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【特別企画】波乗りのジャンルから見る浮力主体主義の考察と一覧_(2235文字)

 

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Carson Wach

DCIM100GOPROG0143144.

波情報がマルを付けると…。

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そして波情報がサンカクとなるとこうなる典型です。

ちなみに同日同時刻です。

こんにちは、関東地方は雨です。

いかがお過ごしですか?

昨日サーフ系の人たちの数多くのミーティングがあって、

そのときに気づいたのが、

この10年間くらいでサーフィングが多様化しているということ。

昔は、サーフィンと言葉の前に付けば興味を持っていたのだが、

最近は自分のジャンルに一途である。

例えばウインドサーフィン、スタンドアップサーフィンは、

これらは自分がやりたい、または興味を持っているものではない。

波に乗るサーフィング。

昔は技の角度やそのキレ、角度、アプローチの方法、

連続性や回数だけを考えて波乗りしていたが、

この方向性だと、すぐに若い世代の台頭に悩まされ、

自信喪失したり、燃え尽きる症候群となりやすいことがわかった。

で、サーフィン歴ほぼ毎日32年を自称する私は、

いまはオルタナティヴサーフに夢中で、

さらにその分流であるウナクネ系に魅せられている。

この分流はジャンルと言うこともできる。

音楽に例えるとわかりやすい。

私はロックファンで、他にはジャズ、フォーク、カントリー、

ブルース、クラシック等の嗜好軸があり、そこからの支流も好きである。

例えば、

先月ジョシュアツリーのライブに行った総帥バンド

“トゥモローズ・チューリップス+キムゴードン”はノイズロック系だが、

ロックの潮流と広義で考えると、嫌いではないカテゴリーとなる。

波乗りもそうなのではないだろうか?

メインストリームがあって、オルタナティヴ。

メインの大概、つまりコンテストサーフィングの基準は、

フィギュアスケートや体操のようなもので、

技術的要素、難易度と完成度が高ければ優位となる。

だが、

オルタナティヴサーフ系では、

多種多様な支流、分派、枝分かれが見られる。

例えばレトロ、クラシック系というのは、波乗史を重要視したものだ。

ノーズライドはもちろん、ハーフターンという脱力系なものが多いので、

これは初心者にも目指しやすいと思える。

他には過浮力ボードで、あえてテイルを踏み込みラディカルな力技、

アクロバット系の技を繰り出すという難易度の高いものが好まれる。

最近躍進しているデウスやドノバンはこのハードコア系に属している。

そしてRVCAやNAKISURFが掲げるウナクネ系。

タイラー・ウオーレンやクリスチャン・ワックが目指すどのボードでも乗れる究極系。

さらには思想に宇宙や瞑想という要素をたっぷりと含んだフィッシュゴッド系。

または自由な自家製スタイルも受け入れられるのがこのオルタナ属。

このジャンルだけでこれだけ多様なのだから、

ありとあらゆるサーフィンがあるはずなのに、

実際にはメインストリーム系のジャンルは少ないように思える。

無理に絞り出してサーフトリップ、ビッグウエーブ系がある程度だろうか。

なぜなのかはおわかりの通り、

メディア、商品マーケティングやプロモーション等により、

操作性が高い代わりに浮力が少ないボードでのサーフィンがメインストリームの定義であり、

それは均一的なボードでの波乗りがメインストリームということになっている。

定番であるボトムターン、オフザリップの連続はいいのだが、

これだけ上手なサーファーが増えると、

ターンの大量生産のようで味がないというか、

個性を失いつつあるように思える。

浮力がないボードは、一般サーファーにしてみたら

「波に乗れない」

「または波に乗るのがむずかしい」

そう断言できる。

日本ではショートボードの流行と共に

ーー30年も前から「波に乗る」という起点を考えずに、

小さなボードでサーフするというのが一般的になった。

結果、

「乗れるようになるまでは1年かかる」

「あんなむずかしいものはない」

そういう噂を呼んでいるのだと思う。

実際私も波乗りを勧めた人からそう返事が返ってきたことも多い。

浮力があるボード、

例えば8フィート以上のエッグシェイプ等に乗れば、

またはロングボード(9フィート以上のサイズを指す)で、

波が小さければその日に、

岸で指導を受けたら一本目から立ち上がって波に乗ることだって可能となる。

まずは波に乗りましょう。

波に乗れずにめげたサーファーは世界で何万人もいるのだろう。

話を戻すと、

その浮力が少ないボードに乗っているサーファーは、

操作性とダックダイブしやすいということだけで選んでいるのもあるだろう。

操作性と書いたが、

これは逆を言うと

『浮力がないボードでないとターンができない』

ささやかな力で操作しないと波に乗れないという表れで、

切れ込み過ぎる傾向を「キレがある」と思い込んでいる人も多いのだろう。

私も例に漏れず、最初からこの類のサーファーであり、

そしてその中での競争をしていた。

このボード浮力とサーファーの競合についてトピックを思いついたので、

それは今度の機会に書いてみます。

まとめると、聴かない音楽ジャンルも受け入れる人。

または聴きたいジャンルのものだけ聴く人。

そう考えると波乗りもジャンルに分かれてくると思える。

波に乗るための答えはないのだが、

元々アウトローであるはずのサーファーが、

均一的なボードやその技能に執着するのは皮肉であるといえる。

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サーフボードのスタイルがサーフィングスタイルとなり、

サーフィングスタイルがライフスタイルとなる。

選択肢は自由で、それらを組み合わせるのも自分次第であります。