サーフボードシェイプは壮大でいて、
孤独な行為だろう。
豊穣なドラマと、些細な集まり。
それら混合をしたためた線がつながり、
開いた円が閉じていく。
大胆に攻める場所があり、
詳細を求める箇所もある。
自称他称数あれど、
この道で長年飯を食べているというのは稀だろう。
サンクレメンテ#1のシェイパーCOLE。
デール・ベルジー、
フィル・エドワーズからつながっている名匠の系譜。
発泡スチロールやウレタンフォームから
「支配的に波に乗ることができる形」を削り出す。
その叡智と技術、
そして夢を入れ込んだサーフボードに乗って、
海原に漕ぎ出し、自分を高める行為。
波乗りまでのストーリー。
昇華までの物語。
一人だけで黄昏の中の海面にいるのは、
瞑想なのか、浄化なのか、
虚無、それとも夢なのか?
We are the champions.
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BLUE誌巻頭コラム脱稿。
林編集長から感想メールがないので、
その出来に怯えている俺がいる。
紙媒体への活字原稿は、こうして不安なときがある。
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