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naki's blog

エディ・アイカウの大きなイベントを終えて_(2098文字)

こんにちは、

小春日和というか、いい天気の千葉北です。

今日は午後からショールームにおりますので、

よろしければお立ち寄りください。

NAKISURF千葉

千葉県長生郡一宮町一ノ宮2777-2

TEL  0475-47-2619

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さて、ワイメアでのコンテストでは、

間違いなく史上最大の波サイズとなった昨日のエディ・アイカウ。

waimea

こんな荒れた海にサーフボードだけで漕ぎ出ていくのは、

いや漕ぎ出られるのは、ウオーターマンにとってのロマンだろう。

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これが波だというのなら、

昨日私が乗った波も波なのだろうか?

哲学的な疑問が浮かぶほどの波。

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世界から集まった大波乗りが、

こんな緊急脱出してしまうほどの波。

さて、『エディ・アイカウ』というのは、

大波乗りだったエディ・アイカウを偲んで、

開催される大波イベントだが、

このイベントの一週間前に癌で亡くなったブロック・リトルの追悼イベントでもあった。

しかも6年ぶりの開催、歴史上最大の大波。

私はライブ中継を見ながらこのイベント後には、

「これが世代交代になるのだろうか」

または、

「伝統は続くのだろうか」

そのふたつのことを考えていた。

エディ・アイカウの歴代王者がいて、

そのサーファーと比較して、

間違いなく世代交代と感じられるとしたら誰だろうか?

またはこのエディーにずっと出場していて、

あと少しで涙をのんだ悲願組たちもいる。

その一番の旗手はシェーン・ドリアンだと思う。

新時代組

伝統派

悲願系

出場者たちは、

そうやってカテゴライズできるのだが、

それぞれの王者ではなく、

ひとつの頂上にしなくてはならない。

また、これまでの歴代王者は7人。

初代は30年前にさかのぼり、

1986年の2月21日に開催されたときは、

エディの実弟クライド・アイカウに王者の冠が渡された。

それから毎年開催予定なのだが、

コンテストを開催するための規定が、

「ハワイアンサイズの20フィート波が8時間継続しなくてはならない」

ハワイアンサイズとは、波の後ろから計測するサイズ。

なので20フィートは、

カリフォルニアやオーストラリア、

そして日本で言う波高12m程度でしょう。

それから第二回目はケオニ・ダウニングが獲り、

第3回はノア・ジョンソン、第4回はロスクラーク・ジョーンズ。

第5回にケリー・スレーター、ブルース・アイアンズ、

第7回には、グレッグ・ロングと続いていきました。

そして第8回目は?

サーファーたちにとってさまざまな想いがあり、

前出したように王者で波乗り界の未来を占えるほどの大波日。

こう考えると、重みというか、

大波にもそれぞれのスタイルがあるのだと思う。

さて、

この2月18日に亡くなってしまったブロック・リトル。

brock

彼はケリーやシェーン、

そしてヤングハワイアンサーファーにとっては、

兄のような存在だったという。

1991年のイベントに24歳で初出場したブロックは、

最悪のワイプアウトと、最大の波、

そして当時このサイズのワイメアでは考えもつかなかった

バレルライドを披露し、

そのブロック・リトルという名を世界に轟かせた。

親友を亡くしたケリーは、

「(ブロックのために)エディでバレルに入る」

そう決心していたのだが、

そんな波はどこにも入らず、

最終ヒートも残り3分を切っていた。

すると、どこからか波がするするっと入ってきて、

それにテイクオフしたケリー・スレーターは、

なんとバレルに入っていった。

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そのままこの深さと大きさの穴蔵をメイクし、

岸まで乗り継いで、

バックサイドでまたバレルに入って、

上がってきたケリーはその偶然と、

まるでブロックが用意してくれたかのような波を回想して号泣していた。

波乗りはドラマだと言いますが、

これは大河ドラマのエピソードのようで、

私はその話を聞いて、涙が止まらなかった。

もうひとつのドラマは、

エディの弟であり、

30年前の王者クライド・アイカウ。

彼はアイカウファミリーを引き継ぐ者として、

今に生きている。

御年66歳。

それも巨大なワイメア。

全員が心配している中、

「クライドなら平気だ」

そんな声まで聞こえてくる。

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その彼は臆することなく、

ボイル奧の危険なピークよりふわりと乗って、

それらをメイクした。

さらには時折やってくるクローズアウトセット

(オバケ波群)を波の下で耐え、

2ヒート、2時間をサーフした。

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前出したケリーも、

これで年齢はあまり関係ないということをクライドが証明したよね。

アイカウ・ファミリーはすごいんだよ。

そんなすばらしい話もこのイベントにはあった。

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ジェイミー・オブライエンとシェーン・ドリアンが、

最大の波に乗り、

なんとこれをシェーンが最後までメイクした。

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ネイザン・フレッチャーは、

この斜面をバックサイドで垂直降下し、観衆を沸かせた。

他にも数々のドラマがあって、

もちろん日本から出場した脇田さん、

そしてグレッグ・ロングやマーク・ヒーリーたちのドラマがあるのだが、

それを書くのはいつかの機会としよう。

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Photo by Mike Coots.

こんな水の壁。

これもサーフィング。

生き方であり、

それは各々のドラマとなった日。

すばらしい土曜日となりますように!