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【サーフィン研究所連載】銀鯖道の夜 その2_(725文字)

二 青龍波

ジロバンニが學校を出てタマサキ浜に行くと、
同じ組の七八人はエツクスにあるヨオド泉のところに集まつてゐました。

なんでも青龍の、
すごい波に向かつている人がいて見ているらしかつたのです。
その人の顔はなにかほんたうに決心してゐるやうに見えました。
「あれは誰でせうか。」

ジロバンニは女の子にはなしかけました。
「シギパネルラさんよ。
あなたと同じやうに波に乗る人です。」
ルリエルが答へました。

ジロバンニは手を大きく振つてどしどし歸て來ました。
すると町の家々ではキリスト祭りにいちゐの葉の玉をつるしたり、
ひのきの枝にあかりをつけたり、
いろいろ仕度をしてゐるのでした。

ステーシヨン傍の高田屋には鶏ももを賣ふ人たちはきちんと立つてゐました。
それからジロバンニは元氣よく口笛を吹きながらガツツ商店へ寄つて、
卵を一袋買ひますと一目散に走りだしました。

【解説】

ジロバンニの様子が描かれる第2章では、

彼はタマサキでサーフすることが大好きで、

青龍波にパドルアウトする人を見ていたかったけど、

鶏卵を買って帰宅した。

青龍波にパドルアウトしようとしているのが、

第二の主人公シギパネルラです。

ここには書かれていませんが、

ジロバンニには、

総料理長のレシピで、

ニースの郷土料理のLa trouchiaというオムレツを作る予定がありました。

他には、

キリストのお祭=クリスマスなので、

実兄タロウやケントが家にいて、

それからユウトとカリン、

引用文にも登場したルリエルたちが遊びにきます。

青龍波は、

とってもすばらしく、

ものすごい波ですけど、

ジロバンニはサーフすることはできませんでした。

読者のみなさんは、

これを伏線としておぼえておいてください。

(3へ続きます)

文責:華厳旭 D.G.P.