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naki's blog

ワカモーレ・チップスとメキシコビールの正しい飲み方_(1774文字)

「森のバター」

とされるアボカド。

ほんのり甘くて、まろやかで、

くちの中でやさしく温かく溶けていく。

ここメキシコ・サユリータで食べるアボカドは、

いままでどこで食べたアボカドよりも甘くて、

味が濃く、

豊満な風味がある。

これは樹が吸い上げた大地の風味、

海からやってきた南西風にからまって、

遊ぶ子どもたちの嬌声、

ママたちの世間話。

そしてソル(太陽)と、

木の下で歌われた音をからめたノチェ(夜)をたっぷり通過してきたから

こんな哲学みたいな味になったのだろうか?

このねっとりとしたアボカドを使って、

トマト、

タマネギ、

コリアンダー、

塩、

ハラペーニョ唐辛子。

そしてライムをたっぷり絞って混ぜると、

ワカモレ(Guacamole)という芸術的な食べ物となる。

コーンをすりつぶして焼いたトルティーヤがあり、

それを揚げたトトポス(totopos、トルティーヤ・チップス)

でこのワカモレをたっぷりとすくって口に入れる。

アボカドと揚げたコーン、

そしてハラペーニョ唐辛子の余韻が残るうちに

喉に直接流しこむビールのうまさといったら、

記憶が揮発し、

しばし呆然となる。

もう一回、

もう一度と、

同じようにおおぶりのトトポスをつかみ、

尽きることのないワカモーレをすくい、

喉にビールを繰り返し落としていくころには、

その日の記憶が流れるようにピカリチカリと輝きはじめ、

たっぷりと浴びた太陽のあたたかさが戻ってくる。

逆光の靄(かすみ)のかなたについさっき乗った波があり、

とっくに忘れてしまった子どものころの夢が、

あれもこれもとかけもどってくる。

少年になった俺は、

あのときの夢を追いかけながら時間が消えていく。

工場が近いからか、

新しいからかはわからないが、

どこで飲むよりもおいしいメキシコビール。

俺はこの旅ではパシフィコ(右)を好んだ。

ネグロ・モデロもどっしり重くていいが、

ソーダのように飲むにはこれがいい。

一本10ペソ=70円。

瓶代が3ペソなので、

瓶を返すと50円となる。

レストランで飲むと200円くらいだろうか。

日本と同じで、

公共の場で飲酒可の国だ。

また一本、

もう一本と重ねるころには夜が更ける。

老舗の「サユリータ・タコス」。

どうしたことか連日の閑古鳥。

前回来たときには並んでも入れないほどの大盛況だったのに、

諸行無常だと、

法王のお顔を思い出していた。

東京に大雪を降らせた低気圧からの波がこちらまで届いた。

これは北西うねりなので、

南西に向いたこの浜には、

そのかけらみたいなサイズだった、

だが、

遠く日本から止まることなくやってきたうねりはやはりパワフル。

サユリータ岬の北側にレフト波を見つけた。

イスラエルに「あのブレイク名は?」

と聞くと、

「うーん、レフトだけかな」と返ってきた。

「え、スポットに名前がないの?」

「ないよ」

「ふーん」

という無名くんではあるが、

なかなかにおもしろい斜面でありました。

日本から来たうねりに日本人が乗る。

そう考えると郷愁漂うようである。

こちらのローカルは、

セットが入る度に叫んだり、

歌ったりとやたら陽気でうるさいが、

誰にでもやさしく、

そしておおらか。

これは当たり前だが、

ローカルだから偉い、

そうでないからだめだという概念がない。

ビーチもサーファーだけでなく、

地元民みんなできれいにしていて美しく保たれている。

ローカルたち=ビーチボーイズは、

それぞれサーフボードレンタル、

サーフショップ、サーフスクールの講師、

釣り道具レンタル、

ビーチチェア&パラソルレンタル業などを営み、

俺たちビジターをそれぞれの形でもてなし、

それをビジネスにしているようだ。

https://www.nakisurfshop.com/SHOP/5281.html

拙著【虹色の波乗り旅】(ビームス社刊)は、

ここ小百合太を舞台にした作品も多いので、

一冊持ってきてカレンダーと一緒にイスラエルに進呈すると、

それはそれは喜んでくれた。

街のデザイナーであるクリストファの

B&B(ベッド&ブレックファスト)HAFAはこんな部屋姿。

屋上にあるリビングルームでBD3さまを休ませておいた。

このリビングルームは、

テキーラやウイスキーが飲み放題。

飲まなかったけど、

ハード系を好む方なら気に入るだろう。

一泊税込みで70ドル。

プロレス系タコス屋の開店時間。

それではまた明日(アスタマニャナ)!

すばらしい週末となりますように!


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