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naki's blog

推定10m?50mの高さのアウトサイド・ワイメアベイ_南東うねりとパドリングの重要さ_ドノヴァンのエルサルバドル2010と、BWG。アートの里帰り_(3113文字、中短編です)

2010_inaris_V4193

おはようございます。

もうすぐ週末の今日をいかがお過ごしですか?

今朝は、詳細な波乗り夢を見て起きたので、

自分への記録も含めてここで報告します。

2010_sunset_V4666

.

それは大きい波の日だった。

どんよりした鉛色のそら。

“夜なのによく見える”

と表現したほうが正確なほど、

ぬめりとした世界だった。

どうやらここはワイメアの沖で、

“波先だけがブレイクする”という、

そこまで恐ろしくなく、

ビッグウエーバーでない俺にとって都合の良い波だった。

推定10mくらいの高さの斜面で、

テイクオフしてしまえば、

この長く、高い斜面を滑ることができる。

距離も長く、岸までは軽く3kmくらいあって、

さらには最後のインサイドセクションがあのワイメアという豪華さ。

これはまさに夢ならではだが、

夢内では(不思議の国の)アリスと違い、

「これは夢よ」

ということは思わなかった。

現実みたいで、その波を見て、

唾を飲み込んだりもしていた。

俺はそこにBD3を持ち込んで滑ることになったのだが、

近くで見るその波はとてつもなく大きく、

そのスケールはまるで神話の世界だった。

高さ50mというのもやってきていたほどだ。

ブレイクしそうなのが来たので、

全力でパドルをして波のトップからボトムを見ると、

高い断崖絶壁から下を見るようでふらりときた。

テイクオフするとやはりその斜面はやたら不安定で、

全ての難関でワイプアウトしそうになった。

「ああ止めてよけばよかった…」

と後悔するが、

全てをメイクして、

緩い大きな斜面を滑走しながら

「やったー!!」

と喜び、放心していた。

乗ってみるとかなりおもしろい波で、

感覚的にはスノーボードか、

または気球に乗っているようだった。

どんどんと、ぐいぐいと滑っていくと、

長い距離をパドルで戻らなくてはならないので、

それを嫌ってプルアウトを考えたが、

「いいや、乗っていってしまえ!」

と、当然なる選択をした。

セクションから離れたカットバックをしながら

「違う、もっとフック側で」

と自分をたしなめたり、

ボトムターンも脱力系の長いのを組み合わせ、

斜面を駆け上がり、そして降りてくる。

そんなことをしていると、

遠くにインサイド(ワイメア)が見えてきた。

そのまま波の芯に右、左とスラロームしていくと、

ワイメアの棚が近づいてきた。

そばにくるとそれは段になっていて、

「危険だから止めよう」

ということと、

「いいや行ってしまえ!」

というふたつの相反する気持ちが生じた。

これも沖で思ったのと同じように

「GOだ!」と進んでいくと、

段の上からビルから落ちるような落下感があり、

その墜落に似た降下は長時間続き、たまらずに

「ぐお??!!」

と叫びながら、空気を掴みさらに落ちていくと、

「うわぁ!!」と目が覚めた。

ふー、そんな朝です。

疲れますね。

2010_inaris_V9175

南東うねりが入ってきていて、

2010_NH_V8705

ホワイトハウス周辺のサイズを上げてきている。

この斜面を降りるためには、

確実な場所からのテイクオフ、

そして一切左右にぶれないで、

深く漕ぐパドリングの速度が要求される。

こうして書くと簡単だが、

パドリングのバランスは、

セッション時間の全てを使って調整していくほど、

デリケートでむずかしい要素なんです。

波乗りの調子が良い日、

そうでない日の違いは、パドリングバランスにあるのかもしれない。

2010_NH_V8670

日本に行くとよく見かけるのが、

「片手パドリング」

で、みなさんは見事に片手でパドリングされて移動している。

数えたことがないからわからないけど、

きっと70%?80%これには当てはまるのではないか。

ちなみにイナリーズでは皆無。

「片手では流れが強すぎて進まない」

というのがその理由ですけど。

片手パドルの欠点は、

左右バランスのコーディネイトが低下するのです。

