おはようございます。
台風一過の日をいかが過ごされましたか?
D先輩に電話をすると、
「露亜が掘れててさ、でも攻め過ぎちゃって浜に叩きつけられちゃったでしょ?。
でね、さっきね、シモーンさんが帰ったところ。
おかげで治ったよ?。これから極楽湯に行くんだ」
と、いつものように砂浜ぎりぎりまで乗っていったことを暗に発言していた。
先日お会いした中村兄弟も、
「三浦さんやばいですよ?特にプルアウトがヤバイです」
と言うので、
「先輩は人生をプルアウトに賭けているかのような蹴り出しするよね」
「あれは危ないですよ、って船木さんから言ってあげた方がいいんじゃないですか?」
「じつは昔に闘牛や奄美でも言ったんだけど、聞く耳をお待ちじゃないね、あの人は」
「そのうち自分の顔を刺しますよあれは」
と、三浦さんの『ボードを蹴る危険なプルアウト』
が話題になっていた。
ショーメンでサーフしていると、
ああしてプルアウトの彩度を上げないといけないのかなあ、
とチラリ思うが、
プルアウトでかっこいいのは、
ライディングラインを変えていって、
そのままパドル速度にするドノヴァン方式だと思いますよ、先輩。
(ああ、こういうことを書くとまた怒られるけど、安全第一ですからね)
□
あいかわらずの小波が続いている。
『ラナイベイ・ブイ』つまり南東沖に浮いている標が動いたとかで、
昨夜フレちゃんが興奮して電話をかけてきて、
「夜明け前から闘牛岬に行くんだ!」
と意気込んでいたが、今朝電話があって、
「だめだー、ホワイトハウスはどうかな?」
と消沈していた。
闘牛岬の浜まで行ったフレちゃんによると、
「南西からの小さいうねりだな」
というので、ホワイトハウスに下ってみたが、
小さなうねりが、
ようやくリーフの上を倒れるようにブレイクしているだけだった。
せっかくここまでやってきて
「ノーサーフ」というのも歯切れが悪いので、
盲目的にパドルアウトして何本かその弱々しい泡に乗ってきた。
けれど、空は澄み渡り、鳥は舞い、
海は青く、大きなウミガメが泳いでいた。
そんな朝のノースハワイ。
北海岸に住むリックが、
「クリスマス休暇を利用して日本に行くんだ」
と電話があって、
「日本では英語教師をすると、時給200ドルだと聞いたけどホントゥ?」
と言うので、
「まあもらえると思うけど、
きっと一ヶ月で200ドルくらい稼げればいいだろうね」
と皮肉たっぷりに答えたら突然通話が切れた。
北海岸は山が近く、携帯電波が限られているのだ。
その英会話なんだけど、
塾や個人レッスン等を電車や雑誌、
インターネットのバナー広告などでよく見かける。
実際に日本に住む日本人の何人が英語を必要としているかわからないが、
ここまでの需要があるのが不思議だ。
以前だが、「英語教室に行っているんですぅ?」
という美女に会ったが、
「どうして英語を勉強しているの?」
と聞くと、
「だってぇ、外人さんに道を聞かれたときに困らないから」
という返答に驚いたことがある。
「外国人に道を聞かれることって、そんなにたくさんあるの?」
というグサリの質問は胸にしまっておいたが、
きっとそれは英語教室に行く本当の理由ではなく、
学ぶ体裁(タテマエ)を考えての返事だったのだろう。
.
「どうしてそんなに英語を話したいのか?」
思い出したのが、
知人の子どもがインターナショナル・スクールに入学し、
入学金だ寄付金、なんだかんだで、
2千万円もかかったと聞いたことがある。
しかもそれは幼稚園。
それからは毎日自宅から1時間半以上もかかる道のりを車で送迎し、
自分の息子に念願の低年齢からはじめる英語教育環境を与えた親。
「どうしてそんなに英語を教えたいのですか?」
と聞くと、自分が話せなかったことの恨みなのだそう。
ふーん。
.
俺の周りにも何人かインターナショナルを卒業した友人がいて、
果たして彼らは英語が必要な職に就いているのかを考えてみると、
たったひとりだけが英語を使う仕事を持っている。
あとの6人は日本語だけを使っているから、
「英語の必要性は、英語を話せる人間にとっても1/7という率しかない」
となっている。
(これは俺の周りだけを見ているので、それぞれの地域では数字が違ってくると思うが)
とにもかくも、
『英語が話せた方がいい』
という、「なぜだか英語を話しましょうマーケティング」
に洗脳された結果がここに表れている気がする。
これが占領軍によるものなのか、
またはTVなどによるプロパガンダなのかはわからないが、
世間を見ているとそう見える。
俺も英語を話したいか、そうでないか?
と聞かれれば「話したいし、話せた方がいいと思う」
と答えるが、言葉というのはそんなに簡単ではない。
昔は友人がアメリカに3ヶ月間の短期留学をすると、
「いいなー、英語ペラペラなんだ?」
と思ったものだが、
自分がアメリカに住んで15年。
長くいればわかるのが、
「英語はそんなに簡単ではない」
ということ。
先日MLBチャンピオンシリーズのヤンキース戦をVCR観戦していたが、
各チーム先発投手のスカウティングレポートが出てきて、
「composed at last game」
「Cy Young Award pedigrees in hand」
とあって、
その意味がわからずに辞書を引いたりしていた。
さらに言うと、
こうして読む方は日本人にとってはまだ簡単で、
話していることが全くわからない時がある。
先日裁判の映画を見たが、
途中でこれはイタリア語なのか、
またはスペイン語なのかがわからなくなってきたほどだ。
とにもかくも、リックに話を戻すと、
日本で1時間200ドル、つまり2万円も払って、
英語の個人レッスンを受ける人が何人いるのか?
