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naki's blog

究極の波乗りとは?_ハッテラズ_秋桜

波は下がって膝腰。

予想なら頭程度のうねりが三日月湾、そしてソフトサンドに届くはずだった。

仕方がないので、トレーニングと称して闘牛岬で何本か波に乗った。

野球の話で恐縮だが、メジャーリーグのワールドシリーズが始まった。

今年の野球も後4試合、最大7試合で終わる。

見続けていると、シーズン毎に野球の質が進化していることに気づいた。

現在はコンピュータを用いたデータ野球で、相手投手の傾向、打者の好み、または苦手がピンポイントでわかるようなスカウティングレポートが駆使されている。

とするとチャンピオンチームが戦うワールドシリーズは究極の野球であるということになる。

波乗りでは現在ASP/WCTというワールド・チャンピオンシリーズが究極の波乗りであるとされている。

が、しかし一度立ち止まって考えると、おらが街のフレディは65才なのにショートボードで究極の波乗りをする。

ギャベン・ベッシェンはソウルミュージックならぬソウルターンで、俺のこころを打つ。

ドノバンはガレージセールで5ドルで買ったボードで、優雅に波に乗る。

俺もあなたも究極の波乗りをする可能性を秘めているのだから波乗りは面白い。

ちょっと話は逸れるのだが、初心者の頃の話をさせていただきます。

その頃は進行方向に人がいると力が入るのか、視線に誘われるのか、行ってはいけないラインに向いてしまって困っていた。

そして、俺は友人と千葉部原に行った。

波はセットでオーバーヘッド。

メインピークからライトに乗り、最初のセクションを超えると、インサイドの緩いセクションが出現した。

今ならここをカーブさせて、ショアブレイクのヒッティングセクションに備えるのだが、当時は沖のセクションを抜けたことに有頂天になっていた。

そこに人が、なんと恐ろしい進行方向に現れ、その人を避けるために前に出ようとすると、次に岩のボイルが目に入った。

避けなければならない人とボイルの間は約2m。

「よーし」

と思いサーファーの前に出ようとすると、ショアブレイクが近づいてきていきなり掘れてきた。

中途半端なターンになってしまったので、サーファーはまだ目の前にいて、滑走している斜面は掘れ上がってきて、その先は岩。

飛び降りるわけにはいかないので、とにかく岩のボイルを見ると、さらに近づいている。

サーファーも目の前だ。

絶体絶命なのだが、「どうせなら岩に突っ込もう」と決意して、ボイルだけを見た。

すると、レイルターンになったのかどうかはわからぬが、加速して当時あこがれだったチューブの中に一瞬入り、なおかつ岩も消えて、気づいたらショアブレイクの跳ねる白泡の前だった。

この時はその三重苦を一瞬で乗り越え、それは自分にとっての究極の波乗りとなり、いたく感動して、当時あったスティーマーズの最高のランチを食べたのを憶えている。

怖い岩、人、そして強い千葉の波が良い方に作用したライディングだった。

この日を境に俺は少し上達したのです。

話を戻すと、コンテストを見て波乗りを研究していた時期もある。

人のサーフィングは一番のお手本であった。

けれど、野球を見て感動するようにケリー・スレーターのサーフィングを見て感動できなくなってきた。

それは遊びという概念を取り巻く実際的混乱が実在するからに他ならず、と書いたところで学芸員のような文体になったことに気づいた。

平たく言うと、ケリーは俺には上手すぎる。

彼の動きを自分に取り入れようとするが、あれをやるのは毎日6時間サーフし、朝夜にストレッチング、体力作りをして、それからの技術だよ、と知ったかぶりをして逃げる自分がいる。

俺がしたいサーフィングは彼のようにクリティカルではなく、横山泰介さんのようにエレガントで上品なスタイルなのです。

なので、ケリーを見るよりは塀などを利用して、イメージサーフィングをする方が性にあっている。

「夢がある波乗り」

そんな日を夢見て、今日も膝腰波でゆったりサーフしています。

(おまけ)
シエィ・ロペスから「昨日の波だよ」ってすごい東海岸ハッテラズの波写真がメールで届いた。

ビーチブレイクは掘れるだけ掘れていて、すごい日となったそうです。

この波はこっちに来るのかなあ?

