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naki's blog

ハーベストムーンとホワイトハウス波

一昨夜は8月15日(旧暦)、

今日が9月26日。

中秋の名月後の満月でした。

月は好きなので、

中秋の名月関連をいくつかここに挙げてみます。

*この月は北半球では9月の、つまり南半球では3月頃に見える満月頃である。

*欧米では前後2回の満月は狩猟月とされていますが、この満月を「ハーベストムーン」と特別な呼び方をする。

*これは月が明るいため、農民たちが夜間でも働けたから、と由来されている。

*この月に併せて祭りやフェスティバルが世界各国で行われている。

*月のサイクルによって、およそ4年に一回、10月最初の満月となる。

西のソルトポンドに行きました。

時折、

雨が落ちてくる天候だったが、

未明にきれいな名月が姿を現した

ありがたいとその円形を拝んでいると、

下の雲に月光が反射して、うっすらと光彩が出現した。

さらにありがたい。

このハーベスト・ムーンは秋を告げるものだが

、ノースハワイの夏を振り返ると、

南うねりを受けるホワイトハウス(以下、WH)が活躍した年だった。

ここは時には美しく、

時には凶暴で、

楽しく、

夢見がちで、

パーフェクト、

奇天烈、

予想外、

または反省させられ、

そして満足させてくれ、

強く、

やわらかく、

せつなく、

やさしく、

しっかりとしたブレイクで、

人生で世界トップ5、

しかも優勝候補とするリーフ・ブレイクでもあります。

岩盤なので、

スラブとも言います。

以前のようにミニボードで滑るのもユニークかつ、

挑戦的ではあるが、

ここでの王道ボードは細身で長く、

少し厚みのあるガンタイプのボードです。

ピーク上では、

海中深くえぐれる波よりも早く波の中に入ることができる。

これが何を意味するかと言いますと、

傾斜が強くなる前に立ち上がることができる。

つまりあの恐ろしいテイクオフでのワイプアウトが減る。

さらに望むならレイル角度もつく。

この位置でボード角度が付けば、

乗った瞬間にセカンドセクションのために距離を伸ばし

、横の速いラインにのせることも容易となる。

何だか講座みたいな文調になってきましたが、

とにもかくも私所有のWH向きボードはある。

暗がりのホワイトハウス。

岩に注意して登り、

波が来たときに波面に平行に飛び込む。

水が温かい!

先週の湘南より5度は温かいだろうか。

まるでぬるま湯である。

テイクオフすると、

セカンドセクションに進みながら浅いボトムターン。

そのまま引っかけるように波のトップに上がる。

すると、WHの割には緩慢で、

円弧が大きい波面だったので上部から両膝を引きつけながら、

スラッシュ気味に落としながら、

波の下に向かった。

一瞬でレイルが入れ替わり、

ボードは左へと向きを変えて波壁に張り付いていく。

頃合いを見計らって、

レイルへの加重をやめると、

そのまま波のフックの真ん中。

真ん中ということは傾斜がきつくなっている。

その手前でテイル側に体重移動すると、

ボードは減速しながらさらに壁に張り付いた。

減速しきって、

フックに引っかかりつつ、

進行方向に向けて前足を踏みつけた。

すると前方はバレルにはならないボウル状態となっているので、

今度は右肘を壁にトレースし、

リノ・アベリラ風のワイドスタンスで「構え」のポーズ。

「構え」と書いてき気づいたのだが、

波乗りも空手のように『型』を取り入れてみたらどうだろうか?ということ。

『型』をご存じない人に簡単に説明するためにWEBを検索すると、

『空手道大宝鑑』なるものがあった。

これによると

「空手の型は、

攻防武技の連続体である、

昔の拳聖達人が幾星霜、

超人の難行苦行をへて理技両面より基本となるべき妙技を、

統計的に連結させて編み出した臨機応変、

千変万化する理想技である」

さらに

「空手の型は空手の生命であり、
神髄極意を極める最高唯一の道程である。
真剣、気合い、一呼一吸、一投足、
一撃一蹴りの型によって、
無我の境地に入り、
その奧技を極めることはなかなかの事である。
型なくして空手なし
神髄奥技なき空手は単なる体操である」

