2″PROでサーフしたときのもの。

切り立った斜面では、

こうしてレイル側にボードを傾けて降下するとメイク率が上がりますよね。

この時代にBD3やBWG、そしてX10は存在していなかったけど、

あったらそれらのどれかで入っていたのだろうな。

naki surfing1221_5542

ツナくんが撮ってくれました。

R0018723

フレちゃん家に咲いた見事なフラワー。

「フレちゃんはフラワーチルドレンなの?」

と聞くと、

「その時代を生きてきたんだよ」

というお言葉で、

そのときちょうどラジオから(ローリング・)ストーンズの

『マイ・ガール(Flowers収録)』がかかるという偶然。

もしかしたらあの無人販売箱に花が売られているぞ、

と直感があったのだが、

行ってみると、

そこには売り切れだという、

カボチャとキャベツの案内だけだった。

R0018728

今日はダックダイブで水中3回転なる大技も決めて、

頭の中が潮でいっぱいになってしまった。

そらからの水(雨)も止むことなく滴っていて、

本日はウエットな日と認定してみた。

花関係に話が行くのはそのせいかもしれません。

2010_NH_T8351

ウエット話を続けると、

これはゆきちゃんの作ったジンジャーシロップの焼酎割りで、

「冷えているのに温まる」

という不思議な力がこの液体にはあった。

ginger

オーストラリアにすむ弊社ウエブデザイナーのアキさんは、

「こちらにはジンジャーシロップがないので、自作しちゃいました」

と画像が添付されていた。

RIMG0198

「これを漬けたんだなあ」

と、その手間を考えると頭が下がりました。

ということで、

「あきちゃんの豪州ジンジャーシロップ』

が発売されるのは時間の問題かと思います。(笑)

味見した本人曰く、

「黒糖だったらもっと濃い味になるのかなあ?」

ということで、

お砂糖の種類も大事なんですね。

サーフボードもそうだけど、

こういうものは作ってみて、その大変さがわかるようで、

「俺は作らずに、使うだけでいいや」

とやはり思ってしまいました。

今日も、

きっと昨日もNAKISURFにお越しくださってありがとうございます。

マンゴ紅茶がカリフォルニアを飛び立ち、

成田通関に向かっているということを聞きました。

カウアイコーヒーももうすぐ日本に到着みたいです。

航空便はこちらが寝ている間や波乗りしているあいだ、

または作業中にも進んでいるのがうれしいです。

人生もこうしてたゆまず進んでいけたらいいのになあ、

と、ヤフーの路線図を見ていました。

それにしても便利ですね、これ。

ではではまた明日、きっとですよー。

ALOHA!