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naki's blog

あっぱれな大雨は、心に大輪の花を咲かせる_(2429文字、短編です)

おはようございます。

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起きると雨、しかも大雨だった。

この島の別名は

『雨の島』。

朝昼晩と隙さえあれば、

ビシャビシャバシャバシャとよく降っている。

調べてみると、

島中央にあるワイアレア山の年間平均降水量が12344mmで、

これが『世界一』だということを知ると、

この雨は当然のことに思えてくる。

そういえば昨日ここで、

「鮫が近づいてきている」

と書き、

それを怖れているわけではないのだが、

本日はのんびりと出動した。

南うねりは小さくなったが、

まだまだ日本の台風波程度のサイズはある。

セッション前半でセットがやってきて、

間に合わず、インパクトの真下でダックダイブしたら、

左肘関節が折れそうになったほどの威力だった。

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こうして波にやられ、

そして乗っていると、

東から黒い巨大雨雲が近づいてきた。

「一本乗ったら上がろう」

と決めたのだが、

雨雲の足の早さが波到着に勝ったようで、

長老フレちゃんと、

パパ肋骨ジョニーと俺は、

目も開けられないほどの雨に打たれた。

粒の大きさがパチンコ玉大はあるような雨で、

まるで水球を投げつけられているような威力だ。

海面は水滴に叩かれて、

さらなる水滴を散らした。

両手を顔の前にかざし、

それをひさしにしてただ茫然と浮いていた。

水平線と空の境界がなくなり、

風景も煙ってしまい見えず、

波もその打ちつけによって、

平らになってしまったようだ。

世界は暗く、真っ暗となり、

雨は永遠にこのまま止まないのかも?

とひどく不安になり、

岸の方に向かってパドリングをはじめるが、

こういうときに海面をバシャバシャすると鮫が襲ってくるらしく、

仕方がないので両足をボードの上に乗せ、

瞑想風に目を閉じて、

ただこの豪雨が過ぎてくれること、

いつか止んでくれることを信じ、そして祈っていた。

少しすると、

雨音の向こうからフレちゃんの叫ぶ声が聞こえた。

目を開けると、

雨雲の明るい切れ間が東の向こうに見えてきた。

雨は弱くなっていき、

そして何事もなかったように晴れて、

大きなダブルレインボーを青いそらにかけた。

そう、なにもなかったかのように。

激烈な天気というのをコスタリカで味わったが、

この島も同類項で、

雨や風などには慣れてしまって、

割と悠々としていられるようになった。

けど、今朝の雨はすごかった。

こういうことを

「自然との融合」

などと表現すると聞こえがいいが、

この体験と真実は伝わらない気がする。

こうして強い太陽光線に照らされた瞬間、

あれだけ雨に叩かれた不安や孤独は蒸発してしまうようだ。

このことは生と似ているのだろうか?

もしあなたが今現在しらけた、

またはスランプなる時間をお過ごしなら、

こんな激烈気候なる場所に向けた旅に出ることをお勧めする。

または「ひたすら雨に打たれてみる」

というのもいいのだろう。

大雨が体を通過すると、

あれだけ滞っていた意識が流れはじめたようで、

その雨からの水滴がこころに宿り、輝く。

その輝きを虹に重ね、

生きていることを確かめるように波に乗った。

フレちゃんも同じ気持ちのようで、

お顔がピカリと輝いていた。

何本か乗り、

その清浄なる気持ちのまま上がってくると、

先に上がった○カボンパパ・ジョニーもこんなピカリ笑顔だった。

暑く、先ほどあれだけ降った雨は全て蒸発していて、

大地もこの意識と同様に水分を飛ばしてしまったようだ。

そういえば彼は肋骨を折っているのだが、

特製ギブスを作ったそうで、

「乗らずに見ているだけだったけど、

海はいつでも気持ちいいのだ!」

といつものパパ思考だった。

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少しして上がってきたフレちゃんは闘牛岬の女帝トロにBD3を自慢していて、

ーーこれもいつも見る光景で、

BD3 が彼の人生を変えたようだ。

あんなに雨が降ったのは夢か幻か、

というほど遠い彼方の記憶となってしまった。

トロのスペルを聞くと、

なんとTARO(タロ)で、

英語発音の違いをまた知って愕然としたことも付け加えておく。

Aがなぜ「ォ」に聞こえるのか、

母音重視の日本人にとって、

これはとても不可思議なのだが、

英語ネイティブの人にとって当然なのでしょうね。

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今までのサーフ人生を闘牛岬に捧げていたフレちゃんは、

俺に洗脳されてホワイトハウス人(びと)となりました。

そんな彼の毎日を表現すると、

「Thrill is Back!!」

というエキサイティングなもので、

その意味は

「スリルが戻ってきた!」

というほど激しくなった日々の66才。

5’0″ボードと、

ホワイトハウスの黄金コラボレーションはすばらしいのですよ。

アメリカの人気TV番組

『アメリカンアイドル』

コカコーラが発売された。

TVは一切見ないので何もわからないが、

大人気番組を見れば、

この混沌とした世間がわかるようになるのかもしれない。

そんな皮肉ぽいことを考えるほど、

ホワイトハウスの雨は強烈だった。

american idol coke 9

太郎さん、

このボトルは日本でも売っているのですか?

(追記)

早速コカコーラ社の太郎さんからメールが来て、

「同じ容器が日本でも今月発売されます。

名前はスプラッシュボトルと呼びます。

日本版はワールドカップデザインで、

サッカーボールのデザインと記憶しております」

とありました。

そうだ、ワールドカップなんですね。

楽しみ?。

ホワイトハウス帰りにジェイミー農園に行き、

ズッキーニ、

ビーツ、

ニンジン、

そしてアップルバナナをいただいてきた。

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もちろんここは農薬不使用のオーガニック菜園で、

そうなるとパパイヤまでも巨大化していて、

なるほど農薬が不必要だということがこんなことからもわかる。

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これはリリコイ(スターフルーツ)で、

「花が宇宙的なんだよね」

とジェイミーはしばらく花を探し、

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「あったあった!」

と、

出現した花はやはりフクザツで美しいものだった。

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不思議な日はまだまだ続くのでしょうが、

みなさんはどんな日をお過ごしですか?

「雨が人に大きな意味をもたらす」

ということを知った日であります。

水はやはりすばらしいですね。

とすると、波にも意味があるのでしょう。

すばらしい週末をお続けください。

ALOHA!!