Sunrise at The Blue Dragon
October 2022
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華厳さんがご自身の同人誌用にエッセイを書いていた。
校正を承ったので拝読すると、
なんと私たちのことだった。
White Children, Chiba,
Photo by @supertakibishiyasu
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それにしても書評という文体で、
「内部告発」しているのが痛快だ。
このことをここに載せたい、
けれど印刷前でもある。
うーん
どうしよう?
一部だけ?
どう聞こうかと迷っていると、
そのことを察して、
「NAKIくんなら予告編みたいにするから、
編集長もよろこぶと思うし、
なにしろドラグラのさ、
広報部だからそれは真っ当な考えだと思うよ」
華厳さんがそんなことを言ってくれた。
晴れて、
ここに華厳さんのエッセイ前半部分を抜粋する運びとなった。
『ドラゴン・グライド・プロダクションズの内部構造』
華厳旭
ドラゴングライドプロダクションズ(以下DGP)は、
それぞれ独立した物語が、
登場人物が織りなすO.R.(organic relationships=有機的な関係)によって、
ひとつの世界を提示する、という手法がとられている。
by @harryholiday13
Harry Holiday / Harry Daily
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したがって、
どのひとつの短編も全体を構成する緊密なパズルの一片として受け取らなくてはならない。
ひとつの世界とは、
DGPの掲げるメインテーマ
「ハッピーサーフィン」であることは、
いくつかのエピソードを見ると、
すぐに理解できるようになっている。
Rock-Saba号
West-side Tosa
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登場人物はすべてDGPの住人で、
この中にいることを誇らしく思うものや、
または神や王、
そして獣や魚の化身だったりもするが、
すべて個性的なサーファーという共通項がある。
by @harryholiday13
Harry Holiday / Harry Daily
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登場人物たちは普遍から逃れ、
理知的な方法で自己を表現していく。
また、
DGP以外の平凡なサーファーも登場するが、
たいていは無表情の人として描かれていて、
輪郭はおろか、
性別ですらわからないものがほとんどだ。
無表情の人たちは、
さまざまな方法で、
ありきたりのように波に乗る行為をしているが、
実際のところ分厚い殻に包まれているから無表情なのだと、
物語の後半になると理解がはじまる。
そして、
「その自身にかぶせられた厚い殻をいつ取るのか」という選択に迫られる。
多数派と同じボードでいいのか?
という具体の問いかけがあり、
それからは、
波情報が発信するいくつかのこと、
自身が周りのサーファーの意見に囚われていたこと、
メデイアに操作されていたことを恥じるようになる。
Harry Daily at Sunset Cliffs Natural Park
July 2014
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けれど…. 、
(中略)
DGPという物語は、
Fanciful non-fiction(フェンシフル・ノンフィクション=空想的な伝記)という、
かつてなかった文学のジャンルへと推挙しておく。
by @harryholiday13
Harry Holiday / Harry Daily
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【巻末リンク:華厳さん】
【巻末リンク*2:挿画画家ハリーについて】
Happy Surfing and Happy Lifestyles!!
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