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naki's blog

13ft / 16sec @314(NW)_リアルイナリーズ崇拝者より_間隔は16分?_ピンボケ愛の日_長くなったリーシュ_サメ君でサーフ_D大先生のSF_2灯フラッシュ_津村隊長ありがとうございました!

朝4時に起きてブイ情報を見ると、

13ft.@ 16sec. @314(NW)

とあり、どうやらいきなり北西うねりが入ってきたようだ。

16秒とはかなりのグランドスウエルだ、

と気を入れる暇もなくフレちゃんに電話すると、

「まちがいなくメジャーリーグベイだな」と言う。

しかし、こちらは『海軍基地入場許可証』を持っていないジョンがいるので、

「イナリーズに行くね」とハイウエイを西に走った。

イナリーズに着くとこんなにすごい波だった。

かなり大きく、流れもすごい。
いきなりのリアル・イナリーズで驚いた。

「Oh my god…」と唖然とするジョンを横目に着替える。

波のすごさに波乗りする気が失せたジョンをなだめ、

すかしてなんとか着替えさせてボードにワックスを塗ってもらい、

「よし行こう!」と上流に歩いていく。

ジョンを見ると咳き込んだり、

セットを見て下を向いたりしているのでかなりの緊張が伝わる。

「この波を6’2″じゃむずかしいでしょ」

という逃げ口上。

「俺は5’0″だぞ」と言うと、

「……」

と彼の逃げ場がなくなっていく。

でもジョンのように

「サーフ歴23年、そしてかなりのグッドサーファーだから溺れることはない」

という確信を持っているので、

彼を鼓舞激励しながらカレントの切れ目まで来た。

ジョンは「セットの間隔を計ってみる」と言いながら腕時計を見つめている。

セットが来るのを待っていたが、

あまりにも来ないのでリーシュを付けていると、

今度は

「胸の動悸がすごいよ、やはり俺には波が大きすぎるみたいだ」

とまた弱音を吐くので、

「大丈夫、ダイジョーブ、ノーウオーリービーハッピーだ、ノープロブレモー」

と各国の言葉で安心させる。

「先に行くね」

と待てずに沖に漕ぎ出して、

途中で水平線がうねりで蒼暗くなると、

「嗚呼、大セットだ」

と今度は俺が怖がりながら流れに乗ってパドリングアウトしていった。

幸いにも大セットはやってこずに沖に出ることができた。

沖はセットも見えず平和なのと、

ひさしぶりの真イナリなので、

小さめの肩の切れたのに偵察を兼ねてテイクオフした。

すると、波から押された瞬間に空中に飛び出すようなテイクオフとなり、

なんとかテイルのレイルだけが波面に噛んで無事を得た。

ジョンに向かって腕を上げながら「ダイジョーブー」と無言でアピールする。

一本すごいのが入り、

セクションのつなぎ目からテイクオフし、

そのままワンターンし、

合わせてバレル、

そして出てきてからもう一回パンプしてバレルに入り、

さらにもう一回バレルに入れそうだったのだが、

あまりのうれしさになぜかキックアウトしてしまった。

悔しいがうれしい。

でも今年初の一本で三回バレルだったのに、

とよく考えてもやはり悔しい。

今度は「ヒュー!ジョニー!!」と嬌声を発して、

まだ浜にリーシュを持ったまま立っているジョンを呼ぶ。

それを聞いて意を決したジョンがパドルアウトを開始した。

俺は沖のセットを見る。

何も見えない、

「いいぞ、ジョン急げ!」

と心の中でつぶやく(今ならツイートか)。

インサイドセクションを抜け、

アウトのファーストセクションにさしかかったところでいきなりセットが現れた。

怖がらせてはいけないと、

パドルせずに動かないでいたが、

やはり俺が喰らってしまいそうなので慌てて沖に動く。

ドッゴーン!!

