Nation The Pink Champagne on Ice 6’11” (single fin)
私はさまざまなボードに乗っている。
それは32年間続いているテストライダー
(役割と仕事)ということもあるので、
メーカーからボードが貸し出しされたり、
雑誌社から、メディア、
自分で所有したもの、
または友人と交換することを頻繁にしているからだと思う。
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前回までの3回は、
[さまざまなボードの乗り方]
[シングルフィンの世界]
[ミニボード依存]
そんなテーマで多様なサーフボードに迫りました。
今日はまとめとして[追加編]としました。
Brian Bent’s “The Box” 1940 style 11″
良く聞くのが、
「(私は)なんでも乗れるから言っていることは当てにならない」(笑)
じつはこれは逆なのです。
何でも乗れるからこそ、
そのフィン大きさや角度、コンケイブの深さや位置、
さらにはテイル形状とウイング等が瞬時にわかる。
車にもテストドライバーという職業があり、
各メーカーは選りすぐりのドライバーを集め、
プロトモデルに試乗し、
完成までに多くの意見を収集したりしている。
サーフボードも同じ。
プロトモデルが完成し、
それらに乗ってみて気に入ると、
「コンケイブが深くて引っかかります」
「スタンス位置が広く取りすぎているかも」
「エントリーロッカーがありすぎて、テイクオフが遅い」
「ターンが硬い」
「レイルが波面を弾きすぎる」
「最速でターンをすると、テイルが抜ける」
「面が悪いと失速度が高い」
エトセトラエトセトラ。
そんなことを各シェイパーに伝えていきます。
逆に良くないデザインだと、
「まあ、いんじゃない」
そんな感じで、
こちらの要望は伝えない代わりに、
モデルとしての製作は関与しません。
Nation The Pink Champagne on Ice 6’1″ (single fin)
私のサーフスタイルは少し独特で、
ゆったりを基調として、
右のターン、そして左のターンと切り出していく。
ワイプアウトを好まないのはみなさんと一緒ですが、
できたら「全くしない」ということを目指して波に乗ります。
なので、深いターン、強いターン。
反対に浅いターン、弱いターン。
それらの量によってボードがどのように挙動するか、
そんなことを敏感に感じている。
なので、弱いターンも深いターンと同様に重要視しているので、
強いターンだけのトッププロよりもテストライダーとして適していると思える。
もちろん好きなボード、そうでないボードといろいろありますが、
実際は「好き=良い」ということにはあてはまらない。
良く乗っているボードは車に積みっぱなしになってることが多く、
反対にあまり乗っていないボードは、
単に倉庫から出して、
車に積むのが面倒だったりしているだけなので、
「私がいつも乗っていないから良くないだろう」
そうは断定できない。
naki’s Twin “Soaring Wing” 5’3.5″
これは自分でシェイプするようになって出現した駄作ボード。
その理由は、チャンネルにあると思う。
ボトムチャンネル(溝)をテイルに向けて加速度的に絞ってしまったために、
圧倒的な水流がテイルエンドのみに流れてしまい、
結果、波のコブの上を走ったときに大失速するというボードとなった。
無風グラッシーだと、
これほどまでに速いボードはないのだが、
オンショア、サイドウインドだと、
テイクオフするのが恐ろしいほど、その欠点の牙が出る。
サーフボードのむずかしさを思い知ったフィッシュデザインとなった。
ただ、現在私は樹脂でそのチャンネルをノックダウン、
つまり埋めているので、埋めた後の効果は、
また後日乗ってみてからここにお伝えします。
Cole Lightning Kicker
5’7″ x 19″ x 2-1/4″
COLEがいたおかげで、
世界最高峰のショートボードに乗る機会に恵まれ、
テストライダーとしての私も成長できたと思う。
Nation Log 9’11”
ログは、まだまだクリスチャン・ワックや
タイラー・ウオーレンのように乗りこなせていないが、
(当たり前です)
いつかそのうち。
逆に加齢してきて、
こんな浮力がありがたくなってくるわけだから、
新しい世界として取っておいたような気になってきた。
Canvas(現NATION)Mini Noserider Type-ll 5’6″
Canvas(現NATION)Racecar 6’8″
制作者不明のシングルフィン
naki’s 6 channel
Tyler Warren’s Tracker 7’4″ (@theycallmedama)
Canvas(現NATION)Test Model 6’2″
NATION Sonic Boom 5’4″
Chiba North Tiger
NATION Sonic Boom 5’4″
Rocky Shore, California
NATION Dream Crusher 5’9″ (Ryan Engle’s)
NATION Dream Crusher 5’4″
Catch Surf Skipper Fish 6’6″
Photo by Yasuma Miura
Catch Surf Odysea log 8′
Photo by Yasuma Miura
Classic Twin and
Old Cole “Cannon Ball”
The Original Bonzer and Original San Diego Fish
at Surfing Heritage
で、サーフボードのことを伝えようとしてわかったのは、
長期間波乗りを続けていくことが最も重要だということ。
そのエッセンスというか、
自身が生きていくエネルギーのために食事というのものがあります。
サーフィングで、
その役割はサーフボードや波だと気付いた2016年。
ワイプアウトをしなければ怪我をしない。
そんなことも私がこうして毎日サーフできる結果なのかもしれません。
「ほぼ毎日」サーフして、33年目に入りました。
私が伝える波乗り、
いつもこうして読んでいただいてありがとうございました。
明日からもどうぞよろしくお願いします。
Keep on happy surfing!!
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