昨日はタイちゃん、
タイラー・ウォーレン家でアートだったり、
サーフボードの話、
歴史やクイバー、テクニックやフィンのことを話してきた。
これが現在彼が考えるクイバーの理想。
5’5″x 20-1/8″ x 2-1/2″ TRI fin
↑これはホットドッギング、ショートボードクネクネだそう。
6’0″x 22″ x 2-5/8″ Twin fin
↑教会岬やリンコン等の緩系クネクネ用
8’0″x 21-3/4″ x 2-3/4″ Single fin
↑それ以外の波用
それともう1本のピンテイル。
右に描かれている横向きのは6’0″で、
フィンがこのようにベースが長く低い角型だという。
顔は単に落書き。
クイバー(Quiver)とは聴き慣れないが、
英語では「矢筒」という意味で、
サーフィング世界では、
所有するボードラインナップのことを意味している。
『サーフ・サイエンス』というサイトでは、
“How Many Surfboards Do You Need?”
「あなたは何本のサーフボードを必要としますか?」
そんな特集が組まれていて、

http://www.surfscience.com/topics/surfing-lifestyle/life-as-a-surfer/how-many-surfboards-do-you-need
ここでは「中級サーファーでは4本を理想とする」
そんなことが書かれていた。
そうすると、
上級というかウナクネ道の影皇帝であるタイちゃんも4本。
うむうむ、合致しているのがうれしかった。
ここで話はウナクネトレーディングカードとなり、
「なぜボクがマスターマインド(影の支配者)なのですか?」
そんなことを掘り下げられ、
「ああ、あのですね。あなたはハービー・フレッチャー皇帝に影で操られていて、
でも実はハービーでさえも操っているのがタイちゃん。だから影皇帝」
とかなり深い内容をじっくりと話すに至り、
さらには発行(印刷)する枚数までの確率についても話しこんだ。
で、ここに珍しいエラーカードをおきます。
このカードが存在しているのは、
最初の版が反転したままサンプル印刷され、
処分されそうになったのを手に入れたのであります。
反転は上の画像のように、
1シート(10x11=110枚)のみ存在が確認されている。
(プロパー+シークレットカードの110枚)
そしてこの110枚限りのエラーカード。
こういう状態のときのタイちゃんの思いつきは、
それそれは多岐に渡るようで、
さまざまなことをスケッチしていく。
たいていこうしてサーフブレイクのライブカメラが全画面で映っている。
突然、
「さっきの6’0″ツインですが、おおよそのアウトラインを今朝削りました」
「見たい見たい!」
そんなことになって、シェイプルームに行くと、
「これです。
バベルレイル、テイル形状はまだ決まっていませんが、
きっとラウンド形で、スクエア風のソープタイプだと思います」
自分が描いた絵がこうして立体になるのは、
シェイパー&アーティストとして最上級のことだろう。
「見てください!TC(トム・カレン)モデルの完成版です」
「ほう!」
「テイルを割らないことで、
テイクオフやターン時の最速プッシュが達成できたと思います」
TC Diamond Tail
5’2″ x 19-3/8″ x 2-5/16″
大満足のタイちゃん。
もう1本は弊社マンデー谷沢の大のお気に入りである
ドリームフィッシュ。
「これもジマンの逸品です。立てます立ちます。エレクト(笑)」
Tyler Warren’s Dream Fish
5’3″ x 20″ x 2-1/2″
Sanded Gloss
Resin Loop
Grey Tint
Wood Glass-on Fin
1/8″ wood stringer, 6’0″R/ RED
6+4oz, 6oz
キャプテンフィンのタイラーモデルの来季サンプルが完成していて、
それを指で指し示すタイちゃん。
朝ローワーズでサーフした際に、
フィンが大きかったようで、
「忘れずに付け替えてオキマショウ」
そう言いながら換えていた。
この一番手前にあるサイドバイトがある5フィンの話となり、
1990年代後半に出現した”C-5”に及んだ。
タイちゃんによると、
「この手前のフィンがターンのきっかけを作り、
そしてメインのサイドフィンのベース(基)の横を水流として抜けていくので、
それは画期的なシステムです」
「それでは、なぜC-5は主流にならないどころか、
消え失せてしまったのだろうか?」
そう質問してみると、回答は、
「やはりプロダクション(行程)の複雑さと、
その難易度から工賃がかさみ、それが価格に見合わなかったのデショウ」
「でもタイちゃんはこうして作っているよね」
「そうです。全てのサーフボードの種類を作ろうとしています」
「それは自分のために?」
「いや、サーフボード製造業界のためです。
未来にはこうして現物を残さないといけないのです」
「なるほど、だからタイちゃんは中古ボードとして手放さないんだね」
「そーです」
「そうだ。さっきの6’0″があったでしょ。
あれは教会岬とかフォードアーズ用と思うのだけど、
私用のそんなボードが欲しいです」
「おお、ちょうどNAKI用のボードを作ろう、先週、そんなことを考えていました」
ではでは、
そうやって色々なことが決定されていきます。
長さは、うーん5’8″で。
「短いデスヨ」
そうか、では6’10″で!
「それでは長いデスヨ」
そんな会話をしていて、
「6’1″
シックスツー
シックススリー」
それ!
足して9、最高!
ご存じタイラーボードは、
ハンドシェイプのためほぼ全てのボードが違うという
「幻系」であります。
なので、テイルもレイルも何も決めずに、
巻きと色だけを決めた。
白いボードの真ん中に赤いライン、
しかもオレンジ系の赤だったらすてきだと言ったら
「WOWすごい!
ちょうど今朝レッドラインというボードデザインを想像していたのデス!」
そのレッドライン(完全ニューコンセプト)のオーダーカード。
「フィンもオリジナルのものを作りましょう!
こんな風に低く、角張らせて、後ろに少し面積を出しマシテ」
こんなスケッチとなりました。
すてきです。
ちなみにこれは西湘レジェンドであり、
1980年代からカリフォルニアに住み、
私の大先輩であるNさんの非対称ボードのオーダーカードです。
マルチカラーティントの逸品。
フィンの位置から全てタイちゃんがシェイプ&設定するそうで、
それは楽しみです。
ああ、サーフボードって深く入り込めば入るほどおもしろいです。
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上にウナクネトレーディングカードがありましたが、
今日は11番。
なんと、デビッド・ヌイーヴァであります。
Blue誌のトロピカル松村さんが泣いて喜ぶ11番となりました。
ウナクネ伝説。
デビッド・ヌイーヴァの活躍は、
すでに50年も前になるので、
若い人、新しい人のために1分53秒の動画をここに。
David Nuuhiwa from ENCYCLOPEDIA of SURFING videos on Vimeo.
それではすてきな土曜日となりますように!
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