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naki's blog

台風シマロンと諦観(たいかん)_(1296文字)

西日本に猛威をふるった台風20号。

英語名をシマロンという。

まるでポケモンみたいな名前だが、

高さ60mの風車を根本から折ってしまったり(淡路島)、

神戸市に緊急の

避難指示が出て、

避難勧告も含めて10万超の人を避難させ、

伝説的な猛威を振るって日本海に抜けていった。

さらに言うと、

今いるところの真横を通って行ったが、

それはすごい風雨だった。

だが、

不思議と人間には生死にかかわるような危害を加えなかった。

さすがシマロン。

マンガのような結末でした。

これはシマロン直撃6時間前。

大接近中の大うねり。

「乗れそうだ」

そう思うのだろうが、

「波高5M以上の大波が、
ショアブレイクの大岩をゴロっと転がした」

という伝説を目の当たりに見た。

きっと年に数度しかブレイクしない岬波が、

あちらこちらでブレイクしていた。

もちろん名は知らない。

今朝起きると、

バリの高間教授(巻末リンク*2)から昨日のブログについて、

「共感できます」とメッセンジャーがあり、

さらには逗子のキンちゃんから

「こちらはオーバーヘッド程度で激混みでした。

そちらでこちらの代わりに孤独波に乗ってください」

とあり、添付写真を見ると、

なんとアトムさんとニックちゃんとで、

『トリオde波乗り』していた。

こちらの情報も知りたいであろうと電話をかけてみると、

「あのね、あまりに混んでいて、

波数も足りないからセット波はさ、

トリオを組んで乗ろうということになったんだよ」

「すごい考えですね。5本セットが入れば15人乗れます」

「そうなんだけどさ、信用できない人とは組みたくないじゃん。

ボードとか蹴られたら怖いしねー」

なので、

そんなテーマを掲げたトリオはキンちゃんたちだけだったという。

アトムくんもニックちゃんもお元気で何より。

大先輩トリオですな。

こちらはいまだにこんなに荒れている。

天気が悪くなって感じるのは、

「波への畏怖」である。

大波が来るとあきらめる、

あきらめたからこそ得るものがあった。

(巻末リンク*1参照)

体調は万全で、

自分にとって最高峰の波に向かう幸(さち)と喜びがあった。

慈悲なき海。

ときに強大なものが覆い被さってくる。

あきらめることを『観念』と昨日書いた。

「観念」と「あきらめる」は少しばかり違う意味だが、

使ってしまったのはまだ大海に興奮していたからであろう。

台風20号シマロンの豪雨と猛風を一晩通過し、

自分自身を濾過してわかるのは、

「諦(あきら)め」

つまり『諦観(ていかん、たいかん)』でした。

この単語を調べてみると、

語源は、

「明らかに見る(あきらかにみる)」だった。

次に

『たいかん』と発音すると、

「真理を観察すること」とあった。

波を見極めて正しい瞬間に潜り、

そして心を静かに静めた実践だったのだろう。

この波に入り、

自分の小ささを再確認できたのは、

この旅で一番の収穫だったかもしれない。

Sunrise at USA, Kochi, Japan

.

昨日のテーマとかぶりますが、

書けなかったこと、

気づかなかったことを追記してみました。

【巻末リンク*1:観念と収穫】

サーフィンとは財産や名誉といった相対的な幸福から解放されるもの_(1106文字)

【リンク*2:高間教授とバリ波】

4000kmを超えてやってきた波”クドゥング”のすごさ_夕陽のタナロット寺院_(1016文字)