夢を見ていた。
永い夢で、これまでも同様のストーリーを見ていた気がする。
海の中で息が吸えることや、
サーフィンをすると、
ものすごいターンが連続でできることに
「これは夢だな」
と思った瞬間に目が覚めた。
覚醒しながら、
「音楽、友人、旅。
今の自分を支えているのは、自分が関わったすべてのもの。
自分は自分のことしかできない。
ウマイもヘタもイイもワルイも、
もう自分がすべて決めていい」
と、昨夜も読んでいた『みうらじゅん』さんのエッセイにあった言葉がつらつらと浮かんできた。
外を見ると、昨夜までの雨が終わったようで星空が拡がっていた。
時計を見ると4:04で、また昨日と同じ時間に起きられた。
目覚ましはかけておらず、
こうして同時刻に毎日起きられるのはイイな。
などと、みうらじゅんさんのように胸を熱くしていた。
北西ブイがさらに上がっていて、
「今日こそイナリーズだ」
と、昨日と同様にカメラをハウジングに詰め、
ウエット、足ヒレ、水やシリアルバーなどを持って出発する。
暗いハイウエイまで昨日と同様だが、
今朝は風の暖かさが違い、
北の貿易風らしく冷たかった。
海軍の風情報を聞くと、
SKY:クリアー
WIND:無風
とあって、これにも安心させられた。
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イナリーズに着くと、
この冬一番の波が来ていた。
これは日本列島をかすめていった台風20号からのうねりが、
ノースハワイにまではるばるやってきた。
ものすごくパワフルで、
ブレイクの時の咆哮で体が吹き飛びそうだ。
怖ろしく、そして昂ぶるような感覚を味わう。
俺にとっては「初物」である北うねり。
またハワイの冬がやってきたようだ。
今年はどんな波に出会うのだろうか?
どんな意識の凝縮を感じられるのだろうか?
と、雲のすきまに浮かぶ朝陽を見ながら想いをめぐらせていた。
□
カメラ片手に1時間ほど波の中を泳ぎ、
太陽が昇り、
雲の中に入るのを見届けてから、サビタに戻る。
みんなに電話をかけつつ波情報収集すると、
シュネレガンズがものすごくいいのだが、
ボディボードしかテイクオフできないほど掘れ上がっているという。
「パドルアウトしたサーファー全員がボードを折って、
俺はボディーボードで沖に出るところさ」
とはカイル鞠黒。
「誰も立ち上がれない波ってすごいなあ」
と舌を巻いた。
次にフレちゃんに電話をすると、
「南うねりもあって、
ホワイトハウスもいいと聞いたけど、
俺は闘牛岬に行くよ。
うねりの向きが良くて、
沖からインサイドまで1本でつながっているようだぞ」
そんなことを聞いて、
フレちゃんと合流し、
闘牛岬で2時間ちょいサーフし、
そのまま間髪を入れずに野球の練習を炎天下の中でして、
サーフサプリもマルチビタミンも効果なく、
へとへとに疲れてしまった。
目玉焼きを焼いてランチとして、
クレイグからいただいたおまんじゅうをカウアイコーヒーと飲んでから
時計を見ると12:58だった。
一日動き回った気がするが、
実際にはまだ半日しか経っておらず、
コーヒー片手にオフィスにやってきた。
飲んでいるのは近所のカウアイコーヒー社謹製
「ココナッツ・キャラメルクランチ」
というフレーバーコーヒー。
この甘い香りが大好きなのです。
「ハワイにいながらハワイを感じて」
というキャッチコピーを得た。
メーラーを開くと、
金曜日恒例のマイク・ベッシェンからの画像メールがあって、
「パイプラインでのギャベン」
という題名を開くと、それはこんな写真だった。
今日のパイプライン?
まるでパーフェクトのソフトサンドか、
イナリーズのようだ。
ご存じの人も多いだろうが、
マイクの次男がギャベンで、
長男がシェーン・ベッシェンである。
それにしてもすごい波と美しいターンだなあ。
としばし見とれてしまった。
□
話は変わって、
MLBワールドシリーズは2戦を終了して、
一勝一敗と盛り上がりを見せているが、
このゲームの入場チケットって、
いくらで買えるのだろうか?
