こんにちは、
日本との時差が16時間あるカリフォルニアです。
こちらも9月となりました。
夏も終わり、
今年も残り1/3となってしまいました。
きっと人生も短くなっているはずなので、
毎日をしっかりと生きようと思っています。
こちらではビッグ・ウエンズデーとなったハリケーン・マリー波。
ある人は20年ぶりの波だと言うし、
クリスチャン・ワックは、
「あの波は100年に一度だとは思わないかい」と言っている。
そのくらいの波でした。
カリフォルニアの夏波定規は、
このサイズが最大だとわかった年。
当日の私ブログはこちらです。
https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/57279
じつは1997年の南うねりも実際に乗ったが、
今回の方が遙かに大きく、
そして波数が多かったと私は感じている。
うねりの三日後となると、
各地で撮った画像や映像がたくさん出てきた。
上は今回の南うねりを直接受けたニューポート岬でして、
それはここまで大きかったのだと驚きを受けた。
ここでサーフしたタイラー・ウオーレンによると、
ロブ・マチャド、ジョディ・スミス、ラスティ・ロング、
ティミー・レイズ、コア・スミス、
ジェイミー・オブライエンやペリー・デーンたちがいて、
その雰囲気はまんまパイプラインそのものだっという。
そのジェイミーは6−8フィートのハワイアンサイズ、
セットで10フィートは軽くあるエクセレント波だったと評価している。
タイラーが入っているとき、
何度かクリーンナップセットが来て、
全員がピアの方にさらわれてしまい、
かなり恐ろしかったと言っていた。
と、
この乗られた波よりも大きなセットが来ていたことを教えてくれた。
こんな波のときの乗り方ガイドだが、
一番重要なのが「いつもより冷静に」ということ。
そして集中して落ち着くようにして、
普段の動作通りにテイクオフすること。
私は「点」を意識していて、
立ち上がるときに波中腹の一点を意識して、
テイクオフ動作を終え、ボトムの点を、
そしてターンが始まると波の中にまた点を設定し、
その点をつないでいくようにライディングしていく。
セットを喰らうときは、
ボードを捨てるときがある。
まずは冷静に。
潜り始めるのを早めに、
ゆっくりとゆっくりと底に向かって泳ぎ、
波が上に来た瞬間に意識を閉じる。
電気のスイッチでいうところのOFFにする感覚で、
自身の意識を切ってしまうのです。
巻かれはじめて意識が切れないときは数えます。
ゆっくりと数えます。
たいてい巻かれ始めて5とか8くらい数えたら波から外れるので、
実際には全行程で20秒程度しか巻かれていないのだろうが、
15秒超えとなるとやたらと長く感じる。
でも焦っても怖がっても波の圧力や威力は変わらないので、
浮き上がるまでは何も考えず、
上がってきたらゆっくりと空気を吸い込み、
この波が20本くらい続くことを覚悟しながら沖を見る。
セット波はご存じのように連続で来るので、
海面に上がってくると、
たいてい同様な巨大壁が迫ってきているはずで、
そのまま再度潜るのです。
連続することを意識していても何本も潜っていると恐ろしくなってきます。
岸の方に戻されていくのなら良いのだが、
ハワイのハレイヴァとかイナリーズ等はカレントの関係で、
インパクトゾーンで喰らってしまうと、
波が続いているあいだは沖に吸われるので、
岸には戻されずにインパクトを連続で喰らう。
それでもあきらめずに怖がらずに、
確かな意識を持ち、
そしていつかはこの波群が終わると信じて波に巻かれていく。
ひどい経験だが、こういう経験がまたいつかの波に活きてくるし、
自分にとっての大波、つまりサイズでもなく強さと圧力、
そして圧倒されたことが糧となるのです。
波乗りとは文字通り「乗る」ことだが、
乗るまでにはたくさんの大変なことがあり、
それらを乗り越えて波に乗っているのですね。
このサーファーはキャプションによると、
今回のジェイミー・オブライエンのボードをシェイプした人とあって、
さらに本業は歯医者さんであるという。
「いったい何人の歯医者がこの波に乗ることができるのだろうか?」
と結んでいた。
こういう波に乗るのはプロサーファーだけではなく、
普段から節制して、良くサーフして、
経験を積んでいる人が乗ることができるとわかったマリー波でもありました。
今回ニューポート岬でのいろいろを教えてくれたタイラー・ウオーレン。
彼もまたこの波に乗って、
大きな経験を積んだと思います。
波乗りって波次第でもあるので、
ある日突然、自分にとって極限になったりするのがすごいと思う。
私はトレーニングを始めました。
みなさんもこれからの台風シーズンに備えてみてくださいね。
「その日が来てからは遅い」
そう感じた巨大南うねりにありがとう。
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