新品・中古サーフボード販売、カスタムオーダー、ウェットスーツ、サーフィン用品など。NAKISURFは、プロサーファー、フォトグラファー、サーフライターで知られるNAKIのコンセプトサーフショップです。

naki's blog

【サーフィン研究所:連載】彼女の島-5_(681文字)

【サーフィン研究所:連載】彼女の島-4_(513文字)

〜4号までのあらすじ。

1970年代、

ノースショアに住む主人公は、

タウンに向かう途中で知り合いの美女と会い、

一緒にタウンに行くことになった。  

5.

1964年、

ハワイアン・ミュージックを中心に選曲するKPOIラジオでは、

“アメリカ合衆国は、

煙草は健康にとって有害だという警告を、

パッケージに印刷する決定を連邦商業委員会が発表した” と、

男性のアナウンサーは言った。

ぼくは手をのばし、

ラジオのスイッチをオフにした。

「3年ぶりにばったりと会えるとは」

「うれしいわ」

「ぼくも、うれしい」

「元気そうね」

「とっても元気さ。

きみはいちだんとステキだね。

でもなぜオアフにやってきたんだい」

「オアフの波が乗りたくなったのよ」

「たとえば、どこの?」

「そんなことは何も考えていないの。

いつもと違う波に乗ってみたくなったの」

「カウアイ島以来だね」

「あのときは、とても楽しかったわ」

「さらに波乗りに夢中になったよ」

「私もそうよ。

サーフィンは本当に最高ね」

「最近は特に調子がいいんだ。

良い波が見えるようになってきたんだよ」

「へえ、ステキね」

夏子はいまマウイ島に家を借り、

そこにひとりで住んでいるのだと教えてくれた。

その家はパイアの奥にあるという。

パイアはノースショアでヒッピー・マインドだったり、

アロハ精神をもつ人が多いのよと、

夏子は説明してくれた。

ハワイ諸島でもっとも風が強いとされるホキーパ海岸が近くにあり、

そこから東側の、

渓谷のそばだと夏子は言った。

(6に続く)