先週の木曜日から届き続けていた南うねり。
毎日少しずつ大きくなっていたが、
昨日の午後から少しずつ小さくなってきた。
”遠く、タヒチ近海からやってきた”
というこのうねり群にさよならありがとう。
また来てね。
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上下の作品二枚は、
サンオノフレのフォードアーズのインサイドを手前にして、
ピークはサンオノフレ・ポイント(岬)のリーフを示している。
手前の高いパームツリーがフォードアーズの終点で、
奧に複数あるパームツリーがポイントピークの正面にあるもの。
このインサイドの泡ラインがフォードアーズのもので、
このリーフがいかにパーフェクトかがわかるだろう。
これはフォードアーズの南隣、
つまり水平線に向かって左に位置する『オールドマンズ』。
フォードアーズの倍近く距離を走れるレフトとライトがその魅力。
ただ、昔からのファンも多く、
フォードアーズのようにリーフが入り組んではおらず、
ファーストセクションは同一方向にしかいけない。
なので、前乗りとかの概念が出現してしまう。
ただ、セカンド(ミドル)セクションからは泡からの再生波なので、
「安全が確認できるのなら左右どちらに何人乗ってもよろしい。
何人(なんびと)も楽しくやりましょう」
というすばらしいローカルルールが適用される。
山側に浮いた美しい夕陽を撮っていたら
昨日ここに登場したブライアン・ミラー(@miller0916)が現れた。
彼の弾けるような笑顔が、
フォードアーズ沖でのすばらしいサーフセッションを物語っていた。
「NAKI〜!」と下から声が聞こえてきた。
崖の下をのぞいてみると、
フォードアーズのシャワーのところにネイト・ヴァンダガストのトラックがあって、
そこにいたのはキャッチサーフのコーディ。
「こんな・暗がりでも・(私を)よく・見つけられたねー」
と叫んだが、あちらは波の音がうるさいようで、
何も聞こえないようであった。
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先日書いた【テクニック編ー波の芯】ページの閲覧がすごく、
サーバーがパンクしそうなほど多くの方に見て、
そして読んでいただきました。
いまちょうど夏なので、テクニック編を連発します。
今日のお題は、
『緩く、ソフトな斜面で大きなラインを描く方法』です。
ラインというのは、マニューバーとも表記されますが、
“(任意的な)サーフボードの通った(または通る)軌跡”のことです。
まずは前回のテクニック編
を参考にしていただき、
同様に波の芯から深く、強く、
そして波壁にノーズからテイルまでを押しつけ、
全力でのパドリングを芯から開始します。
深く強く。
アゴから膝までボードにしっかりと接着させて、
体幹を固めて漕ぐ。
そしてこの位置はちょうどライト(レギュラー)側へのセクションの開始場所。
溝というか波面に出現したラインで確認してください。
そしてここが芯で、
フォードアーズのピークではレフト側へと分け合う場所。
この場所からパドリングしている人が波乗りマナーとルールでは優先となります。
(トラブルを避けるために:「優先」というだけで”絶対ではない”と知っておこう)
テイクオフしたら波の実効セクションを見る。
ここでは自分が最も行きたい
(波斜面に張りついて滑走できる)斜めライン上に初心者が見えます。
そこでテイクオフのラインを下まで延伸し、
ボトムターンするような感覚でボードをゆっくりと傾けはじめる。
自身のターン最大出力の20%くらいの感覚。
それほどまでに波面は柔らかく、そして自分も遅い。
初心者を避ける瞬間はボードが飛んできたりと危険です。
なので、
ここではターン出力を60%程度まで上げて通りすぎた。
で、元々行きたかった波斜面まで戻ることに成功する。
減速もしているし、セクションが満潮で変化するので、
一度ボードをテイクオフラインにして、
自分の中では波への再入力を果たした。
すばらしいセクションが拡がった。
だが、
ここでも垂涎(すいぜん)ラインの真上に初心者の女の子がいた。
本来なら大きなカービングで反対側のレイルを切り返すべきだが、
