新品・中古サーフボード販売、カスタムオーダー、ウェットスーツ、サーフィン用品など。NAKISURFは、プロサーファー、フォトグラファー、サーフライターで知られるNAKIのコンセプトサーフショップです。

naki's blog

ウナギクネクネ(オルタナティヴ・サーフ)界の三蔵法師_(1770文字)

 

IMG_6360

中国の小説『西遊記』には、「三蔵法師」が登場する。

だが、三蔵法師というのは一般名詞であり、または尊称であって固有名詞ではない。

西遊記の三蔵法師「玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)」は、

数ある三蔵法師のうちのひとりである。

「三蔵法師」という称号を歴史的に見た場合、

すでにインドで経論律の三蔵に通暁(つうぎょう)した僧侶を

「三蔵法師」と呼んでいたとされる。

IMG_2275

(手前は元祖ウナクネ宇宙人である勝又さん)

中国でもこれにならい、

南朝宋(420年~479年)代の求那跋摩(ぐなばつま)がその用例の始まりとされる。

なので、ウナクネ(オルタナティヴ・サーフ)流を貫き、

玄奘三蔵のようにインドではなく、

ワイキキとカリフォルニアに渡り、

経蔵・律蔵・論蔵に長けたYoheyさんが三蔵法師と呼ばれるのは、

自然の流れに沿ったものだと感じられる。

ここで三蔵の経・律・論(きょう・りつ・ろん)について少し。

経とは、 釈迦の教えをまとめたもの

律とは、規則・道徳・生活様相

論とは、経と律の解説と説明

Duke Kahanamoku tandem surfing with girl (b/w photo)

とすると、私たちサーフ界にそれを当てはめてみると、

経とは、 デューク・カハナモクの教えをまとめたもの

律とは、規則・道徳・生活様相

論とは、経と律の解説と説明

このサーフ界の釈迦=デュークは、

世界にサーフィングの楽しさと、

「幸せに安全に波に乗ること」を伝え続けた。

イギリスの王子やエルビス・プレスリーまでも彼の生徒に含まれるというのだから、

いま現在、サーフィングがこのように存在しているのは、

彼の影響によるもの、そう書いてしまっても誰も異論ははさめまい。

とすると、このサーフ界では、

教本やお見本書、美術書の類は多数あるが、

原典であるデューク・カハナモク書がない。

ウナクネ界の三蔵法師と呼ばれるようになるわけだから、

Yoheyは幼少時から、そのウナクネ思想を持っていたのだろう。

山下達郎さんのシュガーベイブに傾倒し、

大瀧詠一さんとのナイアガラ音頭に胸ときめかせる中学生。

a_long_vacation

さらには『英語』を勉強するや否や、

真の波乗りの研究には、原典に拠るべきであると考え、

聖地巡礼を志し、ホノルル空港を経てサウスショアに至った。

当時の波乗り王であるトム・カレンは、

カリフォルニア出身で、

後にウナクネ派になることも手伝い、

Yoheyは、次の聖地はカリフォルニアだと確信し、

サンディエゴに渡り、大学生というルートを辿って、

カリフォルニアでの旅を続けた。

エンシニータスでは、ロブ・マチャドに学び、

そしてウナクネ界のアナキン・スカイウオーカーとされるジョエル・チューダーとも出会い、

さらに私とも邂逅(かいこう)し、大学卒業後帰国した。

1995年のことである。

201608_Yohey_2403

彼は国外から持ち帰った”真のサーフィング伝達”を第一の使命とし、

サーフメーカーで働き始める。

しかし、激務である。

時間がない。

時だけが過ぎていく。

そんな中、Yoheyは、

ウナギクネクネ(オルタナティヴ・サーフ)広報部長であるCOLORSマガジンのヨゲさんと知り合い、

さらには私と再会し、

20年前に聖地で見聞した諸々の情報を詳細に伝え、

これにヨゲさんと私が応ずる形で後に編纂された報告書が最近の『naki’s blog』であり、

『COLORS MAGAZINE』とささやかれ始めた。

手前味噌のようで恐縮だが、これらは

“真のサーフィング伝達書”の「新訳」(しんやく)となるべく歩を進めている。

ちなみにデビッド・ヌイーヴァからトム・カレンまでの時代を「新訳」。

ミッキー・ドラやムニョス、ナット・ヤング時代を「旧訳」(くやく)、

それ以前、デューク・カハナモク時代を古訳と呼ぶ。

201608_naki_2014

“The best surfer out there is the one having the most fun.”

これはデュークの言葉だが、

「海の上で一番楽しんでいる人がベストサーファーである」

そんな思想、

これからのサーフ界では重要となってくるだろう。

みんな仲良く楽しく、

そして波に乗ることを”すばらしいこと”となるまで高まるように、

より多くの人に伝えたい。

ウナクネ=オルタナティブサーフィング

真剣=メインストリームサーフィング

必ず接点があるはずで、

間違いなく共存できるはずでもあります。

「ハッピーサーフィングをはじめよう!」