ノアはダックダイブをいつからおぼえたのだろうか?
潜って眺めていると、それは深く、
姿勢良く、完璧に波の下を潜っていた。
彼の遊び場『ビーチハウス』。
友人たちがいて、
大人も見守っていて、
波があって、魚や亀がいる。
学校はあまり好きではないが、
こうして海で遊ぶのが大好きで、
魚の名前なら誰よりも詳しいノア。
島の、俺の数少ない親友のひとりフレディ。
彼の定年後は、波乗りを中心に回っている。
波に乗り続けるために酒を止め、
そして食を変えて毎日を過ごしているという。
4年目のAVISOを乗り続けるフレディ。
「これでようやく5つめの修理箇所だな。
3年間、毎日のように乗り続けて、
こうして原型を完全にとどめているボードは今までなかった。
やはりこれはすごい」
とあいかわらずの喜びようである。
彼は今日も庭仕事に、そして波乗りに忙しい。
「世代を越えてお互いをわかりあえる」
というのも波乗りの持つもうひとつの魅力でしょうね。
波乗りよりも魚に夢中のノア。
この9’カーボンファイバー製の銛がどうしても欲しいようで、
この店に来ては、こうして眺めていた。
フレディ家に突然早川さんがやってきた。
毎年恒例のノースハワイ修行なのだそうで、
「ノースショアは風が悪く、ぐしゃぐしゃです」
というので、
ホワイトハウスはどうだろうか?
と季節外れの俺の大好きなブレイクに行くと、
嵐からの南東うねりが入っているではありませんか?
しかも強いオフショア。
海にはもちろん、駐車場も、道路にも誰もいません。
早川さんは6’8″のCOLEピストル、
俺は5’0″のBD3で4?5本乗り、
ふたりで大マンライを決めた。
「この波やばいです。まるでノースショアのすごいのです」
「すごい波ですよね。なんでこんなにパワーがあるのでしょうか?」
などと話しながらウエストサイドに行くと、
カウアイコーヒー畑の先からはそれは見事な快晴だった。
「これが朝か夕だったらものすごい虹が出るのでしょうね」
HI-540号線、エレエレで50号線に戻り、
西に向けてひたすら走る。
早川さんが夢にまで見るという
ワイメアにある「イシハラマート」。
月曜日だったのでキッチンはあいにくお休みで、
念願のフィッシュサンドはなかったけど、
ポケ丼を注文してニコリン早川さん。
「この、ご飯がまずいのが最高ですよね」
「炊飯ジャーの匂いが付いているのがハワイぽいです」
「これで日本みたいにご飯がおいしかったらポケ丼の味が半減します」
巷では、
ハワイアンフードブームでありますが、
こうして本場のものは
「まずいがうまい」
という味も存在するのです。
奄美では25°越えの夏日、
そして九州南部では春一番という報がとどきました。
なんでもこれは観測史上では最も早い春一番だと言います。
昨日は立春。
これは暦で言うところの冬春でしょうか。
春の日=春分の日まであと少しです。
暖かくしてお過ごしください。
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