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naki's blog

Hyper Sonicインプレッション_ショートボードの本質、ハイパーソニック@千葉夷隅ひざ腰波_(2818文字)

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おはようございます。

朝起きると無風快晴のすばらしいコンディションだったが、

8時頃から北風が強くなり、海面が荒れ始めてしまった。

この辺りで北風系ならば夷隅だと、

夷隅川を渡ってブレイクの前に駐車した。

風は入っているが、それほどまで悪くない。

セットで腰くらい。

私の体調は絶不調で、

悪寒と腹痛がすごく、

どんなに温めても震えているほどで、

そんなこともあって、

まずはツナくんがハイパーソニックを乗ることになった。

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ツナくんも私と同じフィッシュ派というか、

ショートボードには乗らずに

ソニックブーム系ボードを愛する人だが、

こうして一本目からすばらしいターンを見せた。

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「これ、速いです」

「ノーズが細いので、むずかしいかと思いましたが、簡単に乗れました」

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そんなコメントを発しながらたくさんのマンライをして、

3時間もサーフしてから上がってきてこの笑顔。

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Catch Surf Odysea Log 8′

北カリフォルニアのサンフランシスコ出身のマックスは、

この水温は「温かい」と感じられるという。

それもそのはずサンクレメンテと同じ水温14度。

季節は春になってきたようです。

アレックス・ノストと見間違うほどのボードさばきに、

マックスのポテンシャルを感じた。

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出番を待つハイパーソニック。

マックスが上がってきた。

「ふなきさん、元気はどうですか?もし良ければ写真撮りますよ」

そう日本語で言ってきてくれた。

私もプロであるので、

こんなときは息を止めて、

丹田に活を入れるようにそれは冷たいウエットスーツを着た。

途端に咳き込み、猛烈なる悪寒がやってきた。

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でも気合いで一度体を動かし、

ウオーミングアップをしてからパドルアウト。

海に入ると、自分が別人となり、

その風邪だかウイルスはどこかに行ってしまったようだ。

セットを待たずにハイホイと波に乗る。

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テイクオフがやたらと速いのもこのハイパーソニックの特徴であるようで、

この波質とサイズで、

こうして横向きのテイクオフができてしまう。

柔らかいし、安全なほどの操作性、

そして斬れ味鋭いフィーリングは、

真剣での立ち会いのようなほとばしる感覚を呼び起こしてくれる。

今日は、

ここまで乗ったインプレッションを書いてみます。

ーーーーー

このハイパーソニックには、

ショートボードの本質が宿っていると思う。

「ありそうでなかった」と表現されていたように、

ディープコンケイブ、

Sデッキ、リリース・バベルテイル、

レイルロッカーとデッキロッカーの合致、

フィンアクセレーションという仕様は、

ショートボードの世界では間違いなく初となるデザインだろう。

そしてこれだけ多様なデザインを内包しているのにも関わらず、

どこから見てもショートボードで、

日本のサーフ事情にジャストフィットする普遍性。

実用だけではなく、

NATIONならではのクールなスタイルを取り入れていて、

こういうサーフボードを欲しいと思っていた人は多いだろう。

初めて見たときにも感じたのだが、

エクステリアデザインのすばらしさは群を抜いている。

全体的なプロポーションはスコアボードに似ているが、

さらにシャープなデザインとなっていて、

よりショートボードらしい軽快さを感じ、

もはやスーパーサーフボードと評しても良いほど、

フォルムとコンセプトの合致を見た。

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乗ってみると、

膝波でさえどこまでもしなやかに波面を追っていく。

したがってホールディングは絶好で、

さらにはテイル機構により、

瞬時に波のトップにボードを引き上げられる。

なので、

上の写真のように完全に崩れてしまったロール上で、

クネクネとうねらせることもできるから、

ダンパー(クローズアウト)が多いブレイクでも楽しめるだろう。

しかもこのトップ上でも速度の低下がないので、

泡の上でもまったく姿勢を崩すことなく、

そのまま滑り降りることができる。

この安心感と操作性は特筆すべきことで、

そのことをシェイパーとしての視点から、

全てのライン、フォルム、ロッカー、カット、

ボリュームというデザインを構成したライアン・イングルは次のように語った。

「私はロッカーを極限的に弱くしながら、

コントロールをより高められるようにデッキ側のデザインを見直し、

そこに注力することにしました」

確かに波を滑るのはボトム面だが、加重するのはデッキ側。

なので、その加重が容易に、

しかも的確に行われるように

『Sデッキ』という曲面をスタンス位置に搭載してきた。

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フィンから延伸するカーボンストリップもこの操作系統にアシストを与えている。

ボトムのアクセントでありながら、

背骨のような芯があるようで、この動力性能をさらに高めている。

上記したように過激ともいえるアプローチアングルがあり、

そしてSデッキからの安定した加重性能。

リリース・バベルアングルは、

まるで短いボードに乗っているかと錯覚するほどの機動性である。

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プロやトップアマチュアのハイユースから、

日常的に使う中級者はもちろん。

そしていつかはショートボードに乗りたいと思っていた人と、

さらには初心者にはサイズ(具体的には長さ)を上げてもらえたら、

このハイパーソニックのあり余るほどの恩恵を受けるだろう。

小さなボディーだからこその、

さまざまな仕様は、性能を格段に高めている。

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Nation Hyper Sonic 5’8″ x18.5″ x 2.3″

全く新しいショートボードを開発したら、

サーフボードの本質がそこに宿ったのは、

ある意味灯台もと暗しというか、気付かなかったことである。

ずっと7フィート近いミッドレングスのシングルフィンに乗っていた私を

ショートボードに乗る楽しさを誘ってくれるボードであり、

そしてサーフィングの鋭さ、驚き、

スリルをもう一度伝えてくれるものになった。

Nationハイパー・ソニック_プロトタイプの誕生_その予告動画とピザ、Tee染め、冷水温_(1286文字)

上がった途端に体調の悪い私が戻ってきて、

ガタガタ震えながら着替えて、ショールームに戻る。

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ここでは永嶋さんという方が、

1970年代のほぼ新品シングルフィンを持ってきて、

「今日はこれでニコリンサーフしました!」

そうやって、彼は私のブログファンであるらしく、

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登場人物のマックスとツナくんと記念撮影していました。

それにしても日本にもこんな美しいビンテージボードがあるのですね。

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フェイスブックのコメントで予告していただいた神田さんが、

ニコリンサーフ仲間と一緒にやってきて、

ドリームクラッシャーをピックアップされていった。

フィンの話をしたり、こんな笑顔はいつもうれしく、

そして元気になるものだ。

ありがとうございました。

それではすてきな日曜日をお過ごしください。

千葉にも桜が咲いていて、すっかり春を感じます。

今日もNAKISURFにお越しくださいましてありがとうございました。

Have a beautiful sunday!!

 


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