とものすごい量の圧縮したリップが飛んできた。

「これじゃ、ジョンはお陀仏だあ」と少し彼を憐れむ。

ものすごい泡から逆向きになって現れたジョンの絶望的な顔を見た。

「大丈夫だ!もう何も来ていない。急げ!」

と大声で応援して、彼のモチベーションを高める。

もう一発小さいのを喰らって、ようやく出てきたジョンは、

「ヒュー、あきらめるところだったよ、圧力がすごい!ムーンサルト3回転を決めたぜ」

と顔を紅潮させながら正直な感想を漏らした。

「でしょ、だってここはイナリーズだもん」

となぐさめずに、

イナリ印のブランド崇拝者ならではの意見を伝えた。

ジョンは「セット間隔は16分だ」

と彼らしい真面目なる計測結果を俺に教えてくれる。

俺はあんまりそういうのを気にしないので、

ふーんと聞き流した。

少ししてジョンにいい波がやってきた。

「GOGOGO?!」といい波だということを知らせ、

ジョンが決死でパドルインするが、

テイルがリップに乗ってしまった。

彼はまっすぐ降りる(チョッカル)ことしか選択肢がなくなり、

ジョンはグッドサーファーらしくテイルを踏むのだが、

そのままリップから飛び降りるように墜落し、

量子爆弾のようなインパクトの直撃を受けていた。

沖に戻ってきたが、

暗い顔で消沈している彼に

「後もう一回パドリングをすれば楽勝だったぞ」

と伝えるのだが、

彼のショックは大きいようで、気のない返事だけが返ってきた。

それから何本か乗るが、例によって流れがすごく、

上がらなくてはならない目印のサビタ号が目前に迫ってきた。

ジョンはあきらめたようで、

ずっと向こうに流されてから上がってしまった。

俺も上がろうと一瞬思ったけど、

ちょうどフェイマス社主宰のジェイミーがやってきて見ているので、また気合いが入った。

奥の方が波も大きく、

テイクオフの掘れも弱いので上流へ本気パドリングを開始した。

呼吸だけを気にしながら全開パドルを続ける。

顔から汗が吹き出ているのがわかる。

こんなフィジカルなサーフィングはひさしぶりだなあ、

と岸を見るとジェイミーがパドルアウトしてきた。

いいセットが入り、それをジョンがピンボケで撮ってくれたのがこれ。

これがすばらしい波で、

そのままハイラインでバレルを抜けてきたインサイドセクションまでも撮ってくれていた↓

ジェイミーのバレル↓

大満足で上がってくると、

ジョンが「ナキさんのリーシュは長くアリマセンカ?」

と聞いてくきた。

見てみると、なるほど細く、長く伸びきってしまったリーシュ。

軽く1.5倍は長くなりました。

イナリ印のパワーを物語る証拠です。

この伸びたリーシュからアイディアが沸いてきた。

(加筆)

https://www.nakisurf.com/accessories/code.html#original

それで、少し長いリーシュを作ったのですよ。

そういえば

去年はリーシュセイバーごとポリエスターボードに食い込んでしまったけど、

AVISOはそうはならない。

で、疲れ果てて上がってくると、

上記した撮影がジョンによってされていて、

それに喜んだ俺は持ってきたこの

「サメ君にも乗るから撮ってね」と空気を入れる。

ジョンは「デュード!本気か?」

というのだけど、

それには答えずに沖に向かった。

浮きすぎてダックダイブができないので、

こうして波の上を通してゲッティングアウトした。

流れと、波の圧力があまりにもすごく、

「一本だけ乗ろう」と決意して乗ったのだが、

ジョンがよそ見していたのか、

撮れたのはこのインサイド写真だけ。

でもちゃんと乗ったんですよ。(笑)

ジョンにも「次のAVISO新モデルはこのサメシェイプだぞ」と念を押して、

にっこにこでジョンのお母さんの家に行きました。

続きます。

(おまけ)
昨日D大先生はサンフランシスコ公演で、

このブログでもおなじみのジェイソンが見に行ってきた。

俺の作品がグラフィックになったツアーバス。

D大先生のサンフラン衣装がコレ↓

アコースティック↑
エレキング↓

(おまけ2)
先週末に行われたスケートコンテスト。

ノースハワイ辣腕写真家のジャスティンが二灯フラッシュでノアを追っていました。

作品を見せてもらったらかなりの出来で、

俺も二灯フラッシュが欲しくなりました。

どうせ使わないだろうけど。(笑)

(お知らせ)
南島キャプテン津村さんがマウイ島に戻ってしまいました。

せっかくうねりが来たのに残念です。

先日彼の波乗りを撮ったので、後日掲載しましすね。

津村さんの55才の波乗りチャレンジに俺も勇気と元気をいただきました!

ありがとうございました!

今日は少し長くなってしまったけど、読み切れましたか?

いつもお越しいただき、ありがとうございます。

明日もよろしくお願いします。


18 thoughts on “13ft / 16sec @314(NW)_リアルイナリーズ崇拝者より_間隔は16分?_ピンボケ愛の日_長くなったリーシュ_サメ君でサーフ_D大先生のSF_2灯フラッシュ_津村隊長ありがとうございました!

