週末に行ったサーフトリップは、
またもたっぷりの波に当たった。
初日の土曜日は、
リンコン方面に行く予定だったが、
嵐のような風にも関わらず、
波予想の喧伝で信じられないほどの数のサーファーが入っていると聞き、
消沈しながら「とりあえず波を見よう」とベンチュラに行くと、
なんとメインブレイクのカリフォルニア(C)・ストリートが無人だった。
「誰も入っていないCストリートでサーフする」
という貴重なる体験ができた。
ここはベンチュラ市のほぼ中心に位置し、
さらには巨大な無料駐車場完備なので、
常にサーファーが入っているポイントブレイク。
週末の波があるときにこんなことになるとは、
夢にも見たことがないほど珍しい。
アウトサイドがマッシュバーガーと評価されたほど緩い斜面だが、
そこから200mほどインサイドまで乗ってくると、
ピアに向かって突然斜面は切り立っていく。
悪くないセットアップだが、
ひとたびインサイドまで乗ってしまうと、
30分以上もパドルして戻らなくてはならないのが辛かった。
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これは昨日の朝。
リンコンを南に、岬をふたつ越えたところで見つけた特上波。
こちらも無人でありました。
Nation Sonic Boom 5’4″
見た目は恐ろしいが、
かなり良い波だったのが海賊岬。
満潮から少し潮が下げるのを待っていたのだが、
昨日書いたようにセイジさんの
「満潮のおかげか、ほぼ無人です」
そのSMSを見て、
「リンコンが無人!?」
叫ぶように向かった。
さて、そんな紆余曲折を経て到着したのがリンコン岬。
「西海岸の女王」と称される
切り立った斜面が長く続くポイントブレイク。
Nation Dream Crusher 5’9″
ライアン・イングルが、
自分用に造ったドリームクラッシャーで、
この夢斜面を駈ける至福。
インサイドは速いような遅いような、
そんなすこしワケアリセクションを右に左に。
ちなみにかなり渦浮力です。
パドル距離がやたらとあるので、
浮力がとてもありがたかった。
「ほぼ無人」とは言っても、
沖のリバーマウスや岬ピークには多くのサーファーが入っていたが、
私たちのいたベイ(インサイド)は満潮時無人で、
帰る頃(午後3時)になると、
干潮に向かっているのですでに100人くらい入っていた。
全員が6時間ものマンライタイムを満喫し、
坂を登り始めると、北東オンショアが吹いてきた。
「ちょうどNAKIさんが上がった瞬間に悪い風が強く吹いてきました。
まるでサーフゴッドのようです」
Kaiくんにそう持ち上げられて、
「いやいやー偶然偶然」と返したが、
こういうことってなぜか、やたらとうれしいのであります。
そのカイ小坂くんは、
兵庫県出身で、
ロング(ログ)ボードオンリーの人生だったが、
「目標は、小さなフィッシュに乗れるようになりたいです」
真剣な顔でそう言うので、
私がお手伝いをして鬼コーチをすることになった。
で、その7日目には、
5’9″のドリームクラッシャーに乗れるようになってしまった。
これがその証拠&感動動画であります。
「テイクオフは、もっとノーズを押しつけて」
「(立っている姿勢が伸びないように)体を小さくたたんで」
「ノーズを海面に刺さるほど下げ、腰から胸を反らして全力で深くパドリング」
こんな難題に立ち向かった結果だと思います。
ようやくフィッシュ入り口のドアがわかったと思うので、
このクネクネ世界をたっぷりと楽しんでください。
(こぼれ話)
オクスナードの歴史的なボウリング場が更地になってしまっていた。
去年来たときは普通に建っていたのに儚(はか)ないものだ。
こうして乗った美しい波もいつかはなくなってしまうのだろうか。
赤いエリアが今回私たちの乗ったインサイド(ベイ)。
良い日は沖からつながるそうで、
そうなると、
永遠の波に乗っているような感覚になるのだろう。
乗ったら砂浜を使ってラインナップに戻っていく世界的ブレイクです。
みなさんもいつかぜひ。
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