ということに尽きる。
話はまた逸れていくが、iPhoneを使っている。
これにはアプリをいくつかダウンロードしているが、
よく使用しているのが『i辞郎』という英和&和英辞書アプリ。
これさえあれば言いたいことがあって、
自身のボキャブラリー内で相手に伝わらないと、
「ちょっと待っててね」
と辞書からの言葉を示すことができるので便利なのであります。
何を言いたいかと申しますと、
近い将来には、こんな 『通訳アプリC-3PO』か、
『iTalk』(*共に仮の商品名)
アプリを起動させ、
『英語モード』とし、
電話に向かって、
「波はどう?」
と言うと、
“How’s waves?”
と、その場で通訳してくれるソフトが登場する気がしている。
だから今一生懸命に時間とお金を使って、
英語を勉強した人が会議や道でそれを使っている人を見て、
悔しくなるのが目に見えているのです。
どうでしょうか?
(でも、あんまりこんなことを書くと、英語教育業界から怒られそうだなあ。笑)
ちなみに東戸塚のインテック社では、
『D先輩語翻訳機』なるものを開発中だそうです。(笑)
□
フレちゃん家の無人販売所の今日は、
キャベツ、茄子(大きなの)、カボチャが一個1ドル、
レタスが2個で1ドル。
人件費がないからか、ずいぶんと安いなあ。
サーフボード無人販売所があったらいいのに。
□
昨日、約束した新しいフィンの話。
柳瀬から「サンプルです」と届いたフィンがあって、
それはシングルボックス用のフィンだった。
こうしてボールジョイントみたいなものが付属していて、
ピンをボックスに入れて、
ボックス内に「カチャリ」と押し込むと、これで装着終了。
外すのは、こうして逆側に持ち上げるだけでカチャリと外れる。
なので、先日のソフトサンドセッションの際には
沖で何度もカチャリカチャリとやって、
フィン位置を移動していた。
えー!?
そんな簡単なフィンってあるの?
と自分で思ったのだが、
「ここにあるのだ」
とバカボンパパの口調で断言できるほど画期的なアイディア。
と今までのフィンを振り返ると、
途中まではこうして同様に入れられるが、
(銀のガムテープは、ボックス内での誤移動防止に貼ってあります。
つまりフィンが少し緩いのですね)
装着するには後部にあるプレートを先にボックス内に入れ、
その後でこのスクリューを回して固定しなくてはならない。
これは工具を使って付けてしまえばいいのだが、
沖で移動させたりするのは不可能だった。
簡単フィンの秘密は、
この3つの穴にビーズ状の長さが違うプラスチックを固定することによって、
ボックスから外れずに済むようだ。
パンフレットには「国際特許出願中」とあったので、
「さすがだなあ」とにっこりする。
初期設定には、
こうして棒みたいなものとカナヅチを使い、
自分のフィンボックスサイズに合うようにビーズを入れ替え調整したらそれでおしまい。
.
外すときはテイル側からチョップすればカチャリと外れる。
一昨日までのBWTには大きなフィン(黒色)を付け、
そのフレックス感を味わっていたが、
「この小さく、
切り立った角度の新型フィン(半透明な方)で波を滑ると軽快だ」
と昨日書いた。
その位置も波毎に細かく設定できるから、
その日、その波のベストセッティングを得られることとなる。
「時代は変わる」
と、しげしげとこの特許フィンを見ていた。
これって売り出すのですか?
□
カリフォルニア時代の友人ジョー・ウッドが亡くなった。
後脚橋北部でサーフィン中に心臓発作を起こしたのだそうで、
享年50才の若い死だった。
俺は彼とその10日前にもSMSで通信していた。
左側がジョーで、右側の緑のフキダシが俺だが、
これを見て、俺への最後の言葉が
“Stoked!”(最高!良かった!)ということで、
少し救われた気がする。
そんなことを考えていたら
携帯が鳴って、そこには彼の名前が表示されていた。
「霊界からの通信か?」
と怖々出てみると、
それは彼のシスターであるステーシーからで、
「日曜日にサンクレメンテで彼を偲んだパドルアウトをするから、
ハワイからだと少し遠いけど来られたら来てね」
ということだった。
電話を置き、少し前に彼と話していたことを思い出していた。
.
.
.
「仕事もないからさ、そっちはどうなんだい?」
「こっちも不景気で観光の仕事はさっぱりだけど、
ジョーならサンディングでもなんでも仕事はあると思うよ」
と返すと、
「ああ、ハワイに行きたいなあ。そのうちに行くよ」
という最後の言葉を思い出して、
俺はカリフォルニアに行かずにソフトサンドでパドルアウトして、
彼を偲びました。
こうして先に行ってしまう人が身近にいると、
“BE HERE NOW”
「今を生きること」
ということが大事だんだと気づかされる。
明日は誰にもわからないから、
今日できること、
今できることを一生懸命にやろうと、
また決意しました。
ユーモア溢れるジョークを機関銃のように繰り出すジョーは、
あちらでも人気者に違いないだろう。
JOE, REST IN PEACE BRO!
Requiescat in Pace.
「安らかに眠れ」
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