ひさしぶりに見た壮烈な夜明け。
マハラプー岬の後ろに暖色を散らしながら、
それはやがて淡く、薄くなっていった。
帰り路。
こちら側ーーつまりハイヤットの向こうーーには舗装道路というものはない。
今朝もスイレン。
開いたばかりの花びらを厳かに撮ってみました。
この『ハーベスト』を聞いたとき、
俺はメンタワイのボートトリップ中の夜で、
エアコンに凍える(共同部屋なので)小さなベッドの上にいた。
今ノースハワイで聞いてみると、
そのときと同じように“決意に胸ふるわせる自分”が現れたのだ。
I listened to “Harvest” when I was at a Menta-wai boat trip in a tiny bed on a cold night in the A/C and I? now listen to it again in North Hawaii.
It still brings shivers down my spine. It always gets me determined.
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南側の波は、あいかわらず小さいので、
ビーチハウスにCANVASミニノーズライダーを浮かべた。
クリスチャン・ワック自身のブランドだが、
お堅い、いやクラッシックなる紹介文体にするとこんな感じだろうか。
クリスちゃんを敬う、ということが背景になくてはいけません。
「クリスちゃん宮さま加州御成、北布哇の御大典、豪州での大演行幸にわたりまして、
若き熟練の鍛冶屋ライアン・イングル(湯隆)がCANVAS社謹製波乗板を献上。
以来毎年、各地の将軍をはじめ、各家の皆様に御嘉納頂いております」
https://www.nakisurf.com/brand/canvas.html#parachute
これは6’12″であるのだが、
5’0″やビーターちゃんを普段のサーフボードサイズとしている俺にとっては、
これを「ロングボード」だと感じている。
いつだったかロングボード誌の編集長が言った。
「フナキさん、9’0″の長さがないと、ロングとは言わないのですよ」
「誰が決めたのですか?」
「うーん、そういうことみたいです」
「でもぼくはコンテストに出るわけではないので、
自分の中で大きいボードをロングという区分けではいけないのでしょうか?」
「うーん。その通りですよね」
「もっと曖昧でもいい気がします」
「そもそもロング、ショート、
という区分を付けること自体ナンセンスなのかもしれませんね」
「そう思います。“もっと自由に”ですよね」
そんなやりとりをパドルアウトのときに思い出していた。
ビーチハウスの最終セクションは深くなるのだけど、
それまでの速度と、
この浮力をもってすれば、
分厚いうねりと一緒に「終点」まで進んでいくことができる。
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ーー小さい波に意識を合わせただけだが、
ロングに乗って感じたのは、サーフ・ヒューマニストになった気がしたこと。
博愛、平等、人権、尊重、平和、無抵抗主義。
そんな言葉を乗りながら浮かべていた。
俺が上がると、誰もいない海に戻った。
空っぽの海。
週末なのにそれはある意味で不思議ではあります。
この波サイズだと布哇(ハワイ)のサーファーたちは食指を動かさないのか、
それとも闘牛岬が混んでいるのかのいずれであろう。
Mini Noserider 6’12″(7’0″,213.36cm)。
これだけのボードボリューム(体積)があると、
今まで乗れなかったささやかなうねりまでも捉えることができ、
その浮遊感覚の虜になっていく自分がいた。
意志を持って海面を進み、そして波を滑走していく。
俺はまた決意に胸ふるわせながら生きている。
遙か遠くで乗った波、
その夜に聴いた音楽が生涯のメッセージを与えてくれて、
何千夜も経ち、それは同じように波の内側にしたためられていた。
波乗りって、すばらしい。
山側は雨が降ったようで、道路が濡れていた。
それはいつものように極地的なものだったのだろう。
その証拠にビーチ側はずっと快晴だったのだから。
「快晴のこころでありたい」
そんなことを感じた夏の日。
2011年の今日はまた去っていく。
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