台風一過とまではいかないが、
あの暴風雨は去った。
昨日のあの嵐の中、
新聞配達をしていた勇敢で、
勤勉な高知新聞の金山さんがやってこられて、
大切なメッセージを置いていかれた。
『終戦の日』
本当に終戦の日があって、
それが終わりだったということを知って欲しい。
戦争反対。
昨日の続編をここに。
じつはこのブレイクは、
去年の台風シマロンでもパドルアウトしている。
サーフィンというのは、
行でも修行でもなく、
正行(しょうぎょう)だと感じた尊いブレイクでありました。
それから一年経って、
あれから腕を上げたはずだから、
この波を再び乗ることは楽しみでした。
しかもあの日は台風接近に伴い気圧が低く、
(気圧が低いと気分がすぐれません)
波のサイズは倍はあり、
流れもこんなものではなく、
楽しくというよりは、
修行のような気持ちで厳かにパドルアウトしたのを覚えている。
今回は真夏日。
ほぼ無風、快晴、
そして友人多数というありがたき日となった。
パリで歯医者を営み、
サーフすることが大好きだというステファン。
普段はギタリ—などで、
ミッドレングスからログで波の上を滑っているそうだ。
ちなみにタヌーマンことタヌ君は、
自発的にビーチクリーンを繰り返していた。
彼はビーチクリーンに参加せずとも、
こうして毎日海をきれいにしている。
こういうのもタヌーマンの魅力であり、
社会主義共和制式の人たちには、
「あいつは協調性がない。けしからん」
と叩かれてしまう。
「ビーチクリーンも来ないでダメな奴だ」
そんなことを言う人は、
ゴミをビーチクリーン日しか拾わない。
どちらも正しいのであり、
どちらにも勝ち負けはないのだが、
残念な話であります。
All photo by Yoshi and Nacky
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美しい波にはトゲがあって、
そのトゲとは岩で、
波面がやたらとゴボゴボしていた。
もっとサイズがあれば、
沖でブレイクするので、
深度は増して危険度は減る。
タヌーマンが、
「ナキくん、ここはボトムターン禁止ですよ」
「わかるよ。浅いんでしょ?」
「そう、ボクの知っている人はさ、
右足を岩の間に挟んでしまって大変だったと聞いたよ」
ぞわぞわするほど怖い。
テイクオフ・エリアは、
大岩が沈むボイルがあり、
このようにボコボコしているので、
ここに引っかかって、
ワイプアウトをしてしまったら、
岩場の中に放り込まれ、
ちょっとした地獄巡りとなるだろう。
Catch Surf ®ODYSEA x Barry McGee Pro 7′
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ならば、
絶対にメイクすべく、
重心を低く、
リップの下に落とすようにテイクオフしていった。
この角度だと見えないが、
乗っていると、
岩が見えては消えていく。
岩が見えると体が硬くなる。
「岩を見なくする」
ノースハワイで覚えたテクニックを使って、
視界から岩を消してしまった。
ここは長いレフト波。
このサイズだと3段階というか、
3セクションあって、
上の画像は最終セクションをクリーンに形成し、
大団円となる。
第一段階、
第二段階とクリアして、
このように滑るのは気分爽快です。
Catch Surf ®ODYSEA Plank x Barry McGee Pro 7’6′
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ナッキーも入ってきたので、
全員が心配していたが、
無事にテイクオフしていった。
すごい。
SO-AN潔くん由来のドラグラ・イズミくんもいて、
「波はまだまだ小さいな」
などと言いつつも、
オールドフィッシュならではのラインを描いていた。
さて、
葛飾柴又のしょう寅杉本さんが、
たった4日間の休みを弾丸でやってきてこの波を当てた。
かなりの気合いで乗る波もありました。
「お盆に晴れていて、波もあって、
友人だけだなんてありえません!」
そう言うので、
「それをさ、寅さんの口上で言ってよ」
そうリクエストしたが、
大渋滞で片道25時間の運転が効いているのか、
疲労困憊でそれどころではなさそうだった。
「苦あれば楽あり、楽あれば苦あり」
セカンドからサードセクションへの切り替わりがあり、
そこを的確に滑らせるナッキー。
「根性根性、ど根性だよ」
「何それ、ど根性ガエル?」
「そう、あいつはさ、練馬区の石神井公園で、
ヒロシのシャツに張り付いてしまったんだよね」
「詳しいね」
「はい、吉沢先生とガチで友人ですから」
「ほんま?梅さんの寿司が食べたかったね」
「宝寿司ですよ。あれは善兵衛さんの握り。梅さんは出前」
「本当に詳しいなぁ」
「今日はね、 “宝ずし海の家の巻”のピョン吉乗りするよ」
「予告ライドだね」
「うん」
これがその『 宝ずし海の家の巻のピョン吉乗り』だそうで、
なるほどフォームはピョン吉である。
「平面ガエルがさ、京子ちゃんとゴリライモを巻き込んで、
梅さんをヨシ子先生と南先生が取り合うんだよね」
「これがその平面ガエルのポーズだよ。
ピョン吉はヘビが怖いからさ、
それを逃げるようにプルアウトすると臨場感があるね」
その回をなんとなく見た記憶があるが、
細かいところまではわからなくて、
ちょっぴり悔しかったのであります。
そのピョン吉ライドが流行の兆しを見せ、
およそ33%の人(6人中2人)がその世界に入っていた。
そのもう一人とは、
しょう寅杉本さんで、
すっかりタヌーマンに感化されてしまった。
「しょうちゃん、
こういうのをタヌキに化かされると言うんだよ」
「え、まじすか。タヌーマンさん、かっこいいです」
彼もファンクラブ入会を考えているそうで、
そうすると、
会員11人確保は確実となってきた。
今そのど根性ガエルの登場人物を見ると、
タヌキ顔の五郎(学生服)が、
幼少時のタヌーマンをモデルにしたものだと、
仮説を立てた台風一過の美しい日。
Happy Surfing!!
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