昨夕はなんとなく波の予感がして、イナリーズに行って夕陽波写真を撮ってきた。
南うねり、そして満潮とあいまって、
イナリーズは、強烈な流れが左から右、
そして岸から沖にあった。
沖の浅瀬で、ものすごい波が轟音と共に果てていた。
乗るには危険すぎるため無人で、横風もガンガンに吹いている。
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今回の撮影は、
『記憶に残った2009年夏、大きい南うねりのバックウオッシュに夕陽が透ける波片を撮る』
というやたら長いテーマを持ってやってきた。
まるで大学の学園祭の統一テーマのようであります。
へへー。
とD先輩をマネしながら、
イオス1Dにトキナレンズを装着しまして、
それをデールハウジングにしっかり密封入し、足ヒレだけを付けて海に向かう。
ショアブレイク付近で見る波は圧力がありそうで、腰から胸くらいの水深。
これはなかなか怖いシチュエーションなのだが、
上記に掲げたテーマを決めてここまで来ているので、
理由を見つけて入らないわけにはいかなかった。
(ここまでの文体に「引っかかり」があるが、一体これは誰の文体なのであろうか?と自分で書いていて感じています。余談ですが)
↑この作品のダイメイには、「波の信念に透ける陽の、まだ見ぬ夢の黄金意識」
と付けてみたが、
どうやら大学生だか、他の誰かが俺の中に潜んでいるようで、
今日はこんな言葉ばかり浮かんでは消えている。
「ブログを書くときは意識があっちにいったりこっちにいったりするが、
それをそのまま書き付けることに極意がある」
と最近思うようになってきた。
後で読み返してみると、
今は決してわからないでいる「意識の裏返し」
が自分の文章、または構成から受け取れることになるのです。
さて、波だが写真から見てわかるようにかなりの大きさです。
あまり大きいとリップは透けないのですね。
これはこの後バックウオッシュが入り、
カメラを持っている腕が「十字固め」を受けたように引っ張られた。
と、昨日のプロレス話がここに漂う。
□
陽が落ち、いつものようにそこから3本の波を撮り、
フクロウが飛んできたので、そろそろ上がろうとすると、
このセッションで最大のセットが入った。
それまでのように沖に向かって泳ぎ、波の下に潜ればよかったのだが、
「岸に上がろう」とする意識があって、
陸側に泳いでしまった。
すると、沖への流れに乗った俺はインパクト位置真下に引きこまれ、
下に潜ろうとしても水深が腰程度しかなかった。
「しまった」と思うが、波は1秒後には覆い被さってくるので、
とりあえずカメラをお腹に抱いて、丸まりながら波の下に飛び込んだ。
ズッドーン!!
と轟音がし、肩から海底に叩きつけられた。
すぐに波から外れたようなので、
海底を蹴って海面に出ると、
さらに大きなのが来ていた。
「ドリャ」
と、とりあえずシャッターを波に向かって押して、
一本目と同じように、今度は斜め下に飛び込むが、
結果は変わらず、今度は頭を底に打った。
猛(もう)一本やってきている。
次は「上がるのだから巻かれてしまえ」とあまり潜らずに喰らってみたが、
はじき飛ばされて、腰と肩、頭を打ちながらキャット水中大回転をしている俺。
このときは「まるで拷問だな」などと考える余裕があって、
この一発で岸に近づいたと、安心して海面に出ると、
すごいスピードで沖に引きこまれていく。
さらなる大波が来ていて、
「もう嫌だ」と思いながらさらなる波を喰らう。
今度は一度海面に出て、そのまま吸い込まれたようで、
波の重さは列車が乗っかってきたのか?
というほど重かった。
これも脱出したが、
まだ波がやってきていた。
「カメラさえなければ、もっと岸に近づけるのに」と思うのだが、
ここでカメラを捨てるわけにはいかない。
息も切れてきた。
海が怖い、波が怖い、暗さが怖い、泡が怖い、海底が怖い。
となってきたから、
「爆発ぎりぎりまで潜らずに呼吸を稼ごう」
と突入を遅らせながら、
最後に大きく吸気するときにリップから弾ける水の弾を喰らってしまい、
それを、つまり水を思いきり吸い込んでしまった。
「嗚呼」と自身の失敗を恥じながら波を喰らい、
巻かれているときに我慢できなくなって、
思いきり海底を蹴るが、角度が違うようで、
それでも海中だった。
ここで目を開けるのだが、泡の中なのと、
暗いためか海面方向もわからずに少し漂う。
パニック寸前になって、ようやく足ヒレが海底に触れ、
それで海面方向を知り、思いきり蹴って飛び出すと、
吸い込んだ海水の咳で、息はまだ吸えず。
唯一の救いは、浅瀬のため背が立つので、
次の波が来る間、
なんとかこの状況改善を秒単位で願う。
とうとう咳の真っ最中に波がやって来て、今度はカメラを前に付きだし、
ロケットのように陸側にジャンプして、
ボディサーフのように波のパワーを岸に向かう推進力としてみた火事場のバカ力。
おかげでインパクトから脱出でき、
波を向こうに見ながら空を見上げると、上弦半月が浮いていた。
「あー助かった!
