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naki's blog

魚の目でのダックダイブ考_NAKISURF流ワックスの塗り方_波乗りは新武道_(2558文字)

おはようございます。

本当に暑いですね。

ただこれは北半球の話でして、

NAKISURFのサイトをディレクションする森田は、

南半球(オーストラリア)に住んでいるので、

「めちゃくちゃ寒いです」

と言うので、地球規模で考えると少し不思議な気持ちになった。

さて、昨日ここにダックダイブの写真を載せたら、

かなり好評で、たくさんのメールをいただいた。

じつは今、NALU誌のHOW TOページの仕込みで、

「沖に出る」

または、

「沖への出方」

をテーマに写真を仕込んでいるのだが、

なかなか興味深い絵が撮れている。

漁師は魚を捕るのだが、

その際には「おお、こんな魚が捕れた」

という日もあるだろう。

俺たち写真家は景を撮るわけで、

今回の撮影はまさに「こんなものが撮れた!」

と少なからず驚いてしまった日である。

ワイプアウトのときに

「(サーファーは)水の中にこんな風に落ちてくるのか」

とか、

「波の下は雲みたいな泡に触れない限り全く平穏である」

ということも知った。

これはノアのダックダイブの瞬間だが、

こうやって、両手とつま先の三点支持で海中にボードを沈めるのです。

逆立ちを途中までする要領で、

ノーズを沈めていき、あるところからつま先を使ってテイルを深く沈め、

そしてノーズ側に押し出すと波の下をくぐることができる。

8フィートのボードまでなら練習すればできるのでお試しください。

タイミングが重要です。

さらにはロングでもクリスちゃんたちは沈めているというので、

これは今度徹底研究したいですね。

さらにダックダイブを詳しく、そしてローリングスルー、

プッシングスルー等の方法はまたここに書きますね。

上の写真で遠くの底に映っているのは魚群で、

トゲが20cm以上もあるウニもたくさんいて、

こんなところで波乗りしていたと知った。

今までは海面だけに集中していたが、

これからは海中のことにも気が入るようになった。

表裏一体ですね。

波乗りというのは、じつにすごい世界なのだと再確認しました。

.

ひさしぶりに良く晴れたので、ボードからワックスを落とした。

新しく塗るときには、

三層のワックスにするのが俺流。

詳しく書きますと、

現在ノースハワイでは『WARM』というグレード(柔らかさ)です。

なのでその下の層に硬いグレードを下地として塗ります。

この場合はボードの上にベースコート、

そしてトロピカルと塗っていき、

最後にウオームとなります。

ワックスは、上に書いたようにそれぞれ柔らかさがありますが、

多くのメーカーが温度表現で仕分けしている。

冷たい順に

COLD

COOL

WARM

TROPICAL

BASECOAT

という具合で、

現在日本の湘南では「TROPICAL」で、最近千葉で起きている冷水渦では「COOL」。

冷水でなければ「WARM」といったところだろう。

千葉の真冬はCOLDとなるが、氷点下日では、

このコールドワックスでさえも固まってしまって使えなくなるので注意が必要だ。

本当なら水温に合わせたワックスだけを一層だけ塗ればいいのだが、

船木はーーフレちゃんもそうだけどーーボードの上にワックスを厚く塗るので、

「一種類だけだと、柔らかすぎてしまう」

のを避けるために三層、または二層としている。

上の表に合わせて、

硬いのを下地に、そして柔らかいのを塗り重ねていくと、

ワックス粒の標高が上がり、

それはじつにすばらしいグリップ力で、ボードと足を密着させてくれるのですよ。

目安は、

波乗りの際に、

つまり海の上でボードについているワックスを指で押してみて、

「柔らかすぎてぬるぬるする」

「硬くてワックス粒をつぶせない」

というのは滑り止めの意味をなさないのでNGです。

波情報に水温が出ているので、

それを目安としてワックス用意して使用するといいでしょう。

塗り込む際はボードは日陰などで冷やし、

ワックスは五分くらい日光か車内等で温めておくと使いやすいですよ。

たかがワックス、されどワックスなのです。

この端麗な夕焼け空は、島西側で撮ったもの。

西側は湿気が少ないので、こんな色になるようだ。

(おまけ)

こちらはCOLEのマネジャー、

ジョン・ロバートソンことROBOが最近凝っているのが写真で、

毎日こうしていろいろが送られてくる。

普通は見られないシェイプ後のボード群。

そしてコールのシェイプ姿。

しかもほぼリアルタイムでiPhoneから送られてきて、

中にはここには載せられない写真もあって、俺はそれらを楽しんでいる。

下の写真はロボのサーフショット。

彼もプロサーファーであって、

以前カリフォルニアとオーストラリアのオールスターチームで、

ボートを借り切って、フィジー諸島を処女波探検をしにいったが、

https://www.nakisurf.com/column/column-02.html

そのときにものすごく名のある人(さて、誰でしょう?)をさしおいて、

一番チューブライドがうまかったのがロボだった。

これはお世辞でもなんでもない。

しかもバレル(チューブ)テクニックを評価するのは簡単で、

どのくらい深く、長く入って、抜けてこられるかでその優越がわかるので、

その中でロボのメイク率、生還率はダントツだったことを思い出した。

俺は波乗りが好きで好きでどうしょうもなく、

サーフボードを扱う業務について毎日をにんまりと過ごしているが、

ロボも同じで、COLE社でものすごい量のボードに触れ、

時間が空けば、全ての時間を波乗りに費やしている日々が続いている。

波乗りというのは、

楽しく、そしてむずかしいものだが、

波に乗れない時間に波乗りのことを考えて行動すると、

技術や精神力が飛躍的に上達していく。

それらは食べものだったり、

歩き方、座り方だったりもする。

そう考えると、古来から『武道』というのが私たちの周りにはあって、

『新武道』としてみると、全てに説明がついた。

とすると、俺たちはさしずめ新武道の剣を扱うビジネスであるのだと感じ、

眉を開いて、もう一度NAKISURFサイト内を見て、納得したり、恥じたりもしている。

そして「波に乗る」という行為はじつに神聖なものだと感じ、

外を見ると、夏の積乱雲の上に真っ青なそらが光っていた。

今日もどうぞすばらしい日になりますように。