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naki's blog

ちょっと短いけど、ロングボードって呼んでもいいですか?_ミニノーズライダー6’12″は波の上の哲学者か_「快晴のこころでありたい」_(1752文字)

ひさしぶりに見た壮烈な夜明け。

マハラプー岬の後ろに暖色を散らしながら、

それはやがて淡く、薄くなっていった。

帰り路。

こちら側ーーつまりハイヤットの向こうーーには舗装道路というものはない。

今朝もスイレン。

開いたばかりの花びらを厳かに撮ってみました。

http://youtu.be/j79wjIB46A0

この『ハーベスト』を聞いたとき、

俺はメンタワイのボートトリップ中の夜で、

エアコンに凍える(共同部屋なので)小さなベッドの上にいた。

今ノースハワイで聞いてみると、

そのときと同じように“決意に胸ふるわせる自分”が現れたのだ。

I listened to “Harvest” when I was at a Menta-wai boat trip in a tiny bed on a cold night in the A/C and I? now listen to it again in North Hawaii.

It still brings shivers down my spine. It always gets me determined.

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南側の波は、あいかわらず小さいので、

ビーチハウスにCANVASミニノーズライダーを浮かべた。

クリスチャン・ワック自身のブランドだが、

お堅い、いやクラッシックなる紹介文体にするとこんな感じだろうか。

クリスちゃんを敬う、ということが背景になくてはいけません。

「クリスちゃん宮さま加州御成、北布哇の御大典、豪州での大演行幸にわたりまして、

若き熟練の鍛冶屋ライアン・イングル(湯隆)がCANVAS社謹製波乗板を献上。

以来毎年、各地の将軍をはじめ、各家の皆様に御嘉納頂いております」

https://www.nakisurf.com/brand/canvas.html#parachute

これは6’12″であるのだが、

5’0″やビーターちゃんを普段のサーフボードサイズとしている俺にとっては、

これを「ロングボード」だと感じている。

いつだったかロングボード誌の編集長が言った。

「フナキさん、9’0″の長さがないと、ロングとは言わないのですよ」

「誰が決めたのですか?」

「うーん、そういうことみたいです」

「でもぼくはコンテストに出るわけではないので、

自分の中で大きいボードをロングという区分けではいけないのでしょうか?」

「うーん。その通りですよね」

「もっと曖昧でもいい気がします」

「そもそもロング、ショート、

という区分を付けること自体ナンセンスなのかもしれませんね」

「そう思います。“もっと自由に”ですよね」

そんなやりとりをパドルアウトのときに思い出していた。

ビーチハウスの最終セクションは深くなるのだけど、

それまでの速度と、

この浮力をもってすれば、

分厚いうねりと一緒に「終点」まで進んでいくことができる。

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ーー小さい波に意識を合わせただけだが、

ロングに乗って感じたのは、サーフ・ヒューマニストになった気がしたこと。

博愛、平等、人権、尊重、平和、無抵抗主義。

そんな言葉を乗りながら浮かべていた。

俺が上がると、誰もいない海に戻った。

空っぽの海。

週末なのにそれはある意味で不思議ではあります。

この波サイズだと布哇(ハワイ)のサーファーたちは食指を動かさないのか、

それとも闘牛岬が混んでいるのかのいずれであろう。

Mini Noserider 6’12″(7’0″,213.36cm)。

これだけのボードボリューム(体積)があると、

今まで乗れなかったささやかなうねりまでも捉えることができ、

その浮遊感覚の虜になっていく自分がいた。

意志を持って海面を進み、そして波を滑走していく。

俺はまた決意に胸ふるわせながら生きている。

遙か遠くで乗った波、

その夜に聴いた音楽が生涯のメッセージを与えてくれて、

何千夜も経ち、それは同じように波の内側にしたためられていた。

波乗りって、すばらしい。

山側は雨が降ったようで、道路が濡れていた。

それはいつものように極地的なものだったのだろう。

その証拠にビーチ側はずっと快晴だったのだから。

「快晴のこころでありたい」

そんなことを感じた夏の日。

2011年の今日はまた去っていく。