これは奄美の名写真家の広子ちゃんが京都で撮った秋桜をいただきました。

秋ですね、

すごく前向きな作品で、さらには昭和の天才、山口百恵さんを想いだしました。

この曲って、さだまさしさんの作詞作曲だったのですね。
知らなかった。


10 thoughts on “究極の波乗りとは?_ハッテラズ_秋桜

  1. Fg

    「夢がある波乗り」
    この言葉にウットリしました。

    しかし、この波はホレホレですねー!
    ビーチとは言え恐ろしやぁ~
    偶然にも、山口百恵さん、僕も最近よく聞いてます。
    時にはウットリ、時には涙しながら・・・。

  2. ふなき

    そうなのです。
    自分の背丈の波乗りで夢を見たいですね。

    本当にホレホレですね。

    百恵さん、すばらしいです。
    うっとりほっこり。

  3. かのきょうこ

    こんにちは
    奄美で2日間くらいグリーンヒルで同じ時に泊まっていたかのきょうこです。(といっても、名前を言わなかったので、わからないと思いますが。
    わたしが、大好きな写真で、今年のthe greenroom festival のポスターでこれを撮った人は、こころが澄んでいるんだろうなぁ~って思っていたら、NAKIさんあなただったんですね!これに気がついたのは2日前で、会った時は、特集の雑誌を見せてもらっても、キレイだ~て思ったけど、あんまりリアクションをオープンに出せずに、すみませんでした・・・。
    このだ~い好きな写真を貼ろうと思ったけど、画像を拡大してプリントアウトしたけど、目が粗くて、だめでした。この写真もらえたら、すっごくうれしいです・・・。
    また、奄美で?お会いできるの、楽しみにしています。リアルビーヴォイスの短パンはちと、控えます。
    (私は、青のボディーボードで、肩くらいの髪の毛です。まじめそうに見えるって言われました。どうだろう?そうかもしれないし、そうじゃないかもしれないし)

    奄美の神様にみてもらったら、”奄美に嫁にいけ~”て言われたけど、信じるような信じないような・・・感じです。
    島豆腐もおいしかったですー。
    それでは、お体に気をつけて、また会えるのを楽しみにしています。(エビ食べれるようになるといいですね。)
    また、奄美行きます。来年のthe greenroom festivalには行きたいと思います。
    島の暮しがあってるといわれました~

  4. no name

    私も自分のサーフィンの方向性について、ちょっと悩んでいます。

    ショップの店長は「まずスラスターのノーマルなショートボードでひととおり技をマスターしてからフィッシュボードなどの他の板に乗るべきだ」と言っており、割とストイックな嗜好を私に勧めてくるのですが、私はもっとエンジョイ嗜好で、レトロフィッシュだって好きだし、エッグボードも好きだし、ロングボードとか色んなボードに乗ってみたいのです。

    テクニックの習得ということを考えるに、「まずはノーマルなショートボードをマスターすべし」という考えについては、船木さんはいかがお考えでしょうか……?

  5. てつ

    こんばんは。

    と一言で言っても、人それぞれ色々なスタイルがあるのですね。レベルに見合った楽しみ方があってしかるべきですね!ドへたくそですが、楽しみます!

    波、ホレ過ぎですね(笑)

  6. ふなき

    恭子さん、わかりますよ。
    加納恭子ってみんな言っていましたから。(笑)
    浜で漢字も教わりましたので憶えています。
    グリーンヒル最高ですよね。
    お母さんとお父さんによろしくお伝え下さい。
    来年のグリーンルームでお会いしましょう!
    コメントありがとうございます。

  7. ふなき

    ノーマルショートボードで一通り技を憶えるのはいいのですが、毎日懸命にサーフして10年はかかると思われます。
    そこまでストイックではない俺は、好きな波を好きなように乗り、好きなボードに乗っています。
    雑誌のHOW TOなんて、「今月のいちばんつまらなかった記事」として投稿していますよ。(笑)

    今日は逆真流(後ろ向き)でいいライドが出来ました。

    「海での遊び」だから行進や組体操、または団体競技でないので好きなように出来るのが波乗りの醍醐味ですよね。

    テクニックを極める人はそうする。

    楽しみを極める人はそうする。

    そんなスタンスで俺は波乗りしています。

    詳しくは「海楽」に書いた特集記事『自由』をお読みになって下さい。

    http://nakisurf.blog.shinobi.jp/Entry/566/

    でも、うれしい質問です。
    迷われているのが伝わってきます。

    のんびりやりましょう!

  8. ふなき

    そうなのです。
    波乗りは個人のものなので、マナーよくやっていればお好きなように楽しめる、というのが魅力です。

    keep going!

  9. no name

    船木さん、嬉しいご回答ありがとうございます。
    おかげさまで少しだけ、迷いが拭えました。
    私は私なりに「楽しんだ者勝ち」なサーフィンを究めたいです。
    逆真流も次回練習してみます(笑)。

  10. ふなき

    ご自分のためにどんどん楽しんでください。
    人のためにボードを選ばないでくださいね。
    乗りたい、乗られたいボード、そして乗りたい波がきっとあるはずです。

    それがサーファーとしてのプライドを確立することになるのでしょうね。