こんな浅瀬でも溺れることもあるのだ」
とまた海の怖さを知る。
「ソウルよりセーフだな」
とこのイナリーズで波作品を残すことは、なかなか手強いと知らしめられた。
連日のホワイトハウス詣でで、体力と、精神に自信が付いてきたところだが、
またイチからやり直しだ、と思いながらまだ陽の余熱が残る砂浜を歩いて帰ってきたのでした。
サビタに着いて、放心していることと、
砂だらけになった口内と体に気づき、
同じく砂だらけになったカメラハウジングに水をかけて、
さらに放心する。
「そうだ、この波を岸から撮っておこう」
と、ジャーナリズムマインドがやってきて、
車からその場所を撮ったのがこれ。
近くで見た波はなんだか怪物みたいだったけど、
こうして写真にしても怪獣みたいです。
流れと、波、そして海をあなどってはいけませんね。
はーぁ。
□
(お知らせ)
旧くからの友人Yさんが、こんなグラスを作ってくれました。
後ろの壁がグリーンなので、それが透けてさらに美しくなった。
うっとりしながらペリエやハイネケンを入れて飲んでいます。
□
明日からハワイはガソリン税制が変わるそうで、
ものすごい値上げとなるそうです。
さらには運転中の携帯使用も禁止(いまさら!?)となるので、
「ハンズフリーのヘッドセットがネセサリー」ということで、
コスコに行ってきました。
たくさんのクリコ夫人を見て、(見るだけ)
日本ではホストクラブ等で株を下げた銘酒「ドン・ペリニオーン」
が2000年のヴィンテージを新発売したようで、それも眺め、
D先輩に読んでいただくと、これは「ドドゲボール」と読むのだなあ、
と5ドルに値下げされた名作DVDもiPhoneカメラでカシャリ↓
売店でアイスを求め、
きんちゃんの親戚筋にあたる(であろう)曽根食堂の存続を確認後、
サビタがさらに錆びて、フォグランプとウインカーが落ちてきたので、
それを釣り糸で補修しました。
□
水曜日は水の日ですが、色々な水があるのだなあ、
と水について考えた日。
今日もいい日にしましょうね!
■
命がけの撮影絵巻、手に汗を握りながら拝見しました。
かなりの回数を海底に打ち付けられたとお見受けしますが、お怪我はございませんか。
カメラを守りながらその状況はかなりな精神力が必要ですね。
自分がその状態でまわりに人がいなかったら確実にパニックでしばらくデカ波は勘弁状態です。
写真を甘く見てました。ごめんなさい。。。。
ごぶさたしておりました。
イオス40Dにトキナーレンズを装着しまして、
真っ赤なデールハウジングで泳いでいる、どんべーです。
千葉や湘南の頭サイズで。。。ビビッっている自分ですが、
ハワイのパワフルな海での撮影は、かなりの精神と体力修行をしていなければできない事でしょう。
さすが!です。
今の自分では、こんなデカいのを泳ぐのは。。。到底無理です。
一度、ワイメアのショアブレイクで泳ぎましたが。。。
同じく、引き波が強く、岸に戻れなくなりまして。。。
ビーチにいるライフガードさんに救助???
そんな事が頭をかすめまして、パニックになりビビリました。
ほんと、海は怖いですよね。
大きな怪我がなくてよかったです。でわでわ。
グラスを使用して頂き光栄です!
以前、船木さんが絶賛していた屋久島に先日行ってきましたが
やはり素晴らしかったですよ!!
長生人さん、
ありがとうございます。
痛いだけで、怪我ではないので大丈夫です。
波はいかがですか?
Junzoさん、
波写真は思っているより大変ですよね。
BD3楽しみですね!
どんべーさん、
メールですばらしい作品の数々を送ってきていただきました。
後日ここで掲載してもよろしいですか?
波を1/1000秒とかで止めてしまうことに波写真の極意がありますが、本当にガラス細工みたいになることがたまりませんね。
どうぞお気を付けて、またよい作品を残してください!
YATAさん、
グラス最高です。
自分で描いた鳥がこうしてグラスにのっかっているのは、たまりません。
もっと飲みますね。
グビー!
屋久島最高ですよね。
波がなくても天国で、
温泉も最高です。
また川の水が飲みたいです。
ありがとうございまーす!
ぜひぜひ!お願い致します。
どんべーさん、
了解しました。
ブログリンクもありがとうございました!
これからもよろしくお願いします。