以前ここに書いたことがあるが、
私は無宗教であります。
だた、両親の教えを基調として、
自分なりの宗教観を持っている。
他の宗教の良いところを受けて今を生きるのは、
多くの日本の人たちと同様だと思う。
仏教には、
50歳を越えた今を生きるための指針が多く、
その中に涅槃寂静 (ねはんじゃくじょう)という言葉があった。
これは、
「煩悩の炎の吹き消された悟りの世界(涅槃)は、
静やかな安らぎの境地(寂静)である」
ということを伝えているという。
もっと読んでいくと、
「無常の真実に目覚めないもの、
無我の事実を知らないで自己をつかまえ刹那を追い求めている生活も、
無常や無我を身にしみて知りながら、
それを知ることによってかえってよりどころを失う。
よりどころとしての常住や
自我を追い求めて苦悩している生活はいずれも煩悩による苦の生活である。
それを克服して、いっさいの差別(しゃべつ)と対立の底に、
いっさいが本来平等である事実を自覚することのできる境地、
それこそ悟りであるというのが、涅槃寂静印の示すものである」
この文章はむずかしく、
ここからこの涅槃寂静のことは完全にはわからないが、
波乗りに置きかえてみると、ちょっぴり感ずるものがある。
「自我を追い求めない波乗り」
「無常と無我の真実と事実を知るべきである」
そうでないと、これらが私を苦悩させるであろう。
そんなことが書いてあるように思えてきた。
昨日も書いたが、
かつ禅師が、
日本の渋谷/鵠沼というヒップな場所からサンクレメンテに来られた。
キャッチサーフの国際ミーティングに参加くださって、
その翌日、波乗りに行かれたいということなので、
禅師たちがお泊まりのヒップなノマズホテルにお迎えに行く。
波乗り前の朝食にヒップなアサイーボウルを食べて、
活力をみなぎらせながら、
波乗りをするスポットについてご意見を伺った。
「ローワーズはどうですか?
ここには有名なTストリートもあります」
禅師は首を横に振るばかりである。
日本から来るサーファーは、
ほぼもれなく有名ブレイクが好きなので、
「パイプライン」
「タバルア」
「ローワーズ(トレッスルズ)」
「リンコン」
そんなことに激しく反応させてきた。
あの朴訥なツナくんでさえもローワーズと聞くと、
平静ではいられなくなるほどで、
有名ブレイクにはそんなブランド力があることを知っていた。
(銀座のブランド店に観光バスでやってくる中国人と似ているのかも)
私はカツ禅師の仕事柄、
コンスーマーの心をつかんでいると知っていたので、
これは少し意外であった。
良く考えると、彼は『禅師』の称号を受けるだけあって、
煩悩による苦の世界を知っているのだろう。
この場合の苦の世界というのは、
混雑して波に乗れない状態のことですね。
ちなみにここはローワーズです。
煩悩の炎が大火(たいか)となって燃えさかっているように見える。
禅師に聞いてみると、
最近は混んでいるところばかりでサーフしているという。
さらには、
「心を清めるサーフがしたい」
そうご所望されるので、
迷わずフォードアーズにお連れすることになった。
偶然だが、
サンオノフレ全ての駐車場が閉鎖していて、
日曜日だというのに全くの無人であった。
駐車場係のリチャードによると、
下の舗装駐車場なら駐めてもよろしいとのことで、
そこに駐めて歩いて降りていったのが冒頭の写真であります。
カツ禅師。
彼の禅法は、
段階的に悟りを進める「俺のウナクネ方式」であり、
直下弟子マーちゃんの「インテリ思想」と対極を為した。
あの大井町の夜に話した
「俺の波乗り」を現実にして、
さらなる悟りをひらいたかつ禅師。
その夜のポストはこちらです↓↓
夜の便で兵庫県に帰ってしまうカイ小坂くん。
サーフィンの歴史で重要視されるオリジナルボンザーを乗って、
ご満悦の一枚。
いろいろとありがとう。
動画を撮ってくれたり、お世話になりました。
明日からノースハワイ島に引っ越してしまうキャメロン・ブラウン。
このブログでは、亀論(かめろん)老師として登場いただいていたが、
次回はノアたちと一緒に登場することになるだろう。
そんなみんなとのお別れのセッションでもありました。
Canvasがなくなり、
キャメロンが引っ越していく新年。
そしてカイくんも。
去りゆくもの、そしてやってくるもの。
人生とはこうしたものです。
さよならキャメロン、カイ小坂。
ありがとう涅槃寂静。
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コールの前を通ると、人の気配がする。
亡霊かもしれないと入ってみると、
いましたいました、シェイプをしていました。
「今週は2本削りました」
ということで、
体力もずいぶん戻ってきたように思えます。
彼へのクリスマスプレゼントとして持っていた
『Dream Ride T』
(NAKISURFアパレル・プレミアム)
の特製サイズを無事に渡すことができました。
彼はクリスマス時期にとてもめずらしいデザインのボードを発見したそうで、
その彩色方法を解き明かしているのだそうです。
少しずつですが元気になっていて、安心しました。
コールにとっても佳い年になりますように。
□
閑話。
ここでよく出てくるインスタグラム。
元々はUSA発なので、
私ももれなくやっているが、
カツ禅師によると、
「日本では、
(インスタグラムを)やってないと話になりません」
そんなことで、
彼の(@nakamurakatsuhiko)ポストをのぞくと、
ハッシュタグの雨嵐。
なんでもこれが日本の流行なのだそうで、
アメリカとの違いを思い知った。
で、こちらの情報としては、
キャッチサーフがワールド・ソフトボード・リーグを発足していたそうで、
ジャッジのジェイミー・オブライエンとカラニ・ロブによる選出で、
エズラ・シットが1000ドルを獲得していた。
「ソフトボードによるソフトな波」
そんなジャンルがあるのなら、私も参加してみたい。
あ、これも煩悩か。(笑)
そのJOBこと、
ジェイミー・オブライエンは子分のプーピーを連れて、
カヤックからのボードトランスファーを決行していた。
しかもウエスト・サンセット。
ものすごい水の量とパワーのある場所なので、
プーピーのゆがんだ顔が想像できる。
ちなみに昨日はワイメアでタンデムしていて、
その模様の動画は、
私のインスタグラムにポストしてあります。
@nakisurf
photo by Yasuma Miura
ユル系で柔らかい、
キャッチサーフがあってこそのJOBたちとなりますね。
さて、そのインスタグラムで、
フランス語(めちゃくちゃだが)でポストしたら
フランスのサーファー(きっと少年)からダイレクトメッセージをいただいた。
彼は、フランスのここで毎日サーフしているという。
その昔、文通というものがありましたが、
こうして広い世界が、
瞬時につながっているというのが現在なんですね。
スゴイ時代です。
すっかり長くなりました。
今日はここまでとします。
最後まで、ありがとうございました。
明日またよろしくお願いします。
こちらの波は上がってきました。
Have a great day!!
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