と調べてみると、
明日のゲームが「300ドルから10万ドル!」だった。
300ドルは3万円。
これはなんとなくわかるし、
価値的にはそんなものだろうと察したが、
最高値の10万ドル。
これは約1千万円。
野球観戦の席にいっせんまんえん?!?
と、漢字を失い、
しかしタイプミスかな?
と翌々日のを見ると、そこには5万ドルというのもあった。
これは500万円だから
「いっせんまんえん」
は間違いではなさそうだ。。。
さらに11月4日のヤンキーススタジアム戦は「2000万円」という席まであって、
こんなフェラーリが買える金額で誰が野球を見るのだろうか?
と、こんな不景気風が吹き荒れる中、
「持っている人は持っているのかもしれない」
という結論に至った。
.
先日ウッドの結婚パーティがあったセントレジス・ホテル。
ここにウッド親族が泊まっていて、
とてもきれいで快適そうなホテルだったので、
さきほど値段を調べてみたら、
一泊1500ドルという金額に驚かされた。
これは税込み価格で一泊1691ドル(約16万円)となる。
5泊すると80万円。
するとノースハワイ島まで
ファーストクラスの航空運賃120万円を払って、
上記した宿代、そして食事代、
さらにはレンタカー代、
アクティビティ代を概算すると、
『おひとりさま300万円の5泊6日の休暇』という計算となった。
アメリカ人のお金持ちって、
バブルがはじけて、ほぼ絶滅したかと思っていましたが、
まだまだたくさんいるんですね。
□
閑話。
先日「サトウキビ畑がこの収穫をもって終了」と書いたが、
今日はその慰労パレードがハイウエイ上であった。
垂れ幕を見ると、
SWEET GOODBYE
MAHALO (THANK YOU)
そして、120年とあり、
そんなに長期間栽培をしていたんだなあ、
としみじみしてしまった。
パレードが始まると、
こうしてサトウキビ(シュガー・ケーン)関係者の車が次々へとパレードしていった。
↑誇らしいケーントラックですね。
↑このトラックには「PAU HANA(お仕事終了)」
「SWEET MEMORIES(甘い思い出)」とあって、
感傷的になってしまった。
砂糖ってすごくおいしくて、大切なものだと思うんだけど、
スーパーマーケットなどに行くと、驚くほど安く売られている。
生産しないということは、
これから輸入に頼ることとなるのだろうけど、
こうしてどんどん自給できなくなっていくのですね。
なんだか甘いことなのに、悲しいことであります。
□
「お前の写真集、路上販売してたぞ!」
とD先輩からメールが届いた。
これはイナリーズでもサーフしたことがある角田くんと、
弊社とおるの2ショットですね。
へへー。
さらにはヤマネコ島の徳ちゃんが、
「写真集が届きました!鹿とイルカの目に感動しました!!」
感動返しに魚の目を送ります、とこの写真を送ってきてくれました。
口永良部島の渡辺さんが精魂こめて作られたエビルアー。
愛とこころと、そして思い出が詰まっています。
お元気ですか?
□
世界で一番良いとされている日本の河口で、
台風20号のうねりが入っているときの画像をローカルのSKさんからいただきました。
すばらしい波だなあ。。
と、うっとりにっこりするが、
実際にはものすごい水の量だろうから、
気合いと根性DAYだったとお見受けした。
SKさんの愛車サビタトラックには、
こうしてNAKISURF・/フェラーリステッカーが貼ってあるそうで、
これを見て、にっこりとうれしくなりました。
□
さらには七里ヶ浜東にお住まいのKRさんからも
「マセラッティ・クアトロポルテに貼らせていただきました拝」
とメールが届き、これにもにっこり。
とてもうれしいです!
SKさん、KRさん、ありがとうございました。
□
大波、強い波の日に感じるのは、
「人間は無力」ということ。
その無力さを知って、さらに謙虚になるというのは、
長老フレちゃんに言わせると、
『Surfing Education(波乗り教育)』
ということで、
今日はしっかりその教育を施されてきました。
人間40才を超えると、
なかなかギャフンと言わされることも少ないので、
こうして海に「ドーダ!」と圧力をかけられて、
「スイマセンデシタ。。」
としっかりと勉強してきました。
これで当分は謙虚でいられそうです。
今日もNAKISURFに来てくださってありがとうございます。
もうすぐ満月ですね。
ALOHA and MAHALO!
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