本日14:30の天気図+衛星画像。
台風20号シマロンが目の前にいて、
あと三時間でここを直撃するという。
瞬間最大風速 60m/s(115kt)から発生するうねりは、
さぞかし巨大かと思いきや、「強大」レベル。
かなりの波を見つけた。
こんな岬波が数十箇所もあり、
全て無人だった。
きっと広すぎる上に、
「強い波に乗りたい」
サーファーの絶対数が少ないのだろう。
SR500と名付けた岬波に向けてパドルアウトすると、
突然自分が小さくなった。
岬の大岩を見て、
波の威力を感じ、
人間とは、
なんとちっぽけなのかと再確認させられた。
Catch Surf ®ODYSEA Skipper Fish 6’0″
at SR500
.
波のパワーがすごいのか、
フィンにかかるストレスは増大で、
セッション後、
全てのFCSフィンスロットが緩んでいた。
こんなことは初めてで、
それほどまでにフィンに負荷がかかっているのだろう。
波が大きいときは、
あまり何も考えずに沖に向かう。
そして目の前で崩れたときは観念して、
違う世界に行くつもりで沈んでいく。
やがて波から外れ、
広大な、
いや壮大な海原に自分が浮いている。
ささやかな浮力であるスキッパーフィッシュの上で、
全開パドルや低いギアでのパドルをするが、
それはきっと8が9になったり、もしかすると10になる程度で、
実際にSR500波がこちらに要求するパワーというのは、
間違いなく4000位はあるようなので、
このとき自分がいかに無力だと実感するのである。
さらに言うと、これが11フィートのボードだろうが、
5’6″の有名ペラペラショートボードでも、
40リッターでも、
マクドナルドのトレイ、
魚屋の発泡スチロールの箱でも同じようなもので、
とにかく人は無力となる。
今日に限っては、
この腕の長さが10mくらいあって、
ようやく波とマッチするのだろう。
SR500は多数の隠れ岩があるようで、
テイクオフエリアはこんな難易度。
とにかくハッピーサーフというか、
自分にとって核となる行為をし、
それは修行でも行でもなく、
これこそが『正行(しょうぎょう)』ではないかと気づいた。
とにかく静かに、
そして穏便に、やわらかく、
そして観念という世界を通過して感じるのは、
怒りのような否定的感情の真逆であった。
無垢なる砂浜に再上陸、
つまり無事に生還したときは、
うれしくて逆サバ手をしてしまった。
波乗りとは、
財産や名誉といった相対的な幸福から解放されるもので、
生きていること自体に満足感を得られることだと、
確かに感じられた日。
雨と風が強くなってきたので、どこかに避難しなくては。
みなさんのご無事をお祈りします。
Happy Surfing Forever!!
◎