ノースハワイ。
波乗りを続けていなかったらここに立ってはおらず、
この虹は見ることができなかった。
波に乗ることが好きでなかったら、
今日の作品を得ることができなかった。
サーファーにとっての波。
この波。
超がつくほどパーフェクト。
見ているだけでたまらないほどうれしくなる。
波先が円弧を描いて飛んでいき、
空間が拡がったままのチューブ、
というよりバレル。
ハードコアに凝縮された波の丸まりであります。
波がより拡がった方がメイクできる確率が高いので、
こに視界はサーファーにとって、
憧憬以外の何ものでもない。
想像するのなら、
「もしあなたが波を滑走しながら、
優雅な気持ちでこう見えたら?
波に乗るというのは行為なのだけど、
こういう超常的なことを通過すると、
瞬間的に自分の精神全てが濾過されたような気持ちとなる。
濾過後には、新しい世界が出現した。
まずは尺度が変わる。
自分がとても小さく感じたり、
または高いところからこの世界が見えたりする。
集中力が高くなるので、
予想以上のことができてしまう。
そうなってくると、より高い身体能力が欲しくなってくる。
立ち方、歩き方、食べるものまで気になってくる。
そんなことに気づいてククイウラに降りていくと、
カラヘオと同じくらいトレードウインドがとても強く、
西の雲が飛び散りそうな夕陽だった。
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