The Mid-length ２＋１/ 6’8″x 19-5/8″ x 2-1/2″
by @hiroyuki_maeda
Nakisurf Original Twin-Fins
Photo by @satoshikanayama
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先日、
サーフィン業界同士の人たちとのパーティがあった。
「次のサーフショップをやるとしたらどんなものを？」
何人かにそう聞かれたので、
「トラディショナル・サーフストア専門店をやりたいです。
具体的にはトム・カレン以降のサーフィンを一切無視するというものです。
JJFもジャック・ロビンソンも出てこない。
イタローもカノアくんも大好きなのだが、
新しいのを求めるとキリがない。
なのでターン系はカレン、
トリム＆グライドはヌイーヴァまでとします」
©Jeff Devine
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ここまで話すと、
ほぼ全員が興味がないようだったので、
話を朗読会のワークショップに持っていき、
「おもしろくない話」
のフェイドアウトをした。
けれどしかし、
会の終わりごろ、
ワイングラスを片手に私のところにやって来た方がいた。
名前をTさんだとおっしゃった。
彼はさきほどフェイドアウトした
『トラッドサーフ専門店の話』をもっと聞きたいようだった。
「ただ…」
「ただ…？」
Tさんは聞こえていますぞと、
私の言葉に疑問符を付けて返してきた。
「（構成が）寄り過ぎることによって、
その時代に忠誠を誓う狂信的な常連客が現れるはずなので、
店はなんとか支えられる程度にはなると思います」
ビジネス話には発展しませんよと、
釘を刺すBメロのコードを披露した。
これだけだと失礼なのでこんなことも付け足した。
「この店主は、
波乗りと買いもの以外はそこで店を開けているので、
キレが良い（年数、年度が正確である。誇張しない）、
古色蒼然とした話が聞けるでしょう。
現代は、
「正論支持者」によって世間を構成しているように見受けられます。
この『正論』はTVやメディアによって、
多数派崇拝の盲目的な思考停止派を日々創りだしているようですね。
これは令和に始まったわけではなく、
昭和、
さらには平安時代の主婦ですら、
「ヤーネ」という同調圧力があったものですぞと、
人間の、
特に女性の習性でもあると、さまざまな文献が残しています」
私はわが仲間を得たりと、
うれしくなったので大げさで自分よがりな論説を立てつつ、
「ワインを取りに行ってきます」
そう言ってブレイクポイントを設けた。
さきほどまでいた場所を見ると、
Tさんはまだそこにいるようだった。
戻った途端にTさんはこう言った。
「コロナやSNSによって、
マスク警察や強制狂たちが出現しました」
「はい」
「その反対側に私たちがいます」
「——」
「なので、逆に私は、
偏執的なサーフィンがより好きになったのです」
「ええ」
「その店は、
“純粋なるサーフィンの歓びを讃えられる”
そんな仲間に会える場所になりそうです」
なるほど、
私たち少数派は抑制されているし禁欲されている。
例えば、
とってもうれしい滑走ができたので嬉々としてサーフするとする。
そしてその数日後には神妙なる電話がかかってきて、
「海で騒いではだめです。みんな怒っています」
仲間だったはずの人に真面目にそう言われてしまう。
「みんな」がよく分からないが、
同調する多数派のことを「みんな」と呼ぶのか、
次のコラムはこのことについて書いてみようかと、
重く、
ぼんやりとした赤ワインの酔いのなかで考えていた。
これが前述したデビッド・ヌイーヴァのウナクネカード（１１）だ。
かっこ内の数字は、
このカードにつけられた番号だ。
０〜３８番までと、
ラッキーカードとハッピー・カードの全４８枚で構成されている。
一桁はシングルと呼ばれ、
いくつかは極めてファナティックな視点が注がれているので、
いまそれらを眺めてみると新鮮に感じる。
ちなみに（８）のハービー・フレッチャーのカードはこれです。
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【巻末リンク：私たちの主義をもっと詳しく】
【巻末リンク＊２：２年前のおもしろくない話】
【サーフィン研究所】光粒に見たのは、広大で強い示唆＿ネコ映画にタイラーとトム・カレンの現況＿ズレがいいのだ＿（１９９９文字）
Happy Surfing and Happy Lifestyles!!
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