ドノヴァン（Ｄ大先生）がオーストラリアから戻ってきて、

「土曜日ＢＢＱがあるから家においで」

と言われたのだが、どうも知らない人も多そうで、

そんなこと（何人来るの？等）を聞いていたら、

俺の性格をよく知る彼はそれを察したようで、

「いいよいいよ、来週でいいから。

俺はヨコハマまではのんびりしているからいつでもいいから会おうぜ」

と言って彼の未発表曲を送ってきてくれた。

俺はこんな「誰も知らない」ものが大好きで、

その昔は仮面ライダーカードの色合わせが失敗した未裁断シートを印刷工場からもらってきて、

色がずれたライダーや怪人を大事にしていたり、

成人してからは、NIKEエアジョーダン１を

オーシャングライドの元店長ゲルゲさんが履いているのを見て、

そのデザインに感動してアメ横で探して買い求め、

ＡＪ２の発売時（ＮＢＡオールスターゲーム）にハワイで探し出したりして悦に入っていた。

こういうシューズは、

「誰も履いていない」というのがポイントで、

靴の詳しい人に

「うわー２ですね！どこで手に入れたのですか？」

と言われることがやたらうれしかったものだ。

結局このエアジョーダンはその3年後、４で大きなブームとなった。

それまで色々と集めていた靴は売却したり、

弟にあげちゃったりしたけど、

この時の最高値は確か２の白ｘマルーンで、

ドルに換えた時に「集めていてよかった」と思ったものだ。

話は逸れちゃったけど、

そのＤ大先生の未発表曲だが、「なぜアルバムに入れないの？」

というほどすばらしい楽曲で、たまらず彼に電話して聞くと、

「それは次のアルバム用にとってあるんだよ」

と、次はドアーズとジミ・ヘンドリックスのスタジオ・アウトテイク（失敗版）を送ってきてくれた。

これらはどれも途中で演奏が終わっちゃったりしているんだけど、

今は生きていない彼らの息づかいまでが聞こえてくるようだった。

その話をすると、

彼もそんな天才たちの失敗作から得るものは多く、

それは糧となりインスピレーションとなっているそうだ。

こういうことは彼が音楽業界に生きているからで、

これは、

『ビヨンド・ミュージック（音楽を超えて）』

なのだなあ、と感じながらしばらく窓の外を見ていた。

Ｄ大先生が高校生頃のホームビデオを見せてもらったことがあるんだけど、

「ヘイ、マム！ジム・モリソンのアルバムだぜ！」

と彼のお母さんに新しいカセットテープを見せていたことを思いだした。

彼にとっては俺がサーフィンを愛したように人生の、

全ての根底に音楽があって、

それがそのまま今日まで来ているのだろう。

そんな彼が遂にそのジム・モリソンのアウトテイクを手に入れ、

そこに詰まっているさらなる音楽性、

つまり音楽を越えた何かを感じたに違いないのだろう。

俺はというと、

冒頭に掲げた写真を見て、

湘南鎌倉は七里ヶ浜でサーフィンをはじめたとき、

そう25年前を思いだしていた。

波待ちの仕方、

ドルフィンスルーのやり方、

先輩の波乗り、

サーファーならではの車の運転の仕方、

歩き方、

酒の飲み方、等々。

そんな頃のことを思い出し、そして現在の自分を考えてみた。

カリフォルニアに引っ越したのが１５年前、

それからノースハワイ島に越して4年目。

さらには自分のデザインしたボードやウエットスーツ、

アクセサリーが世の中に存在していて、

短い中空カーボンファイバーでここのすばらしい波を滑り、

さらには聞いたことのないような国に行き、

このドノヴァンと旅をして、音楽の話をしている。

こういうことは、

BEYOND SURFING（サーフィンを越えた何か）だなあ、

となんだか不思議な感覚にとらわれた。

「サーフィンを越えて」という感謝の意味を込めてこのロゴを創ってみた。

健康に、波に、虹に、友に、家族に、夢に、世界に、

そして生きていることにありがとう。

と感じていたら大きな大きな虹が出た。

今日もお越しいただき、ありがとうございます。

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