ニュージーランドから戻ってきたタイラー・ウオーレン。
旅の土産話はサーフアドベンチャーというか、
ヘリコプターで標高3000mの山を越えて、
南島の未踏波に乗ったり、
半日も歩いて、
キャンプしている湾の反対側の岬まで行って乗った波の話を聞いていった。
その波はやはりすごいクセモノだったそうで、
タイラーをして攻略できなかったという。
深い大陸棚を持つむきだしの湾にやってくる波はワイルドなのだろう。
まずアトリエのドアを開けると、
もう半年近くかけているアートの続きをしていて、
このガールズの作品は、じきに完成するような気がしている。
タイラー自身のタイラーシェイプ3本。
最近フィッシュが多い気がする。
特に気になったのが、このスピードフィッシュ。
細く長く、そして大きなウイングが入り、
フィンの位置を下げ(テイル寄り)、そしてレイル側にセットという意匠。
デザインの意図、その内容を聞いてみると、
アウトラインが細く、長いのは速く強い波へ、
または長い距離が乗れる場所でのパドリングのために。
フィン位置の前にウイングを付けたのは、
二枚のフィンをレイル側にセットするため。
このことによって、よりドライビー(長いターン)で、
さらにはフィン支点からレイル反応までの反射性を高める。
タイラーのようなグレイトサーファーでこそのデザイン視点があり、
そんなことが彼のサーフボードの血と肉になっているのだと確信した。
新しく完成したディスク(左)と、フィッシュ。
クリームレイルと、
ライムレイルが時代が明るくなっているのを語っている気がした。
https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/62814
昨日の私シェイプの動画を見せて「エヘン」と胸を張ると、
その6チャンネルからインスピレーションが沸いたようで、
「シェイプルームに行きましょう」
ということになった。
タイラーは、朝からこのシェイプルームで、
新しいフィッシュデザインに没頭していたようだ。
幅広で短いトライフィンフィッシュがベースとなっている。
「テイルのアイディアがあります。意見交換をしましょう」
そんな民主的なデザインでいいのだろうか?
そんなことをカウンターで言おうかと思ったが黙っていた。
マルチアングルスワロウ。
ライアン・イングルがソニックブームでやっているのと似ているが、
タイラー本人によると、あれとこれは違うものと言い張る。
その理由は、この作業を見てわかった。
まずはボンザーフィンのパーツでスワロウを描き出し、
こんな模様のようなガイドラインができた。
私がテイルラインを誕生させる方法と、
チャンネルのガイドラインの設定の仕方を教えてくれた。
タイラーは几帳面な性格なので、
こうして全ての線に対して各種定規を用いた。
テイルの草案と、
チャンネルの幅と位置が決定される。
でもその10秒後には気に入らなかったらしく、
さらに線を引いていくタイちゃん。
球型定規も使っていく酔狂ぶりであります。
鉛筆が初期ライン、
そしてオレンジが最新のラインで、
こうして見比べて、最良のテイルデザインを模索していた。
ついにチャンネルのラインと距離が完成。
それは私に対して、
「ここまで詳細に迫りなさい」
と暗に言っているようだった。
こうしてしっかりと下書きするのだと、とても勉強になりました。
私もシェイパーになるのだろうか?(笑)
オレンジの線から最終ラインを描きだして、
写真を撮って、平面で見てからデザインを完成させていた
一流ハンドシェイパーは、こんなにも下準備をしているのですね。
勉強になりました。
オフィスに戻って作業をしていると、
タイラーのインスタグラムがシェイプの始まりを告げ、
そして少ししたらシェイプ完成のポストがあった。
『バットマンが乗るトライフィン』
そんなキャプションの最新作。
タイラーの魅力は歴史的なボードにも造詣が深く、
そしてこうした新しいデザインの扉を開いていくところだろうか。
やはり視界を広く持たないといけませんね。
とにかくこの投稿で長さが5’3″だとわかり、
こうして考えるとインスタグラムはとても便利なツールだと感じた。
先日LAに行ったときにシーピーが聴いていて大好きになった音。
41年前のカントリーミュージック。
(シーピー所有)
ついにGWに突入しましたね!
どうぞたっぷりと波に乗ってください。
仕事の人(私もです)も良い日になりますように!
Have a wonderful holidays!!
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