とあった。

型、ポーズはやはり重要なのだ。

私がもし波乗道なる塾を開いたらパドリング、

テイクオフ、トリム、バレル、ボトムターン、

リッピング、カットバック、

リエントリーと連結する『型』を創り、

さらに歴代のサーファーのスタイル風にヴァージョンを増やしていくことは必至であります。

話は逸れましたが、

ワイドスタンス風ポーズを乗り切り、

ここならではの速いサードセクションに入りました。

ハイスピードをセカンド脱出から保ってきたので、

セカンド、サードの接合付近に上がり、

掘れてきたらミドルを走り、

崩れていくセクションに当て込もうと、

最高速で硬い斜面を滑り降り、

ためすぎないボトムターンのための右レイルを波の下、

ほとんど平らな海面に切れ込ませた。

フィン軸からさらにしなりこみ、

クリッピングポイント(ターンの頂点位置)でリップの位置を確かめ、

そのままボードを解き放つと、

真っ直ぐ狙った場所に放たれていった。

視界を満たしているトップは、

回転運動の開始、

つまり前方に飛び始める。

この飛び始めたリップは、

サーファーにとっては美味であり、

または厄という両刃の剣なのであります。

そのリップを押さえるようにボードはノーズ、

前足、後ろ足と駆け上る。

後ろ足に波からのプッシュを感じた瞬間、

テイルを押しながら左のレイルと入れ替える。

書いているとサーカスのようだが、

長年の反復練習で鍛えられたおかげで体が勝手に反応しているに過ぎない。

そのままリップに乗っかるように波の下に向きを変えて、

ほぼ落ちるような滑降が始まった。

頭をしっかり前方に、

体を小さく、手を開かないようにと3つのことを瞬間的に気をつける。

これも長年培ってきた『型、実技版』の修練の賜であります。

一瞬だが、永い時を感じ、

気がつくと最終セクションの泡の前方で俺はボードに乗って立っていた。

(追記余談)

八法秘剣という忍者技がある。

(軍略、天門・地門、

手裏剣、各種遁法、鈷盤技術、

杖術、棒術、眉尖刀、薙刀術、

六尺棒、槍術、騎射術に、

この忍法独自の小太刀、

太刀の秘剣を加えたもの)

それを受けた私は、

波略、

天門(つまり波予想)、

海底地形、トップターン、

各種遁法(ドルフィンスルーですね)、

右曲、左曲、

加速術、

減速術、

礼儀作法、

法王や総帥、

始皇帝への最高敬語、

タキビ術、

瞬曲術、

波隧道(チューブ)術、

幸笑(にっこにこ)術に加え、

現代波道独自の空滑、

良形乗の秘乗を加えた『新・八法秘乗術』

『ウナクネ秘宝』という着想を得たが、

いつものようにアイディアだけで終わる気がする。

ニール・ヤングのハーベストムーン。


3 thoughts on “ハーベストムーンとホワイトハウス波

  1. Fg

    現在、職場で休憩中なのですがコッソリ携帯でblogを拝見致しました。
    いつもより気持ち長めのインプレ最高です!
    職場なのに海にいるかのようでした!
    ごちそうさまです。(笑)
    昨夜の夜中に僕も我家から画像のような海面に月光たっぷりの月を拝んでおりました。
    ありがたや~ですね(笑)

  2. 5582

    私の波乗りからかけ離れたサーカス的波乗りなので
    理解して、イメージするのに時間がかかりすぎて
    ナキさんにスイマー鈴木大地さんがこられたみたいで(^^;;

    波乗道なる塾、入会希望(*^▽^*)ノ
    「型、ポーズはやはり重要」
    あらゆるものにおいて言えますね!
    書も剣道も華道も茶道も・・・♪

    月光、すてきです。
    この光の下でGREAT NIGHT SURFできますか?

  3. ふなき

    Fgさん、
    携帯で!
    すいません、さぞかし長かったことでしょう。
    職場でも波乗りしている気持ちになってくれたらこちらもうれしいです。

    5582さん、
    月光下で波乗りする句を詠みました。

    漆黒に 虹彩きらめく 夢の波