〜6号までのあらすじ。
1970年代、
ノースショアに住む主人公は、
タウンに向かう途中で美女と一緒にタウンに行くことになった。
彼女はマウイ島に住んでいて、
これからワイキキでサーフする約束を取り付けた。
7.
三十分後には、
ぼくたちは、ミリラニ・タウンを抜け、
パール・シティの手前にさしかかっていた。
北側のスロープには、
短いストリートが何本も、
規則的にならんでいる。
西からワイホナ・ストリート、
そしてメインとなるワイマノ・ロードを過ぎたとき、
ぼくにストーリーが浮かんだ。
「いい物語があるんだ」
「どんなもの?」
「サーフィンの話だ。
そのワイキキやノースショアのような強い波、
溶けてしまいそうなほど長く乗れるコスタリカに行ったりするカップルの話さ」
「すてきね」
夏子は、
対向車線のライセンス・プレートを見ていたようで、
「ねえ、P38だって!
まるでルパンみたいな人が運転していたのよ」
そう言いながらくすくす笑った。
(8へ続く)