  1. カジキ南島

    ジョンの気持ち、解ります。
    前回、激浅ミナゴロシでパドルアウトする
    自分もそうでした(笑)。

    でも勇気のきっかけを貰って
    一歩踏み出すことが出来れば、新世界の扉が
    開けるのですね。

    天国か地獄かは・・・?

    またNAKIさんと波乗りしたいです!!

  2. トメ.カレン

    真イナリーズに感動です!
    またもや、自分と同じBD3とは信じられず、“嘘やろぉ~っ、スゲェ~”っと、ただただ口がアングリだったのと、ジョンの心境が痛い程分かる今日のブログでした(笑)

    ps.祝!!長文~(嬉)

  3. だん

    半端じゃないですね!!!さすがです。
    今日のサンセットは10ftでかなり混雑でした。。。

  4. no name

    「後もう一回パドリングをすれば楽勝だった」というお言葉に、ハワイの波乗りの難しさを感じました。びびる自分との闘いなのでしょうかね。

  5. ふなき

    激浅ミナゴロシはすごかったですね。
    沖なのに水深50cmはやはり魔界島です。

    新世界にぜひぜひ?
    津村さんが「カジキくんカジキくん」って言っていました。

  6. ふなき

    私もひさしぶりの真イナリに感動しました。
    地形が悪かったからこの冬はだめかなあ、と少しあきらめていたところなのです。

    逆に短いBD3の方がイナリーズに合っているような気がします。
    テイクオフで一本も刺さらなかったことが証明していると思うのです。

    ありがとうございます。

  7. ふなき

    サンセットの夕方が良かったそうですね。
    カラニ・ディビッド君がイナリに来ていました。
    空いていて夢見たい、ですって。

  8. ふなき

    後一回のパドルが切り立つとむずかしいのです。
    俺もいつも「もう一回、もっともっと」と思いながらテイクオフしています。
    厳しく険しいです。

  9. マシン屋

    ご無沙汰しております。
    毎日のブログを楽しく拝見しております。
    週末しか波乗り出来ないので、ハワイの良い波が
    とてもうらやましいです。
    先週末は仕事でアリゾナのキャンプ地めぐりでした。今年はシアトル、LAが興味を持ってくれた
    ので、シアトルの日本人選手に使ってもらうのが
    楽しみです。もちろんWBCが終わってからに
    なりますが。
    次回のCABBQ楽しみにしてますよ~。
    次は寝袋持参します。

  10. Fg

    リアル・イナリーズ!!
    巻かれてみたい。。。
    そう思う自分はかなりM度数高いのでしょうか?(笑)
    この波をBD3でヤルなんて快感でしょうねぇ~!
    しかも、サメくんも登場とは!?
    ダルマに対抗ですか?(笑)
    明日も、ぜひ~

  11. TAKASHI

    久々に手に汗握りイメージしました、自分のイメージでは白人は恐怖を感じないと思っています、それがビビルとはそうとうなのでしょうね

  12. 二平ウニCAFE

    先日の日本での最高の波がそちらに届きましたね!
    む~、同じウネリの元と思うと感無量です。

    そして、ノースハワイの民の大挑戦、しかと見ましたです!
    次回は畳でお願いしますです。

    しかし、おれの出来ないボトムターン、見せ付けるね~~。

    負けた・・・

  13. ふなき

    マシン屋さん、
    ごぶさたしております。
    それでは時速200km投球のマシンが完成、納品したのですね。
    今年はシアトルとダジャース打撃陣がすごくなりそうです。
    CABBQは3月中旬か4月上旬を予定しています。
    朗読コーナーも作りますのでお楽しみに!

  14. ふなき

    はい、その通りです。
    このサメ君は「先日のダルマ返し」と、来る日への鍛錬です。
    ダルマに20インチシングルフィンを付けて乗ってみたいのです。(笑)

    巻かれても平常心であれば平気ですよ。
    ぜひぜひ?

  15. ふなき

    白人は恐がりですよ。
    みんな同じだと思います。
    ただ、低温には異常に強いのが特記事項ですね。

  16. ふなき

    二平さん、やはり同じ低気圧からですね。
    また次のうねりが来ている、ということで気合いが入っています。

    畳ストリンガーとかまぼこブギーに挑戦しますね!

  17. KAZU

    波、大きいですね~。
    俺なら「見てるだけー」ですよ。

    カウアイ恐るべし!
    よーし!カウアイに行ったら必ずAVISO購入しますのでアドバイスよろしくお願いします。

  18. ふなき

    見ているだけでもすごい波ですよ。(笑)

    AVISO楽しみですね。
    いつ来られるのですか?