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【テクニック編】初心者_サーフスポットにおいてのサーフィンの取り組み方_(2922文字)

こんにちは、

週末がやってきました。

私は仕事柄、週末ということでお休みをしていないのだが、

ベンダー(取引先)や公共機関が閉まるので、内向的な作業を週末にしている。

写真の整理とか、絵を描いたり、

シェイプしたり、本を読んだり、文章を書いたりと、

こうして書いてみると週末は週末で忙しいことがわかった。

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前々からの依頼があったので、

今日は初心者の人にサーフクリニックをしていた。

そのときに気づいたことがあったのでここに共有します。

突然【テクニック編】です。

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1.波に乗ること

とても大事なことです。

ただ、ほとんどの人が沖に出たときに

「たまにしかこない波」を待つラインまで出てしまう。

これを説明すると、「セットの波だけを待つ」ということになります。

そうなると、10分に一度程度のたった2〜3本の波を待つこととなる。

さらには他のサーファーとの兼ね合いもあるので、

2度のセット機会に1本乗れたら中級者でしょう。

きっと初心者でしたらセット3〜4回の機会に一度程度、

波に乗ることができる周期でしょうか。

とすると、30〜40分に一度だけ波に乗る頻度となり、

2時間サーフして、3〜4本だけしか波に乗ることができない計算となります。

「いや、自分は一回に6時間サーフするので9〜12本は乗っています」

こんな反論を受けるでしょうが、このことは後(*)で書きます。

次に、

2.波に長く乗ること

初心者のサーファーたちを見ていると、

初めてサーフ日は長く波に乗ろうとしていたのに、

少しすると、

イ. 泡になったり、少しでも危機となると波から降りてしまう、

ロ. 波に乗っていられなくなる

ハ. 距離を乗りたくないようで止めてしまう

このイロハのどれかに当てはまるようにライディング距離がとても短いです。

「上手になりたい」と口では言っているのに、これでは上手くなるわけがありません。

しかも(1)で書いたように、波に乗る機会がとても少なく、

波に乗る距離が短くては、上達するわけはありません。

3.パドリングは(波乗りで)一番大切だ

これは広く知られたことです。

私がサーフィングを教えるときは、もちろんパドリング重視なので必ず動作を確認します。

じつはパドリングは、指導時間の80%程度を割きたい。

ただ、パドリングはつまらない上に疲れるし、地味なので、

そうやって教えてしまうと「先生が悪い」とか、

「上達した感がない」という感想を持たれてしまう。

なので封印しているのです。

さて、この(3)でお伝えしたいのは、

「長く波に乗ると、何が起きるか」ということです。

そうです。

パドリング距離が増えます。

千葉の防波堤の上で初心者、中級者のライディングを見学しているとき、

そして生徒に教えたときに確認してみると、ライディング平均距離が3m程度。

せいぜい5m。

とすると、2時間で15m〜20mしかパドルバックしていないことになります。

最初に沖に出るのに20m、波に乗るのに2m(上級者は5m以上漕ぎます)。

合計すると、2時間で

20+20+(2x4)=48mしかパドリングしていない事実に気づくでしょう。

私は通常60分程度しか波乗りしません。

この20mの波は千葉北のノースタイガー(北東浪見)を想定しています。

沖からフィンが砂に付くまでは乗り、1時間で6本以上は乗ります。

1本につき20m。

テイクオフの際のパドリングを5m加算して25mx6=150m

とすると、20+150+=170mは最低でもパドリングに費やしています。

しかも深く強く、大波日を想定しているので、60分でもひどく疲れます。

ワンセッションで150mのパドリング。

週に一回、月に4回でもたった600m。

サーフィングが上達したいのでしたら、

パドリング距離をさらに増やすべきだと思います。

セッション終了時に30分かけて400m距離を往復して800m。

それを月に4回。3200m+600m=3800m

【まとめ】

1.人が待っているラインよりも遙か岸側で波を待とう。

こうすることによって、波に乗れる回数が増えます。

崩れた波泡も来るので、ボードを押さえたりという「取り回し」も学べます。

もしそこがポイントブレイク等で他サーファーの邪魔になるようでしたら、

インサイドの最終セクションを探してそこで乗りましょう。

ビーチブレイクであまりにも人が来て危険な場所ではサーフしないようにしてください。

そこはきっと駐車場が近いか、波情報の冠となっていたり、

なぜかそこにみんなが集まっているブレイクなのでしょう。

少し横にずれるだけでたいてい空きます。

2.長く波に乗るための意識を強く持って、少しくらい失速したり、

ボード角度がついてもボードを掴むなりしてあきらめないこと。

小波で距離が出ないのは、ボードの浮力が足りないからなので、

レンタルでもいいので大きめなボードでやってみましょう。

3.意識的にパドリングを多く、強く、腕を深く入れて長くすること。

スポーツ選手が走ったりするように、

パドリングは移動する、または波に乗る手段です。

上記したようにとても重要です。

強いパドリング距離を伸ばすだけでサーフィングが今までの10倍のスピードで上達します。

やってみると、地道でかなり疲れますが、どんなものでも重要なパートは辛いものです。

根性と熱意が重要なんですよ。

*時間について

長い時間海に入ることによって精神的満足を得ることができますが、

強制的に短いセッション時間と設定してみてはいかがでしょうか?

例えば30分経ったら一度砂浜に上がり、

波の変化を確認し、海に発生する流れを学び、

他のサーファーを見学し、

ターンのポーズを確認したりすることでセッションが結実します。

それでまた小分けセッションとして入れば、

同じ2時間でも4度分の上達効果を生み、

さらには海のことを多く知ることができます。

これこそが重要です。

NGなのは、人より沖に出て、ずっと来ない波を待っていることです。

これでは得るものはとても少ないです。

時間の経過だけを待っているような感じでしょうか。

(おまけ)

これは1980年代の話です。

[COLORSマガジンのヨゲさんと茅ヶ崎舟小屋前で]

「あの蛍光色のラッシュガードの人さ、波に乗ったの見たことある?」

「いえ、ありません」

「いつも沖にいるよね」

「はい、でもパドリングは初心者そのものです」

「でも10年ここでサーフしていて、俺こそがローカルだって言ってるよ」

「はい、ぼくたちにも先輩顔しますが、誰も相手にしていません」

「不思議な人がいるね」

「はい、波乗りではなく“波待ちローカル”ですね」

その人はどこに行ってしまったのかわからないが、

あのディスコキングみたいなヒョウ柄蛍光色のSHADE’Sファッションだけが目に焼き付いている。

(オマケ)

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将棋陣形で、いまだ誰も作っていないのを考案している。

これこそが必勝型。(笑)

相手がICなのでこういうことができる時代なのです。

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マーク・ゴンザレスみたいな絵を描こうと思って、

まずはペンの写真を撮ってみた。

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新オフィスからの夜明けは美しい。

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そして今週末はロスアンジェルスにおります。

ハッピー・ウイークエンド!