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【サーフィン研究所文学館】『激烈なる意識』_リンク再録『セブンティーン@セブンティーンの怪物波』_(828文字)

「こもってないで、出て来んとあかんとです」

しんじょう君に似た人にそんなことを言われたが、

5年ほど前から私は

「二面性の引きこもり」である。

私が外に出るのは、

サーフィンと買いもの程度であり、

卓球とかスシロー、

そして飲み会というのが反対側にあるが、

じつにささやかなことである。

他の時間は睡眠、

料理と書きものに費やしている。

Bonzer 1975 / 6’5″

.

春何番かの後に激烈にいい波に乗った。

この波付近は激流であり、

かんたんに人はそこから排除されていく。

波が来た。

あっという間に近づいてくる。

私は、

意識を閉じ、

静かにダックダイブさせた。

両腕を伸ばしてボード上半部を沈め、

それに追従するように右足でテイルエンドを、

海底に向けて押し延ばしていく。

最深部では、

小指、薬指、中指でレイルを握り、

人差し指と親指はボードに喰い込ませるようにした。

手首が折れてもボードを離す気はない。

波は一瞬だけ沈黙し、

その次の瞬間、

吹き飛ばされるような圧力がかかり沈められた。

というより、

海底に向かって叩きつけられた。

波の下はたいてい暗い世界であるが、

あるはずのない太陽の閃光が、

まぶたの裏で7色に煌(きら)めく。

ずいぶんとあってから浮かび上がり、

私は反射的にパドリングの姿勢となる。

その過酷、

刹那から脱出すべく、

直感と予感だけで身体の各部を動かし、

芯に力を入れる。

濃い色の海面のふくらみ。

大波が沖に見えた。

乗るのか、

いや、乗るには遠すぎる。

流れが発生し、

波の中に吸われていく。

逃れられないと悟った。

来たぞ。

もうすぐ崩れる。

弱い心を隠せ。

ボードを離すな。

波に相対しての興奮。

もっとお読みになりたい方は、

最下段のリンクを開いてください。

このコラムの元々は、

2010年2月24日のこのブログなので、

じつに10年も前の体験であるが、

今も何も変わっていないことでもある。

【naki’sコラム】vol.32 コードネーム「セブンティーン、セブンティーン」の怪物波を撮ること

Happy Surfing and Happy Life!!