まあ、テイクオフも片手だけで実行するのならいいんだけど、

そんなことはありません。

テイクオフ時だけ両手で漕いでも、

利き腕でない(使っていない)腕の漕ぎがどうしても弱く、

しっかり進みづらい、

レイルが微妙に波に喰う、

斜面に入れない、

波に押されない。

と、満足のいかないテイクオフとなるでしょう。

ご存じのようにテイクオフができないと、

波乗りはなんにも始まらないのですね。

そうして考えてみますと、やはりパドリングは最重要だと思います。

NAKISURFでは、

HOW TO関係はできる限り敬遠しているのですが、

パドリングはすなわち波乗りの生命線だと思う。

だから、これを読まれて、

確実に安全に波に乗りたい方は両手パドルをお勧めします。

入水してから、そして陸に上がるまで全て、

つまり一回残らず実践してみてください。

これに留意して、しっかりと2?3度ほどサーフすれば(合計6時間程度)、

これだけで大きく上達するのです。

本気印のワンポイントアドバイスでした。

そんなことを書いていたら

ドタキャンしたエルサルバドル旅のDダイセンセから画像メールが届いた。

PAT_3953

ドタキャン日のブログはこちらです↓

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/11281

俺が行けなかったから、

急遽ビラボン専属のパットが写真家として派遣されたのだという。

3Z9E3323ありがとうパット!

Dダイセンセごめんなさい。。

3Z9E3579_2

写真を開いていくと、

使用ボードはなんとBWGだ!

しかも俺のアートがボトムとデッキに入っている。

いつかのスタッフブログにも詳細がありましたね。

PAT_4207うれしい、Cうれ。

PAT_4185

このデッキに入っている”2ヘッドレイバン”ロゴは、

NAKISURF/Surf Prescriptionsのプロライダーマークでして、

Double RAVEN 2009 OR DF

ドノヴァンとNAKISURFがライダー契約を締結する際に、

ダイセンセが、

「NAKIのアートをボードに入れたいぜ」

ということで、

描きおろし(書き下ろしの変化造語)したのです。

ドノヴァンはかなり気に入っていて、

「これをタトゥーにするぜ」

と本気なのか、冗談なのかというお褒めの言葉をいただきました。

3Z9E3599

スラッシュレイバック↑

それにしてもこんなすばらしく、

美しいターンができるのは、

世界中でDダイセンセだけだろう。

本当に芸術的なのであります。

PAT_3862

このボードに封入されているアート(写真)は、

このエルサルバドルで撮影されたものでして、

よく考えると、

それが本人と一緒に里帰りしたということになるんですね。

ふむふむ。

Donavon_Whitehouse_ES_2008_0988

ミュージシャンでもあるダイセンセは

こういう絵がしびれるほど絵になりますね。

行けばよかったかな。(笑)

IMG_8126cPat Stacy

そんなこんなでダイセンセの旅は続いているようです。

Hey Donavon,

Have a safe travels!

Arigato!!

ノースハワイは大きな虹が出ました。

2010_NH_V8658

すばらしい春の日ですね。

そちらは金曜日をいかがお過ごしですか?

いくつかの学校は春休みに入ったようで、

この機会に波乗りに戻られる方、

そして波乗りを始められる方も多いのでしょう。

先輩から波乗りを楽しむためのコツとしては、

「あまりHOW TO雑誌を読まずにパドリングの練習をたくさんしてください」

あれ?

これって、どこかに書いたな。(笑)

一切ぐらぐらしないように、

そしていつでもどこでも深く強く漕げるのがパドリングの理想です。

あっ、イナリーズでの言い伝えもありまして、

それは「パドリングをもう2回」

これは相手のテイクオフを見た際に言われ、言う言葉なのです。

あんな切り立った斜面で、もう一回ですらむずかしいのに…。

そこまでパドリングは重要なんです。

今日もNAKISURFにお越しくださって、ありがとうございます。

ショールームにカウアイコーヒーは届いたみたいですね。

郵送はすばらしい!

海もひとっ飛びです。

どうぞ本日もすばらしい日にしてくださいね!

Hasta luego!