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【サーフィン研究所:連載】彼女の島-4_(513文字)

【サーフィン研究所:連載】彼女の島-3_(559文字)

〜3までのあらすじ。

1970年代、

ノースショアに住む主人公は、

タウンに向かう途中、

ハレイヴァで知り合いの美女と会い、

一緒に行くことになった。

4.

雨が降っていたようで、

木々の緑がかがやいていた。

空は水色だが、

ハイウエイの左奥に海岸線に沿ってのびる山なみの重畳は、

その水色の空に淡いコントラストをつけていた。

ツリー・トンネルと呼ばれる樹木のトンネルがある、

そこを通り抜けるとき、

大粒の雫がおちてきて、

ランチェロのフロント・シールドを濡らした。

ステアリングの右にある四角柱の細いバーを下げると、

ウィンドシールド・ワイパーが動き、

水をぬぐった。

左右のワイパー・ブレードが届かないところでは、

水滴はガラスの表面に薄くひきのばされ、

たいていの場合、

その薄い水の膜は横に流れていった。

カメハメハ・ハイウエイではなく、

カウコナフア・ロードを使ったのは、

景色と交通量の少なさという理由に相まって、

ミリラニ・タウンに出られるから迷わずに使った。

ミリラニで軍用のブーツを探そうと思っていたのだが、

夏子にとってはきっと関係がないだろう、

寄ろうか寄るまいかと考えつつ、

ぼくはKPOIのハワイアン・ミュージックのヴォリュームを少しだけ上げた。

(5に続く)