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naki's blog

【四国サーフ】Catch Surf Session_SR500のグロウ波_寅さんの口上_MVPのナッキー_(2213文字)

【台風10号クローサ回想記】

“超大型”の台風10号クローサが、

西日本に向かって北上していた。

クローサは、

発達しながらゆっくりと進み、

この日の勢力がピークの状態だと天気予報士が伝え、

最大10メートルの波が予想されていた。

10mというと33フィートであります。

外海は荒れ、

しかも風とうねりの方向が一緒、

オンショアになっていた。

ならばまた、

昨日ここでお伝えした通り、

前日は仲間たちだけで貸し切りだったので、

道の駅なかとさなどに行きつつSR500に行くと、

タヌーマンことタヌ氏、

またはタヌくんがココサンシャインを塗りたくり、

すでに私たちのことを待ち構えていた。

TANUMAN 2019 AUGUST

All Photo by Yoshi and Nacky

.

「ナキくんたち遅いよ〜。干潮がいいんだからねここは」

「そうなんだね」

「キャッチサーフ貸してよ、昨日ナキくんが乗っていたのをさ」

「かんたんです」

「かんたんですはさ、形容動詞に助動詞だからさ、

返事というか、言葉の意味が違うんじゃないの?」

「これはさ、ジローワードと言ってさ、拡大解釈できる優れ語なんだよ」

「ほんま?そりゃすごいな」

「スキッパーフィッシュ(6’0″)で入るからバリマギ使っていいよ」

「やった!ありがとう!!」

パドルアウトすると、

タヌ君がすかさずいい波に乗った。

Catch Surf ®ODYSEA x Barry McGee Pro 7′

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干潮なので、

ゴボゴボだが、

これがいいのだそうで、

これによってタヌくんは、

天才バカボンのパパが言う

「これでいいのだ!」

を感得した瞬間でもあるようだった。

私もゴボゴボだが、

露出(ドライ)する岩の位置は昨日記憶し、

さらに言うと、

サイズアップしたので水量が増し、

ブレイクも沖にシフトしたので、

岩が露出することはなかった。

けれども十分に浅い。

下手をするとここでハッピーサーフが終わる、

終焉となる可能性のあるファーストセクション。

無事にセカンドセクションにコネクトすると、

波は深みからせりあがりサイズアップする。

こういう途中からサイズが増す波をのことを

『グロウ、(grow)』と呼ぶ。

無事にインサイドセクションをトレースし、

ショアブレイクまで来て、

サバ手でフィニッシュ。

このマドモワゼル(Mademoiselle)は、

フランスから来たタヌくんのお友だちであり、

こうしてたっぷりと日焼けしていたのが印象的かつ、

健康的だった。

昔コパトーン、今ココ・サンシャイン。

少し潮が入ってきた。

Eric Christenson Cosmic Fonzer 7’2″

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「この波ですと、浮力のあるボードに乗りたいです」

しょう寅杉本さんがそう言ってきた。

「ECの72があるよ」

「うぉ、フォンザーですね。かんたんです!」

「さすが、完璧にジローワードを使いこなしているね」

「当たるも八卦当たらぬも八卦、こちらのボードはセブン・ツー。

舶来モノでござんすよ。駅前で売っている大量生産品とはちと違う。

橙色は何見てわかる、橙色見て迷わぬものは、木仏金仏石仏。

千里を旅する汽車でさえ、この色を見てちょっと速度を落とします」

「お!一度寝て調子が出てきたね」

「帝釈天で産湯を使い、姓は杉本、名はショージ。

人呼んでしょう寅と発します。

ネオン、ジャズ高鳴る大東京に仮の住居があります。

きんちゃんつながりの不思議なご縁を持ちまして、

このお盆中土佐のSR500波に粉骨砕身、

ハッピーグライドに励もうと思っております。

西に行きましても東に行きましても、

とかく土地土地のおあにいさん、

おあねえさんにご厄介かけがちなる若造でござんす。

ジローくんと同じ次男でございまして、

故(ゆえ)にかんたんですと連呼しますが、

以後こちらの面体お見知りおかれまして、

向後万端(きょうこうばんたん)、

どうぞよろしくお頼み申します」

そんな口上で乗る波もありました。

すばらしいガッツであります。

太い(強い、大きい)波。

気持ちが入る波乗り。

昨日も来ていたイズミくんがしんじょう君(ヤスくん)とやってきて、

さらには高知のまこちゃんこと、嶋崎誠さんが来た。

彼は東本願寺土佐別院の御院(住職)であるので、

もし何かあっても成仏させてくれそうだった。(笑)

ご住職が勤行のあいだにシェイプしたピンク色のフィッシュが、

この青い波の上に稲妻のようにきらめいていた。

しんじょう君になりすましたヤスくんは、

スキッパーフィッシュ66を弾丸のように滑らせて、

胸に潜む「何か」を霧散させていた。

宗安寺のSO-ANの潔さんを師と仰ぐイズミくんは、

勇敢なるグラブレイルで、

この怖ろしいSR500波を攻めていた。

クラシック・フィッシュ。

湾の中頃では、

ハワイからやってきたノア・ミズノが、

ウエッジで遊んでいた。

彼らも外海から逃れてきたのであろう。

ドラグラ式を表現するサバ手を、

イズミくんとしんじょうヤス君がしていたのが印象的だった。

すばらしいセッションをありがとう!

Catch Surf ®ODYSEA Plank x Barry McGee Pro 7’6′

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MVPはナッキーだっただろう。

岩に目がくらんだ昨日の恐る恐るから脱皮し、

すばらしいセクションの数々を得ていた。

ハナマルマンテンのハッピーサーフィンでした!

Happy Surfing!!