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naki's blog

エルニーニョによる大波_ピアヒ・ジョーズでの伝説ストーリー_(1592文字)

エルニーニョ。

北半球はやたら波がある冬です。

今週からまた大波がハワイとカリフォルニアにやってくるそうで、

ビッグウエーバーは狂喜し、または畏怖していて、

大波に乗らない私は、

またあの良いミドルスが乗れるかもと、ワクワクしている。

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Photo by Yasunari Inoue

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Nation 6’11” Single Fin

The Pink Champagne On Ice.

大きめのボードのあり余るほどの良さは、

ここに書き続けているが、

一番の魅力はそのスピードであろう。

ショートボードとの対比を考えていて、

「これを何かに例えたい」

そう思案していたら、良い例えが見つかった。

それはオートバイ、そうモーターサイクルです。

ショートボードを50cc、または125ccとして、

その取り回しの良さと、アクセレーションの軽さとすると、

ミッドレングスは250cc, 400、

またはもっと大きなものにもなる。

重く、速い。

慣れるまでは、

「こんなの乗れない」

直感的にそう思うのだが、

慣れてくると、

大きなものしか乗りたくなくなってくる。

まあ、玄人好みというか、

ネクストレベルの楽しみ方でしょうね。

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大波は、マーベリックスが有名だが、

最近はマウイ島のピアヒ(ジョーズ)が注目されている。

大波師範のシェーン・ドリアンに言わせると、

「ジェットスキーで救助できること」

「パラシュートのように引いてONにする浮き具が開発された」

今までトウインと言って、

ジェットスキーで引っぱってもらって大波に乗っていたのが、

パドルイン、

つまり今日あなたがしていたスタイルで波に乗ることが可能になったと言う。

そんな後押しもあってのこの波。

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これはそのピアヒで、

乗っているのは、

最近大波に目覚めたというタイラー・ラロンデ。

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21歳になる彼は、

このジョーズのセットを滑り、

ボトムまでドロップをメイクしたまではよかったのだが、

この上に見えるリップ(波先)が彼をヒットし、

その衝撃でなんと、後ろ足がサーフボードを貫通してしまった。

伝説話みたいで、信じられないけど本当のことであります。

http://www.surfline.com/surf-news/leg-not-broken-board-still-trashed-after-close-call-at-peahi-tyler-larronde-better-than-expected-after-jaws-cr_135895/

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詳しくは、上記したサーフラインのリンクにあるが、

タイラーは人生で最大の痛みを味わい、

そしてこの大きなガンボードが膝下まで刺さったまま、

この波に巻かれていった。

彼はそのあまりの恐怖に、

普段は一個しかふくらませないパラシュート浮き具を二個稼動させ、

それでもなかなか海面に浮き上がってこられなかったという。

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ようやく浮いてきて、

救助ジェットスキーが横にいることを願ったが、

それはなく、代わりに見えたのは次の波。

「あわわ」ともう一発喰らい、

やっと海面に再び浮き上がってくると、

ジェットスキーがいて、彼を助けた。

でも、その2本の波のこと、

その海中での苦痛と恐怖を想像するだけで、

大波に乗りたい人ではなくて良かった、

そう胸をなで下ろすほどの恐ろしいものがありました。

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あの硬いサーフボードを、

しかもこういったガンボードは、

通常ボードのクロスではなく、

8オンスという倍の厚みの強度のものを使い、

さらにはそれを三層にしているのだから、

いかにあの波の衝撃がものすごかったのかをここに物語っている。

浮き具があって、ジェットスキーがあっても、

やはり大波は大波、違う世界があります。

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それでは、すてきな日曜日をお過ごしください。

波が良いようですね。

千葉北がスナッパーロックスみたいになっている写真を見ました。

Happy Surfing!