遠回りでのラウンドハウスカットバックを選択。
彼女の上部から回り込む。
通り過ぎて、彼女が乗ることができないボード角度を確認しよう。
少し上に行き過ぎたようで、
実効波セクションより上部に出されてしまった。
ラウンドハウスなので、
そこまで速度を必要としないので、
そのままレイルを喰わせて、ブレーキとレイル角度の両方を獲得する。
かなり減速することを予測しないと、
ワイプアウトの確率が高い静かで危険な場所である。
それほどまでに静止したような速度感がこの波の分け目にある。
上の画像をよく見るとわかるのだが、
実際のセクションの外側、つまり別の波側まで出てしまっていた。
上記したように弱く、ソフトな斜面なので、
そこまでボードを踏まないように30%くらいの出力で逆方向を目指す。
レイルがきちんと入れば身体が開かないので、
しっかりとレイルが波面に噛んでいることを感じながら、
逆走していこう。
泡のトップにボードを合わせて、
叩くように切り返そうと思ったが、
このトップはバックウオッシュによる
「まやかし」だとわかったので、
その妖術には乗らずに、
波中部にある実効セクションに戻すだけにとどめた。
また波への再入場。
やはりバックウオッシュなので、
一度静止し、30cmくらい落下した。
これも予測していないとワイプアウトの危険度高し。
自分が滑ってきたセクションがやってくるのを知っているので、
そのまま40%程度の出力で、逆側の波トップに向かう。
トップでさえも弱く、柔らかいので、
決して強く踏み付けたりしないように。
トップの波ラインに自分のボードのストリンガーラインを合わせるだけで、
自然に波の下に落ちてくる。
不安定で急降下するので姿勢を低く。
で、同様にまた自分の滑ってきた逆側にターンしていく。
手前の斜面で最大限にスピードを得ているので、
ここは70%程度の出力をかけた。
そのまま泡が迫ってくるので、
泡に向かってボードを乗せてしまおう。
パワーのある泡なら、
もっとぶつけるように乗せられるのだが、
深いエリア、そしてそこまでパンチがない泡なので、
ボードを軽く乗せるだけにとどめた。
やはりこれも「まやかしの術系」の泡であった。
危ない危ない。
斜面がほとんどないので、
自分が泡に押されて進み始めるまで姿勢を低くする。
進み始めたら、
波の最後までまっすぐのラインを選びボードのスイートスポットだけに足を置いて、
穏便に滑るのが最良。
ターン出力は5%程度。
ささやかすぎるほど弱く。
いよいよショアブレイクが近づいてきた。
ここは直径20cmくらいの玉石が敷き詰められた場所。
転ぶとそれなりに危険です。
この波の角度がショアブレイクに向かっていたので、
安全策のためにライト側にターンを向けて角度を稼いだ。
浅いのでボードをあまり深く沈めないように、
それでいて、泡の下には沈むようにとコントロールする。
波裏に出て、
マンライラインディング終了。
どんな定義で「大きなターン」と言うかはわかりましたか?
具体的には「ターンの数を少なく」ということです。
この私のライディングはファーストセクションでは、
右レイル一回のみ、
セカンドセクション(ラウンドハウス・カットバック)では左右一回ずつ。
サード(オフザトップ)左右一回ずつ。
フォース(バウンス)左右一回ずつ。
最終セクションでもほぼ同様で、
長時間レイルを傾けていることなのです。
逆に言うと短いターンだと、まやかしにも対応できませんし、
自身でもごまかせてしまうので、
長く大きなターンをこの夏は練習してみてください。
長く波に乗ることもお忘れなく。
パドリング強化にもなりますし、
ラインナップ(沖で待っている人たちの位置)の混雑緩和にもなるので、
とってもオススメです。
【最後のティップ】
夏は混雑します。
こうして人のそばを通るときは、
体勢を低くし、
もしものときに手でボードをコントロールします。
これは普段から練習しておくことが大事なので、
自分がどこまで低い姿勢になれるかを確認してみてください。
それでは!
Enjoy summer days!!!
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