大きな心で波に乗れ
“『サーフボード』という本を編纂(へんさん)する”
そんなことになった。
検索時代なので種類別に分けなくてはならない。
まずはボードの形状だ。
「長い」、
「短い」、
「丸い」、
「四角い」と大別できる。
製造年代の検索もあるだろう。
年代といってもサーフボードには『変革』というデザインの経緯がある。
デューク、
ボックス、
ログ、
フィッシュ&ミッド、
ショートボードと年代は進んでいく。
その中に浮力=体積グループを作ってインデックス(索引)とする。
フィッシュは、
5つの体積グループに分けられた。
a. ボディサーフからショートボード。
薄いもの(ボディサーフはスイムフィン等も掲載すべきか迷った)
b. クラシック・フィッシュからラウンド系のさまざま、
短いスポンジボード
c. 7フィートから8フィートのミッドレングス
d. 8フィート以上のボード
e. ようやく持ち上げられるほどの物体
カラーで検索できたり、
フィンの数やテイルの形状、
使用者(サーファー)側からも探すことができたら、
さらに良いかもしれない。
とすると、
トム・カレンやタイラー・ウォーレンは、
多くのボードのカテゴリーに出てくるサーファーとなるだろう。
カテゴライズすると、
それぞれのネーミングが浮かんだ。
フィッシュならば、
浮力の少ない順に
「ショートボード・フィッシュ」、
「クラシック・フィッシュ」、
「ミッドレングス・フィッシュ」、
「ビッグ・フィッシュ」となる。
サーフボードの浮力は重要で、
表a.の
『ボディサーフからショートボード。薄いもの』
では乗る波が限定される。
e.『ようやく持ち上げられるほどの物体』ならば、
さざ波にも乗ることができる。
逆にd.『8フィート以上のボード』で大波に乗ることもある。
トウ・イン(Tow-in surfing)になれば、
テイクオフがないのでa.でもいける。
わかりずらくなったので視点を変える。
いま私は、
バレル系ならば、
68(シックス・エイト)に乗る。
203cmだ。
小波は86(エイト・シックス。259cm)だろうか。
10フィート(約305cm)ボードも好きだ。
「波に乗る」というのは、
「波面を滑る」ことだ。
波に乗るための道具はどの形でも良い。
前出したデューク・ボードの正体は、
『パパ・ヌイ』というハワイアン・コア製のサーフボードだ。
私は2012年にドナルド・タカヤマが友人に制作したレプリカを直接受け取ったが、
それは50kg以上もある堅い木材だった。
『パパ・ヌイ』に乗っていたのはデューク・カハナモクだ。
彼は近代サーフィンの父として知られている。
オリンピックでは水泳金メダリスト(1912年。合計3つ)であり、
彼が得意とするサーフィンと海洋安全の普及として、
ハワイ州の命を受けて各地にサーフィンを伝道したのだ。
デュークは、
オーストラリアやカリフォルニアで
「安全に、楽しく波に乗ること」を多くの人に説いた。
重たいパパ・ヌイを肩に乗せ、
颯爽と浜を歩き、
それは見事に波に乗ってみせた。
1950年代には、
エルビス・プレスリーにもサーフィンを教えた。
この始祖のおかげで、
サーフィンはたいてい正しく伝わった。
1910年代のことなので、
いまから100年以上前のことになる。
サーフボードという物体の仕分けをしていると、
デュークの亡霊が出てきて、
”Let’s do it with a big heart.”と言ったような気がした。
そんなことを伝えてきたのだ。
これではまるで映画
『フィールド・オブ・ドリームス』ではないか。
それからは、サーフボードの仕分けなどどうでもよくなって、
このプロジェクトは一向に進まないのだった。(了、2022/08/16)
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