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naki's blog

国際主義的なモダニズムと、個人主義の講和『CANVASサンオノフリー』_「短くてもロングボード風」 「汚れなきグライド」 「純白ターンありますっ?」_これでキャンバスボードのラインナップがロングボードからミニボードまでシームレスとなりました_(3095文字)

エリカ・バラガン

モデル”サンオノフレ”とロスカボス邸

Erika Barragan’s

“San Ono Free” and Casa Los Cabos model

by CANVAS

エリカさま「フナキさん、7フィート台のロングボードってないの?」

ふなき「なんでも9フィートからロングと決められているそうですよ」

「でも長いと車内には積めないし、重たいし、女の子には不便なのよね」

「わかります。ガイジンの巨人体型の人にも9フィートで、

俺みたいな小さな体にも9フィートからと言われても困りますよね」

「そうなの、女の子には最初はテイクオフが楽でいいんだけど、

だんだん重く、大きすぎるようになっちゃうの」

「でも、エリカさんはなぜ、その短さのロングが欲しくなったのですか?」

「あのね、最近短いのに乗る練習しているんだけど、

 

ロングみたいにうねりのうちから立てないから、

テイクオフのときにヒャ!って怖いの?」

「ふーん、波乗りはそれがおもしろいと思うのですけど….」

「違うのよ、フワリって乗っていくのが私好きなの。

とにかくロングだと持ち運びが面倒なのよね

「そんなボードって、他のブランドでは売っていないんですか?」

「このあいだサソリだかなんだかのモデルを買ったけど、

あれも結局はファンボードの類なのね」

「そうなんですね。では短くてもロングボードの浮力があって、

うねりのうちからフワリと立てるボードデザインをクリスちゃんに考案してもらいます」

「ありがとう。もしも、でいいのでお願いしますね」

そんなこともあって、

すぐにクリスちゃんにスカイプすると、

「フナキさん、そんなの無理デス」

「どうして?」

「ロングは90からと決められていマスから」

「じゃなくて、規定はどうでも良くて、

7フィートの長さでロングの浮力が欲しいのです」

「ヤハリむずかしいです」

「なんで?」

「それは、もし短くしたとしますと、

幅と厚みが増えてしまいます。

そうなると、バランスが悪くなるのでターンが難しくなるのデスよ」

「ふーん、でもさ、コンピュータシェイプのライアン(・インゲル)もいて、

クリスちゃんたちが真剣に取り組めば、その矛盾も利点にできるのではないの?」

「そうなんですけど。そんなボードは誰も欲しくないはずです」

「そんなことはありませんよ。車にも積めて、家にも入れられて、

マンション住まいの人がエレベーターに、

という日本の事情を加味してみたらどうでしょうか?」

「そうデシタカ、そうでした。そうデス。

わかりました。やってみましょう!

まずはテストボードとしてワタシのをツクリマスね」

「やった!ぜひ!」

とそれからちょうど5ヶ月後に

「初物」がカリフォルニアで誕生しました。

ちょうど三週間前のことです。

その初乗り日の様子がスタッフブログにありました。

https://www.nakisurf.com/blog/staff/archives/17211

この日はクリスちゃんから電話がかかってきて、

「ものすごいデス。ブログ見まシタカ?」

「ん、ブログ??」

「早く見てクダサイ」

「おー、あれが完成したのですね!どうでしたか?」

「もうそのポテンシャルに驚きました。

このボードサイズの概念を覆すものです。

最初は否定していてごめんナサイ」

「そんなに調子いいのか?」

「はい、このサイズクラスの競技があってもいいと思いマシタ」

「良かった。それではフナキのと、提案者エリカさまのボードを送ってください」

「もちろんです!」

ということで、先週その二本が日本に到着し、

そして昨日千葉はロスカボスまでやってきました。

この『サンオノフリー』というネーミングですが、

ロングボードマニアにはおわかりの通り、

カリフォルニアはサンクレメンテにある

ロングボードの聖地、

いやメッカ「サンオノフレ(San Onofre)」からのネーミングなのです。

San Ono Freeと「自由というメッセージ」

が入れこまれたすてきなモデル名となっているのです。

麗しのアナタ。

ガチャリフィンをつけさせてくださいね。

サイドフィンもスイート装着しました。

クリスちゃんが描いたハートがボトムに1、

そしてデッキに3とやさしく浮かんでいる。

受け取りになられた

このデザイン提案者のエリカさまもそれはうれしそう。

俺のサンオノフリー。

エリカさまより2インチ長めであります。

7’4″ x 22″ x 2.75″

ガチャリシングルフィン9″

このモデルの基となっているのは、

白を基調とする簡素なモダニズムシェイプであるが、

キャンバス独自の、

ロッカー、コンケイブとレイルをライアンが選択し、

それをクリスちゃんが全体的な体積に対して講和をとった。

サンオノフリーは自称ロングボードなので、

ロングボード波に向けて、南下した。

南下なので海水がやたら温かく、

トランクス一枚でばっちりでした。

エリカさまもタッパーとビキニの選択でした。

夏ー♪

エリカさまと初グライド!

「うわー、まるでロング。でも短いのよね、この子は」

終始ニコリンサーフしていたエリカさま。

俺もクロスステップでフワリグライド。

逆真流もお忘れなく。

飛ぶ鳥を見ながら逆翔鳥気分。

ノーズライドも、もちろんぜひ。

テイクオフ直後にいきなり乗れちゃいます。

優雅で誇らしいセッション。

俺は一度流木だらけの浜に上がり、

しばしのビーチコーミングで体を暖めました。

「こんなにスムースで、

カジュアルで、すてきなサーフセッションはひさしぶりっ♪

しかも全然疲れないの(*´?`*) ?」

というエリカさま。

俺は最後の一本を淡い色彩の海に出ていき、

夏を呼び戻したような爽快なるグライド。

湿気までもが夏のようだった。

伝統的なのか、

モダニズムなのかは読者に委ねるが、

「短くてもロングボード風」

「汚れなきグライド」

「純白ターンありますっ?」

というキャッチコピーが次々と浮かんできた。

そのくらい美しく、幸せで、

従順なサーフボードなんです。

「このボードは全世界の女の子に乗って欲しいです!」

とはエリカさん。

俺は男性にもぜひ乗っていただきたい。

ロングから短くする人には、

パーチェイス>サンオノフリー>ミニノーズライダー>バターゾーン>ポンパドール

と、キャンバスのラインナップがシームレスとなりました。

「エレベーターに乗れる」

とさっき書いたので、試しに乗ってみました。

まだまだ上が余っていました。

ちなみに7’6″です。

フィンをつけたままで大丈夫。

ガチャリフィンだからすぐに外せるけど、

ついていてもこの通りです。

美しいデザインに感じ入り、

ロングボードのダンディズムとロマンスにつつまれ、

なぜか「ホワイトサマー」なる言葉も浮かんできました。

インプレッション日となりましたが、

今日もNAKISURFに来てくださり、

読んでいただいて今日もありがとうございます。

ショールームは定休日ではありますが、

淳(じゅん)による

『マンデーブログ』がスタートする日でもあります。

https://www.nakisurf.com/blog/showroom/

こちらも併せまして、どうぞよろしくお願いします。

みなさんもすばらしい週にしましょう!