新品・中古サーフボード販売、カスタムオーダー、ウェットスーツ、サーフィン用品など。NAKISURFは、プロサーファー、フォトグラファー、サーフライターで知られるNAKIのコンセプトサーフショップです。

naki's blog

【テクニック、思想編】リーフブレイクに家族で通うと迷惑なのでしょうか?_(2926文字)

こちらNAKISURFという場所は、

サーフ専門のメディア局のようなもので、

さらにはウナクネ広報部も兼ねているので、

とても多くの質問が届くことになる。

少し前にとても興味深いお悩みというか、

心配ごとを抱えたサーフ家族のことがあり、

すっかりこのことが解決されたご本人たちは、

「ぜひ、このことを他の人にもお伝えしたい」

となりまして、私もそう感じたので、

今日はここに公開します。

201611_sano2_6777

2016, November San Clemente, California

.

リーフブレイクに家族で通うと迷惑なのでしょうか?

.

ご夫婦が、

2人の子どもたちとリーフブレイクでサーフしていたところ、

地元の人たちは最初の頃はとても仲良くしてくれたが、

半年後くらいから、

サーファーたちにとって、私たち家族が歓迎されていないムードを感じました。

そんな質問が「サーファー人生相談掲示板」にありました。

そこで回答者たちは、このご家族の奥さまに直メールでいくつかの質問をしました。

それでわかったのは、

1.この家族は引っ越してきたばかり。

2.土地勘のない中、自宅近くに良い波のところを見つけ、夫と7歳と5歳の兄弟2人と4人で通いました。

3.さらにそこは「ハッピー・サーフスポット」のようで、とても感じの良い方たちばかりで、半年前までは私たちに対して、とても良い反応をいただいていました。

4.夫婦は交代で海に入り、のんびり波を待ち、息子たちはインサイドで波に乗り、1週間に3〜4回の頻度で一回2〜4時間程度ビーチに滞在していました。

波も良く、岬波のパーフェクト日もあり、そして地方の交通の便が悪いので、かなり空いていて、

さらに崖上になっているため2方向の風向きで楽しめるとあって、

そのリーフブレイクがとても気に入ったご主人と奥さんは、

そのブレイクだけに家族で通っていました。

しかし、次第に「波に乗ろうとすると邪魔される」

「あいさつをされない」などの対応を受けるようになり、

だんだんと自分たちが「迷惑なサーファー」なのではないか、と思うようになったそうです。

そこで、

「波の取り方(本数?)で嫌われない仕組みはあるのでしょうか?」

「夫婦はマナーを守っているので問題ないけれど、子どもたちが問題だったのでしょうか?」

と、掲示板チームに意見を求められました。

.

サーファー人生相談掲示板チームからは、

このご家族が、

他のサーファー側から快く思われなかったことについて、

大きく分けて二つの意見が集まりました。

ひとつは、「波待ちの場所」です。

リーフブレイクは、良い波が来る場所です。

「新しい人が、他の人よりも沖側で波を待つべきではない」など、

このご夫婦が常に皆よりも沖で波を待ったことに首をかしげる意見がありました。

奥さんは、ブレイク付近では、

「真剣に波を待ち、しかし乗る本数は乗りすぎないように気をつけていた」

とありました。

まずは、

真剣=すばらしい、そう思われがちですが、

真剣な顔を知らない人がみたら怒っているように見えるかもしれませんね。

「あの人は何かに怒っている」

そう思われていたのかもしれません。

さて、相談チームの数人が断定したのは、

「沖で波を待っていたからだ」ということです。

こういうリーフブレイクは何年もここでサーフしている人がいます。

波乗りを始めたときは、きっと岸側で練習というか波に乗ることをしていますよね。

さらにはこのご家族のお子さまたちも岸側でサーフされているので、

「最初から沖に出て、そこだけで波を待つと嫌われることがある」

その仕組みはすぐにご理解いただきました。

そのブレイクでもこのご家族のお子さんと同じように、

多くの人がそこの岸側で波乗りを始めて、

上達に合わせて、

お互いのアドバイスを受けながら沖側で波を待つようになった歴史、

それらの人間関係、そんなことも存在しています。

そんな温かいサーフブレイクが構築されていたとして、

全員が笑顔でサーフできるのが理想的だと思うのです。

その理想郷に新しい家族がやってきました。

きっと、お話から想像するに今までいたこのブレイクを愛する、

そしてその環境を愛していたメンバーたちは、

期待と希望で家族を迎えたのでしょう。

しかし、ご夫婦はサーフ激戦区で波乗りされてきた経緯もあって、かなり上手である。

そんなこともあって、半年かけて沖で波を待つようになったようです。

新しい人が思うのは、

「週に3回やって来て、半年というのは十分に長いと思う」

そんなことです。

でも今までいた人たちは、

下手をするとその人たちは全てのサーフ歴をそこで過ごしてきた人たちです。

場所によって特別なしきたりがあるときもありますし、

ある条件を満たすと危険なこともあります。

「沖で波を待つな、と言っているわけではありません」

チーム全員がそう口を揃える。

重要なのはバリエーション。

たいていのローカルサーファーは、

新しい人、さらにはすばらしいサーファーには、

大きな波に、

または良い波に乗ってもらいたいと思っている。

ただ、人間は不公平が嫌いなので、

それが公平でないときに不満が出る、ということです。

なので、ここは

「たまに沖に出て波に乗ったら、違う場所で波を待ち、次はインサイド等」

そんなバリエーションを持ち、

グッドサーファーであればあるこそ、

周囲の位置関係がおわかりでしょうから、

それを上手く使って誰も思いつかなかった波の場所等を考えついて、

その理想郷にとって、

「ブレイク範囲を拡張してくれた人」

というキャラクターで本当の意味での仲間になれるかもしれません。

もうひとつは、

「(誰も乗っていない波が来たときにすぐに乗れるように)

ライディングラインでパドリングアウトする」

ということです。

これはおわかりの通り、

リーフブレイクではほとんど同様に波が崩れます。

その崩れる瞬間に波面が壁面を形成し、

そこを滑らせて至福を得るサーファー。

なので、その壁にサーファーがいると、

自分のラインが取れずに、

セクションメイクができなくなるときがあります。

もちろんたまになら良いのですが、

ご夫婦のどちらかが常にこのエリアでパドリングしていると、

他のサーファーにとっては、

「常に邪魔をされている」という気持ちになってしまうのです。

というように、こんなことも関係しているのです。

surf_zone

波乗りは乗った数が多すぎても嫌われてしまいますが、

もしかすると、岸側でいくら乗っても不快ではなく、

人より沖で何本乗ったのかを気にしてみると、

その問題は解決しますし、

他面的に見てみないと、なぜ嫌がられたのかはわかりません。

ただこのご夫婦は、

「沖で波を待たないで、ブレイクラインを通らず、

笑顔で(真剣にではないということ)サーフしてみます。それで改善しそうです」

ということになった。

(後日、「みなさんのご機嫌が良くなってきました」とのメールをいただき、

サーファー人生相談掲示板チームは快哉を叫んだのであります。

せっかくのご縁なので、

みんな仲良く、

そして地域にとって重要なサーファーたちとなり、

いつまでも楽しくサーフできたらいいですね!

 


Comments are closed.